ウクライナの人々はスマートフォンで文化的ランドマークを守っている。その方法とは

Almost a year on, the human cost of Russia’s war in Ukraine tragically continues.
Almost a year on, the human cost of Russia’s war in Ukraine tragically continues.Image: Unsplash/gilleslambert
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  • ロシアとの紛争が続くなか、ウクライナの文化遺産を保護し保存するための取り組みが進められている。

  • その一つが、ウクライナの人々が重要な物や場所の3Dスキャンを作成し、損傷や破壊に備えるために利用できるアプリだ。

  • 作成した3Dモデルはアップロードでき、「Backup Ukraine」と呼ばれる恒久的な歴史デジタルライブラリーを構成する。

開戦からほぼ1年が経った今も、ロシアによるウクライナ侵攻の人的犠牲は悲劇的な形で続いている。米軍は、およそ民間人4万人が命を落とし、軍関係者は最大20万人に上り、双方で死亡または負傷したと推計している。

国連の記録によると、ほぼ800万人が欧州各地で安全を求めて難民となっており、さらに600万人を超える人々が国内避難民になっていると推計される。

人々の悲劇に加え、ウクライナの文化遺産も戦争による破壊の危機にさらされている。2023年1月時点で、ユネスコは、文化的に重要な235カ所の被害を確認したと発表している。2月のロシア侵攻以降に被害を受けたのは、宗教施設104カ所、博物館18館、歴史的・芸術的価値のある建物83棟、記念碑19基、図書館11館だ。

ユネスコは、ウクライナで被害を受けた文化遺産を記録している。Image: EU/ユネスコ

市民アーキビストの力を引き出す

ウクライナの文化遺産を守るために進められている取り組みの一つに、誰もがアーキビストになれる「Backup Ukraine」がある。Polycamアプリを使えば、市民は建物や記念碑の3Dモデルを作成し、損傷や破壊に備えて保存できる。スマートフォン、一眼レフカメラ、さらにはドローンでも3Dスキャンを行える。スキャンデータはアップロードし、恒久的なデジタルアーカイブとしてオンラインで保存できる。

このアプリにより、すべてのウクライナ国民が訓練を受けることなく、スキャン技術を無料で利用できる。それ以前は、専門知識と機材を持つ専門家だけが3Dスキャンを実施できた。

ただし、プロジェクトの関係者によると、現時点では主要な文化財などの「公共の建造物」の記録は、当局の認可を受けたボランティア団に限定している。ほかの市民には、自宅近くにある地域の像や集会所、避難所のような屋内施設など、身近な物や場所を記録するよう呼びかけている。

Backup Ukraineアプリはウクライナ文化をデジタル保存している
Backup Ukraineアプリはウクライナ文化をデジタル保存している
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このプロジェクトは、ユネスコ、ブルーシールド・デンマーク、VICEメディア・グループ傘下のエージェンシーVirtueによる連携事業だ。

「戦争が続くなか、文化を保存する従来の方法は圧迫されています。そのため、革新的な技術による支援は大いに歓迎されます」と、デンマーク・ユネスコ国内委員会の委員長、エルセベス・ゲルナー・ニールセン氏は声明で述べた。

同氏はさらに、「だからこそ、デンマーク・ユネスコ国内委員会はBackup Ukraineを強く支持しています。この耐え難い喪失の時期に、ウクライナの文化遺産を後世に残す助けとなることを願っています」と語った。

ウクライナの文化的至宝を保存する

Backup Ukraineプロジェクトは、国内最大かつ最も重要な文化遺産の保存に向け、専門家の協力も得ている。Skeironは、独自の専門機材を使って大規模なスキャンを行う3Dスキャン専門家のチームだ。

同チームによると、3Dモデルのアーカイブにはすでに、同チームの取り組みの一環として重要な文化遺産が100カ所以上収録されている。#SaveUkrainianHeritageキャンペーン。

「ウクライナには全国各地に木造教会が数千カ所あり、特に火災に弱いものも多くあります。また、内部に重要な絵画を有する教会も多いため、レーザースキャンだけでなく、高品質の写真測量も行うことが重要です」と、チームはGeo Week Newsに語った。

ユネスコによるウクライナ支援

ウクライナで戦争が始まって間もなく、ユネスコは、可能な限り破壊を防ぐため、一連の緊急措置を実施した。建物の保護や目録作成開始に向けた技術的助言、貴重な物品の避難所への移送、消火対策に関する助言などが含まれる。ウクライナにはユネスコ世界遺産が7カ所ある。

また、ウクライナ当局は文化遺産にブルーシールドの標章を掲示する支援も受けた。この標章は、1954年ハーグ条約によって保護されていることを示す。同条約は武力紛争時の文化財保護を定めている。違反は国際法違反とみなされ、ロシアとウクライナはいずれも締約国だ。

キーウの聖ソフィア大聖堂は、ウクライナにある7カ所のユネスコ世界遺産の一つ。Image: Unsplash/voj

Backup Ukraineの取り組みは、保護をさらに重ねるものだ。ユネスコのニールセン氏はこう述べている。「戦争が奪うのは命だけではありません。国の精神に取り返しのつかない損害を与えることもあります。その価値、誇り、歴史を象徴するもの、つまり国のアイデンティティの基盤を破壊することで。」

そのため、「国の文化遺産を守ることこそ、社会の再建と再生への最善の道です」と、ブルーシールド・デンマークの委員長、ソーレン・ラ・クール・イェンセン氏も同意する。

「完全な喪失が私たちにとって最大の恐れです。Backup Ukraineは、それを防ぐための新しく重要な手段となります。」

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