ウクライナ紛争により、小麦の供給をインドに求める国が増えている。
しかし、インドの小麦生産量は減少しており、その主な原因は最近の深刻な熱波だ。
その結果、インドの小麦価格は最大20%急騰し、消費者にも影響が及んでいる。
インドが世界各地への小麦輸出を増やしていることで、国内価格には上昇圧力がかかっている。
ロシア・ウクライナ戦争が勃発する前、食用穀物の生産量で世界第2位のインドが占める世界輸出の割合は、わずか1%だった。紛争によって、今やインドは余剰小麦在庫を販売できるようになった。
ここ数週間、複数の国がインド産小麦を求めて列をなしている。トルコは最近、5万トンを発注した。1か月前には、ロシア産とウクライナ産の小麦を最も多く輸入するエジプトが、インドを新たな供給国として承認し、100万トンの輸入を目指している。
こうした急増のさなか、インドの生産量も減少している。主な原因は、3月の深刻な熱波だ。5月4日、インド政府は生産見通しを5.7%引き下げ、6月に終わる作物年度の生産量を、予測していた1億1,132万トンから1億500万トンに下方修正した。
これらの要因が重なり、国内の小麦価格はここ数週間で15~20%急騰した。
主要な主食穀物である小麦は、米に次いでインド全土で消費されている。また、パン、ビスケット、ロティなどの食品に欠かせない原料でもある。小麦価格が上昇すれば、あらゆる層の消費者が負担を感じる。そして、すでに消費者向け食品価格のインフレ率が2倍を超えている国にとって、これはさらなる悪材料だ。インフレ率は2021年3月以降、2倍を超えている。
世界経済フォーラムは、世界の食料安全保障の確保に向けてどのような取り組みを行っているのか?
インドの小麦輸出は今後どうなるのか?
世界最大の小麦輸出国であるロシアが制裁への対応に追われるなか、インドは、作物の品質向上もあって、小麦の重要な代替供給源として、これまで以上に存在感を高めるだろう。
「以前は、インド産小麦は品質が高いとは見なされていませんでした。しかし今では、新しい種子品種のおかげで、インド産小麦は他の主要な世界的供給国の高品質な小麦に引けを取りません」と、インド小麦・大麦研究所の所長ギャネンドラ・プラタップ・シン氏は、『ビジネス・スタンダード』に語った。農業慣行の改善や先進的な機械も貢献している。
農家は、政府の備蓄機関に売るより民間業者に販売するほうが収益性が高いため、喜んでいる。しかし長期的には、主要な小麦輸出国になることは、利点よりも危険を伴う可能性がある。
インドはすでに、新たな市場を次々と開拓している。その中にはイエメン、アフガニスタン、カタール、インドネシアなどがある。一方、中国は冬作物が「史上最悪」になると警告した。米国の一部地域でも、干ばつの影響で生産が落ち込む可能性がある。
市場に買い手が増えれば、インドへの圧力は強まる。そして、今年のモンスーンが昨年のように降雨量が少なく、地域差も大きいものとなれば、価格上昇にさらに拍車がかかるだろう。


