ケニアの最近無効とされた選挙はまもなく再実施されるが、選挙運営をめぐって浮上した長期的な課題には、いまだ答えが出ていない。国際監視団の活動に注目が集まっているが、選挙を実施する能力に関する、より広範な問題もある。それはアフリカ連合の中枢にまで及び、さらに大陸全体に広がる課題だ。
アフリカの民主主義諸国は、実用技術における世代交代を連携して進めている。これまでのところ、世界の基準に照らしても、実に見事な成果を挙げてきた。そもそも英国では、電子投票のような仕組みはいまだ導入されていない。レインコートを着た人々が辛抱強く待つなか、誰かが鉛筆で紙の名簿の自分の名前に線を引く。雨にずぶぬれの有権者は投票所に入り、鉛筆で投票用紙に記入して一票を投じ、役に立たない傘を差しながら、また外へ出ていく。100年間、何も変わっていない。
道を切り開いてきたのはアフリカだ。21世紀の選挙運営に伴うあらゆる問題への即効策を求める場所は、西側諸国ではない。問題の一つは、複数の電子投票方式が使われていることだ。ナイジェリアでは電子的な有権者識別が優先されているが、そこでも一貫して導入されているわけではない。複数の企業がそれぞれ異なるシステムを提供し、競争入札に参加している。
アフリカ連合は、大陸全体で電子投票に適用する要件と仕様の標準を定める必要がある。紙の投票用紙は透明なプラスチック製投票箱に入れなければならない、と定めた規約だけでは、もはや十分ではない。だが、アフリカ連合は遅れをとっている。前議長のヌコサザナ・ドラミニ=ズマは、テクノロジーに明るい人物とは言い難かった。実際、後任者は、委員会には目的にかなう電子メールシステムが早急に必要だと強調したと伝えられている。
ドラミニ=ズマは今、大統領選に名乗りを上げるため故郷の南アフリカに戻った。同国の内閣は、テクノロジーに疎いことで知られている。現職のジェイコブ・ズマ大統領がノートパソコンやPCを使っている写真はほとんどなく、実際にキーを押している姿はおそらく一枚もない。(隣国ジンバブエのロバート・ムガベ大統領は、ノートパソコンと一緒に写ったことがどうやら一度もない。)
大統領たちが簡単なメールの送信にも苦労するかもしれない一方で、各選挙で何千人にも上る地元の監視員には、これまで実施されたことのない種類の専門的な訓練が必要になる。システムの仕組みだけでなく、システムを機能させない方法、少なくとも有権者の意思を反映しない形で機能させる方法も知る必要がある。それを踏まえて初めて、国際監視団の能力が問われる。
システムを使いこなす
ケニアへのEU監視団は選挙のかなり前に派遣され、地理的にも広範囲をカバーしていたが、電子技術の専門知識を十分に備えていたとは言い難い。しかも、今回が電子選挙になると事前に分かっていなかったわけではない。
選挙が始まる前、EU監視団が派遣される前に、EU監視団とケニア野党の幹部は、私が電子選挙監視の課題についてまとめた詳細な論文を読む機会を得ていた。また、2015年のナイジェリア選挙から、こうした取り組みが難航しうることを示す十分な証拠もあった。公平を期すなら、選挙管理委員会も能力を高める必要がある。ケニアで何が起きたにせよ、悪意によるものだったのか、能力不足だったのかはともかく、選挙管理当局が手に負えない状態に陥っていたのは明らかだ。最終的に問題を解決したナイジェリアの同業者とは対照的だった。
選挙管理委員会は、電子選挙の全段階、とりわけ検証段階を、知識を備えた監視員に公開する必要がある。この段階では、巧妙なアルゴリズム調整を加えることで、現場の投票傾向と「検証済み」の結果との近い一致を保ちながら、与党に「わずかな」勝利をもたらすことができる。
少なくとも、電子的な不正が説得力をもって通用するのは、接戦の場合に限られる。90%の得票率での勝利は、ほぼ(完全にではないにせよ)過去のものとなったが、今後は約2%差で「勝利」する選挙が相次ぐだろう。ケニアの選挙のように約4%差の場合も、専門家による精査を受け入れなければならない。結果としてケニアの選挙は電子投票以外の不正を理由に無効とされたが、野党も選挙管理委員会も、電子的な不正があった、あるいはなかったという主張を継続的に立証できなかったようだ。
それでも、電子投票やデジタル投票で成熟に近づいているのはアフリカだ。スマートフォン時代に、西側諸国の選挙はソニーのウォークマンのように見える。その比較でさえ少し褒めすぎかもしれない。英国で投票に行くのは、レコードプレーヤーのLPを78回転で回すようなものだ。アフリカの新しい指導者や技術官僚が、今後は世代交代をより円滑に進め、老朽化した西側諸国に道を示し続けてくれることを願いたい。

