移民危機を終わらせるために、欧州に新たなアプローチが必要な理由

移民危機を終わらせるために、欧州に新たなアプローチが必要な理由
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欧州の国防相と外相は月曜日、地中海での密航および移民の人身取引を阻止するため、12カ国からの拠出と1,000人を超える兵員を伴う野心的な海上作戦に合意した。これは重要な一歩だが、軍事行動だけで移民危機を終わらせることはできない。今年だけでも、アフリカから地中海を渡ろうとした1,800人以上が死亡している。

確かに、軍事を重視するアプローチは大きな成果をもたらしている。今年初めに地中海で欧州の海軍プレゼンスが拡大したことで、アフリカから欧州への渡航を試みる人々の死亡率は95%も大幅に低下し、ここ2カ月間に死亡した庇護希望者はわずか数十人にとどまった。

最新の取り組みは、密航業者の「ビジネスモデルを崩す」ことで、この進展をさらに推し進めることを目指している。正式に開始される前からすでに影響が現れ、リビアからイタリアへの到着者数は大幅に減少した。しかし、密航業者は単に経路を変え、トルコやエジプトからギリシャへ向かうケースが増えているようだ。また、バルカン半島の陸路を通って欧州連合(EU)に入る者も増えている。これは、軍事的解決策の限界を反映している。

実務上の欠点に加え、EUの軍事中心の移民危機対応には問題がある。故郷での暴力や迫害から逃れる、追い詰められた人々である移民や庇護希望者を、世論の中で犯罪者扱いするように映るおそれがあるためだ。欧州にたどり着き、庇護申請を行う人々の大半は、国際的な保護を受ける正当な資格があるとEU加盟国から判断されている。

問題は、これまでのところ、EU加盟国が合意できたのは軍事的な取り組みだけだということだ。庇護申請の審査と難民の再定住について責任を分担し、ギリシャとイタリアが到着したすべての庇護希望者の審査を単独で担うのを避けるという、欧州委員会の控えめな提案でさえ、説明しがたいほど強い反発に直面している。

この提案に抗議し、予想される20万人の到着者のうちわずか4万人を他のEU諸国に再配分する案に対して、一部の国は移民の入国を全面的に阻止するため国境を閉鎖するまでに至った。ハンガリーは、移民を締め出すためセルビアとの国境に柵を建設すると発表した。

支援が得られないことへの対抗措置として、最前線の国々の政治家は、到着する移民全員にシェンゲン査証を発給し、EU域内のどこへでも自由に移動できるようにする案を提起した。救助した庇護希望者を他の欧州の港へ直接移送することを提案した人々もいた。

この底辺への競争によって、EU諸国は連帯を放棄したように見え、その結果、欧州統合の最大の成果の一つであるシェンゲン圏内の自由移動が危うくなっている。さらに、この対応は、負担分担の原則を守ることがすべてのEU諸国にもたらす利益への認識不足を示している。短期的な国内政治上の必要が常識に優先している。

明らかなのは、欧州諸国には新たなアプローチが必要だということだ。EUの根本的な価値観を反映しながら、その利益にもかなうアプローチである。欧州諸国間で庇護希望者に対する責任の配分を改善するだけでなく、紛争や極度の貧困から逃れる人々のために、安全で合法的な経路を設けるべきだ。

そのために欧州は、家族再統合の選択肢や一時就労査証を拡充するとともに、難民向けの労働需給マッチング制度を整備できる。個人や非政府組織が再定住の責任を担う難民の民間支援にも大きな可能性があるが、EUはそれを活用する努力をまったくしていない。

移民危機に対処する包括的戦略の最後の重要な要素は、多くの庇護希望者の出身地であるアフリカ諸国との結びつきを深めることだ。今年後半にマルタでEU・アフリカ連合首脳会議が開催される予定であり、欧州の指導者にはアフリカとの関係を再構築する重要な機会がある。

国境警備や移民の出身国への送還に焦点を当てるのではなく、EUとアフリカの指導者は、密航対策の実施中も含め、庇護希望者と移民の生命および人権を守るための戦略を策定できる。EUは北アフリカ諸国の難民支援に向けて資金を増額できる。その見返りとして、各国は自国の強固な保護政策を整備すべきだ。また、アフリカ域内および欧州・アフリカ間の地域的な人の移動に関する協定を推進することもできる。

もちろん、現在の地中海における移民危機は欧州とアフリカだけの問題ではない。国連と、より広範な国際社会にも重要な役割がある。先週、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、昨年、世界の難民数が20%以上増えて1,950万人となり、紛争による避難民の総数は第二次世界大戦後最多の約6,000万人に達したと報告した。昨年は毎日、平均4万人を超える人々が家を追われた。これは2012年の約2万人、2010年の1万人から増加している。

避難の規模と速度がこのように増大しているにもかかわらず、難民に対応する国際体制の能力はほとんど改善していない。現在、UNHCRの再定住プログラムに参加しているのは26カ国にすぎない。この制度では、最初にたどり着いた安全な国から、永住権を提供する意思のある他国へ難民を移送する。これは世界で最も効果的な難民保護の仕組みだが、昨年これを利用できたのはわずか10万3,000人だった。

EU、湾岸諸国など他の先進国、そして国連は、紛争と絶望から逃れる人々を守るため、もっと多くのことをしなければならない。対応を一日遅らせるごとに、さらに多くの命が危険にさらされる。

この記事は、 Project Syndicateとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが記事の見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:ピーター・サザーランド。国連事務総長の移民・開発担当特別代表。世界貿易機関の元事務局長、欧州委員会の競争政策担当委員、アイルランドの元司法長官。

画像:2015年2月16日、シチリア島のポッツァッロ港で、移民が使用した救命胴衣が2隻の漂流船に残されている。REUTERS / Alessandro Bianchi。

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