インドの汚染された河川をきれいにする時が来た。その方法とは

A man sifts through rubbish in the Yamuna river in Delhi, India, October 31, 2017. REUTERS/Cathal McNaughton TPX IMAGES OF THE DAY - RC17BC46ED60
The technology needed to address India's water pollution problem already exists.Image: REUTERS/Cathal McNaughton
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ほんの数十年前まで、インド各地の人々は近くの小川や川へ歩いて行き、飲み水をくみ、洗濯や入浴をし、泳いで楽しんでいました。今日、そのようなことをするのは論外であり、深刻な健康被害を招くおそれがあります。世界各地の多くの河川と同じように、インドの川も、文化の中で常に神聖なものとされてきたにもかかわらず、汚染された水域となっています。それでも、インドの人々は川から目を背けることはできません。川は国の命綱であり、インドの未来は多くの面で河川の健全さと結び付いています。

しかし、これは克服できない問題ではありません。既存の技術を使えば、短期間で対処できます。必要なのは、厳格な法律と、それを実行するための確固たる決意です。川をきれいにするために私たちが出向く必要はありません。汚染を止めれば、川は一度の洪水期で自ら浄化します。

農業汚染の解消

河川の汚染には、「点源汚染」と「非点源汚染」があります。点源汚染の例は工業排水で、限られた数の場所から大量に川へ流れ込みます。一方、農業排水などの非点源汚染は、川沿いの何千もの場所から流れ込む可能性があります。

農業排水が河川に有害なのは、今日では当たり前になっている栽培時の化学物質の使用が原因です。農家が有機農業へ移行できるよう支援すれば、この問題は改善できます。それは川だけでなく、土壌や農家の収入、公衆衛生にもよいことです。

農家が十分な収穫を得て農業で生計を立てるには、土壌に必要なのは化学物質の投入ではなく、有機物です。樹木の葉や家畜の排せつ物を土に戻してこそ、土壌は健全になります。土を土と呼ぶには、有機物が少なくとも2%含まれていなければなりません。この有機物を取り除けば、実質的に土壌を砂に変え、耕作に適さなくしてしまいます。パンジャブ州、ウッタル・プラデシュ州、ハリヤナ州などインドの多くの州では、土壌中の有機物含有率は0.05%です。これは、何千年もの間、私たちに食料をもたらしてきた土地を砂漠化させる確実な要因です。

したがって、農家が有機農業へ移行するための動機づけは、河川にとって必要なだけではありません。国の食料安全保障を確保し、何億人もの農家の暮らしを守るうえでも不可欠です。

産業廃棄物と化学廃棄物の処理

点源汚染の多くは、産業から出る化学・工業廃棄物か、町や都市から出る生活排水です。町や都市では、電気、水道、ガスにメーターを設置するのと同じように、下水にもメーターを設け、家庭や事業所が使用量に応じて料金を払うことが重要です。

現在、インドでは化学・工業廃棄物について、汚染を引き起こす企業自身が川に放流する前に排水を浄化することになっています。実際にはそのため、多くの企業は検査官がいる時だけ排水を処理しています。監視する人がいなければ、未処理の排水を川に流す企業も少なくありません。この処理を実効性あるものにするには、排水処理そのものを収益性の高い事業にすることが重要です。あなたの排水処理が私の事業なら、未処理の廃棄物を川に流させることはありません。排水を引き取り、処理することを自分の事業にします。この場合、政府がすべきことは、川へ放流する水の水質基準を定めることだけです。

汚物を富に変える

廃棄物などというものはありません。私たちが汚物に変えてしまった大地なのです。それを大地として地球に戻すのは、私たちの責任です。汚物を富に変える道のりにもなり得ます。何かを活用する方法を知っているかどうか、それだけの問題です。あらゆるものを私たちの幸福のために活用する方法を学ぶべき時が来ています。そのために必要な技術は、すでに利用できます。

数年前、シンガポールの首相は、処理済みの水を飲んでこれを実証しました。その水がどれほど純粋かを示すため、シンガポールの下水処理場から出た水を飲んだのです。もちろんインドでは、資源を慎重に管理すれば、飲み水はまだ十分にあります。そのため、工業や農業に必要な水質まで処理することで、処理コストを下げることができます。

たとえば、ムンバイのような都市では、1日あたり21億リットルの下水が発生します。現在、その大半は海に流れ込みますが、処理してマイクロ灌漑に使えば、何千ヘクタールもの農地に水を供給できます。インドの200の都市や町で発生する下水を合計すると360億リットルに達し、300万~900万ヘクタールのマイクロ灌漑に利用できます。

国として河川汚染に真剣に取り組むのであれば、官民連携を確立し、持続可能かつ効率的に運営する必要があります。インドで道路がごく短期間に整備されたことは、こうした取り組みが可能であることを示す好例です。これまで、こうした分野が優先されてこなかっただけです。解決に何十年もかかる問題ではありません。手元にある技術を活用する意思と実行への決意が必要です。

今後数年のうちに、誰もの不純物を受け入れ、清らかな未来をもたらす母のような存在として、川がかつての清らかな姿を取り戻す手助けができることを願っています。川を清く保つことは、私たちの生存に関わるだけではありません。そうした象徴は、人間の精神を支えるうえでも欠かせません。

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