ユーロ圏の回復にはなぜ時間が必要なのか?

ユーロ圏の回復にはなぜ時間が必要なのか?
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初夏までは、ユーロ圏が市場の圧力によって崩壊する運命にあるように見えた。しかし、欧州の政策立案者が行動を起こし、長く続いたユーロ危機が好転に向かった。危機はまだ終わっていないが、より穏やかな局面に入った。

マリオ・ドラギは、ユーロが明日にも崩壊するのではないかという懸念を払拭した。彼は事実上、自身の職と評判を通貨の存続にかけている。欧州中央銀行(ECB)の政策理事会の大多数の支持を得ていることから、この姿勢には信頼性がある。さらに、9月初めに発表された新たな仕組みであるアウトライト・マネタリー取引(OMT)は、ユーロが崩壊することを決して望まないドイツ政府の暗黙の支持を得ている。

各国首脳は、財政調整と構造改革だけでは市場の信認を確立するのに不十分であることを、ついに認めた。6月の欧州理事会で始まった銀行同盟への動きは、市場を安定させるための第二の重要な要素をなしている。

ギリシャさえも安定化しつつあるようだ。同国は、国内の財政収支と対外収支の両面で「ぎりぎり」の一次収支均衡を達成し、財・サービスの輸出が輸入を賄うようになった。債権国はこれを認め、利払いに必要な資金を喜んで貸し付けようとしている。「グレグジット」の可能性は、今やはるかに低くなった。

したがって、短期的な火種は抑え込まれている。しかし、国内需要が冷え込んだ「新たな常態」への周辺国の調整が長く苦しいものになるという事実は変わらない。その打開策は輸出の伸びだけである。この過程は緩やかなものとなるだろう。

ドイツが再統一による好況の終焉に適応するには10年(1995~2005年)を要した。したがって、スペインやアイルランドのような国々が建設ブームの終焉から完全に回復するには、少なくとも今年代末までかかる可能性が高い。ポルトガルやギリシャのような国々は、もはや海外資本の流入に頼ることができないため、単に低い消費水準に適応せざるを得ないだろう。

ユーロ危機は決して終わっていない。しかし、今後は回復が短距離走ではなく、マラソンとなる。

執筆者:ダニエル・グロス(ベルギー、欧州政策研究センター(CEPS)所長、 欧州に関するグローバル・アジェンダ評議会メンバー)

画像:フランクフルト証券取引所のDAX指数ボードの前でデスクに向かうトレーダーたち REUTERS/Reuters Staff

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