なぜ南アジアと東アジアの貿易は拡大していないのか?

なぜ南アジアと東アジアの貿易は拡大していないのか?
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パキスタンのラホールで開催された 南アジア経済学学生会議 (SAESM’13)の運営チームの一員として、私はすでに SAESM の仲間に加わるとはどういうことか、概要をつかんでいました。2003年に開かれた第1回年次会議の構想は、南アジアの経済学部生が互いに交流し、考えを交換し、授業外の環境で経済問題について議論する場を提供することでした。参加者は研究論文を執筆して発表するか、複数ラウンドの競技に参加し、「南アジアの新進エコノミスト」の栄誉を競います。さらにSAESMは、国境を越えた友情を築き、一生残る思い出を作る機会も提供します。そこで、 SAESM’14 (ブータン)の応募受付が始まるとすぐ、私はパキスタン代表団の一員になるために応募し、学術的に難度の高い面接を経て選ばれました。

私は研究論文のテーマを「世界的視野における南アジア」という小テーマにしました。関連する論文、記事、刊行物に何度も夜を徹して目を通すなど、多大な努力を重ねた結果、テーマを「スパゲティボウル効果が南アジア・東アジア間の貿易関係に及ぼす影響評価」に絞り込みました。

スパゲティボウル効果とは、貿易経済学における興味深い現象で、国同士の自由貿易協定(FTA)の数が増えると、当該国間の貿易関係が停滞することを指します。この「スパゲティボウル」という言葉は、ボウルの中でスパゲティが絡み合う様子と、地域内でさまざまなFTAが絡み合う様子をなぞらえています。スパゲティボウル現象は、1995年にジャグディーシュ・バグワティが初めて論じました。自由貿易協定では、加盟国は相互に適用する域内関税を引き下げることに合意する一方で、各加盟国は非加盟国からの輸入品に独自の対外関税を課すことができます。これにより、取引される製品の「原産国」という概念が導入されます。製品が生産過程で多くの国を経由することも珍しくない、高度にグローバル化した世界において、ある国の製品を別の国の製品と区別するために用いられます。さらに、国際貿易には「原産地規則」(ROO)と呼ばれる規則があり、原産国を判定する基準を定めています。問題は、FTAごとに独自のROOがあり、FTAの数が増えて互いに絡み合うと、ROOも同様に絡み合うことです。その結果、生産者がすべてのROOを同時に遵守することは、ほぼ不可能になります。

2003年まで、南アジアと東アジアを結ぶFTAは、1975年に締結されたアジア太平洋貿易協定(APTA)だけでした。現在、協定の数は10に増えています。

異なる色の線は、それぞれ異なるFTAを示しています。懸念されるのは、これらの協定が締結された後も、貿易量が予想どおりに増えていないことです。

次のグラフが示すように、南アジアの世界全体との貿易に占める、南アジアと東アジア間の貿易量の割合は、全期間を通じて約20%で停滞しており、貿易協定が急増しても貿易量には実質的な増加が見られません。

*縦軸は割合、横軸は年。データ:IMF-DOTS。

私の論文の仮説は、貿易量が予想どおりに増えていない理由の一つがスパゲティボウル効果にある、というものです。この仮説を検証するため、貿易の重力モデルを用い、スパゲティボウル効果を捉える2つのダミー変数を組み込みました。その結果、貿易協定を追加で締結すると、両小地域の国々の間の貿易量にマイナスの影響が及ぶことが分かりました。

政策提案として、10の貿易協定をすべて廃止し、2つの小地域を結ぶ南アジア・東アジアFTAを締結することを勧めます。この提案は、 アジア開発銀行 が実施した、アジアにおけるさまざまな将来のFTAの予想効果を比較する最近のシミュレーション研究によって裏付けられています。同研究は、単一の南アジア・東アジアFTAを設立した場合に最大の利益が得られることを示しています。私の発表は会議で好評を得ました。審査員の一人からは、両小地域間でFTAを一つ追加で締結するごとの限界効果を測定し、スパゲティボウル現象をさらに掘り下げるよう助言を受けました。その結果をグラフ化すれば、地域の社会政治的環境を踏まえるとやや困難で長期的な課題である10のFTAすべての廃止に代わる、より実践的な政策提言を導き出すのに役立ちます。

この記事は最初に 世界銀行「南アジアの貧困撲滅」ブログに掲載されました。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持していることを意味するものではありません。

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著者:オサマ・サジドは、パキスタンのラホール経営科学大学で経済学を学ぶ学部生です。

画像:ヤンゴン郊外のティラワ経済特区近くの水田で働く男性。REUTERS/Soe Zeya Tun

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