オランダの移民系有権者は反撃に出るのか?

Demonstrators with banners of Turkish President Recep Tayyip Erdogan gather outsidethe Turkish consulate to welcome the Turkish Family Minister Fatma Betul Sayan Kaya, who decided to travel to Rotterdam by land after Turkish Foreign Minister Mevlut Cavusoglu's flight was barred from landing by the Dutch government, in Rotterdam, Netherlands March 11, 2017. REUTERS/Yves Herman - RTX30MBF
A look at the possible voting behaviour of Dutch voters with immigrant backgrounds.Image: REUTERS/Yves Herman
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最近の論争をめぐり、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とオランダのマルク・ルッテ首相が対立している。トルコ閣僚の国外での選挙運動をルッテ首相が認めなかったことが発端で、オランダに暮らすトルコ系住民の状況は一段と悪化した。

オランダに暮らすトルコ系の人々は、自分たちには得るものがなく、失うものばかりの不快な外交紛争で、どちらかの側に立つよう迫られている。エルドアン大統領は、自らの権限を拡大する国民投票を前に、彼らを利用して自身の立場を強めている。一方、オランダの政治家たちは、社会への統合を拒む移民に対して自分たちがいかに厳しいかを有権者に示すため、彼らを利用している。

もちろん、恩恵を受けるのはヘールト・ウィルダースだ。今、オランダ政界で最も有名な人物である。

ウィルダースはオランダの政治論議に絶大な影響を及ぼしてきた。移民とイスラム教を厳しく非難する彼の言説は、オランダの社会統合をめぐる議論を一変させた。ウィルダースの影響で、主流政党はすべて移民、イスラム教、社会統合に関して右傾化した。

その結果、移民の背景を持つオランダの有権者、とりわけイスラム教徒は、世俗的な進歩派政党からますます代表されにくくなっている。こうした政党には社会民主党や緑の党があり、従来、移民系有権者から最も多くの支持を得てきた。

少数派の代表を可能にする開かれた制度

オランダの人口のほぼ20%は第一世代または第二世代の移民にルーツを持つ。約12%、つまり200万人は、「非西洋系」の背景を持つ人々だ。この集団は、ウィルダースと彼の自由党が主な標的としている。

オランダの比例代表制は一般に、性別、民族、社会的背景の面で少数派の代表を後押しする。オランダの選挙では、純粋な比例代表制を採用した政党名簿式が用いられ、議席獲得に必要な最低得票率は非常に低く、優先投票もできる。

選挙では各党の名簿が競い合う。候補者の順位は各党が決めるが、有権者は名簿に載った候補者を選ぶこともできる。その候補者は、十分な票を得れば党の順位にかかわらず議席を獲得する。議席獲得に必要な票は約6万票にすぎない(人口が約1,700万人の国で)ため、オランダ議会の150議席のうち1議席を得ることができる。

この開かれた政治制度の結果、オランダ議会における移民の背景を持つ議員の割合は、欧州でも有数の高さにある。

DENKの誕生

主流政党がウィルダースに対抗するためさらに右傾化するなか、移民の背景を持つ議員とその支持基盤の不満は高まっていった。

トルコ系のチュナハン・クズとセルチュク・オズトゥルクの2人の政治家は、トルコ系オランダ人社会の保守的で宗教色の強い層と強い結びつきを持ち、社会民主党を離党した。トルコの宗教団体が社会統合の妨げになっているのか、監視すべきなのか、さらには禁止すべきなのかをめぐり、党内で激しい対立があったためだ。クズとオズトゥルクは独自の政党DENKを立ち上げた。DENKはオランダ語で「考える」、トルコ語で「平等」を意味する。

私たちの調査によると、移民コミュニティにおける世俗的な進歩派政党への支持は急速に低下しており、オランダ政治への信頼と関心もさらに薄れ、投票参加率に大きな影響を及ぼしている。

移民の背景を持つ若者を対象とした調査からは、この集団でオランダの社会や政治に自分の居場所を感じなくなる人の割合が増え続けていることが分かる。そうした若者は、不満を抱き、汚名を着せられていると感じ、主流政党は自分たちの利益を代表していないと考えている。

DENKは議会で2議席を獲得すると予測されている。保守的なトルコ系オランダ人コミュニティは比較的大きく、組織力があり、政治活動にも積極的であることを考えれば、この予測は妥当と思われる。

しかし、これが移民の背景を持つ有権者の自立に向けた動きを示すのか、またDENKが彼らの利益をうまく代表できるのかは、依然として不透明だ。

DENKの党綱領の中心的なメッセージは「つながり」だが、これまでの選挙戦略では、政治的なライバル(とりわけライバル自身も移民の背景を持つ場合)に加え、メディアやウィルダースの支持者を激しく攻撃している。

短期的には、この戦術は支持者が怒りや不満を表明したいという要求に応えるかもしれない。しかし長期的には、分極化をさらにあおり、分離を招く可能性もある。この二つは、いずれもこの集団の利益にかなうものではない。

オランダの社会統合の行方

移民の背景を持つ有権者は、何かのために闘うことには今も意味があると信じる必要がある。同時に、移住先の国から一定の関与を得て、そこにつながりを感じることも必要だと、私たちの調査は示している。

現在の政治論議は、移民がオランダ文化に同化しているかどうかに焦点を当てがちだ。この考え方は、移民が出身国とつながりを保つことを問題視し、二つの帰属意識を認める余地を残さない。誰もが参加できる政治的な議論を生み出すどころか、分極化と分離をさらに進めるだけだ。

オランダの異なる集団や支持基盤の間に橋を架けるため、最初の一歩を踏み出すのは誰だろうか。待てば待つほど、実現は難しくなる。

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