世界の科学知識への貢献において、アフリカは1.1%にとどまっている。現在、科学者と人口の比率は100万人あたり79人の科学者であり、世界で最も低い水準にある。同時に、アフリカで教育を受けた科学者は、インフラや資源の利用可能性が不足しているため、国外で働くことになるケースが多い。
グローバル化4.0は、アフリカにとって、知識主導型経済としての地位を確立し、若年層という人口ボーナスを活用して重大な課題に取り組む、独自の好機をもたらしている。研究者らは、知識と科学に基づく開発が、ある国の社会経済的成長と国民の幸福にとって不可欠であることを疑いの余地なく証明してきた。
しかしながら、インターネットで簡単に調べると、アフリカには、さまざまな分野の専門家や有識者を集めて学際的な共同研究を促進する統合研究センター(シンセシス・センター)が存在しないことがわかる。これは、同大陸の課題に取り組む上で大きな障壁となっている。
統合研究センターは、学際的な協働を通じて、失業、気候変動、貧困などの重大な課題に対する仮説を立て、研究を実施し、解決策を共に策定するために、アフリカが人的資本を結集させる独自の好機をもたらす。
本質的に、アフリカは、今日利用可能な機会と問題解決へのシステム志向のアプローチを適用することによって、科学を人類に結びつける必要がある。グローバル化の新時代で成功するために、アフリカは次の3つの主要戦略を採用すべきである。
1. 重要な研究インフラとしての地域統合研究センター
現在、アフリカには国の科学技術政策を担当する省庁が40以上存在する。しかしながら、これらの機関がその任務を遂行できるようにするために解決すべき、差し迫った問題が存在する。
アフリカは、リーダーシップ、文化、インフラ、支援が独自に融合し、科学と社会にとって重要な課題に関する科学的発見を推進する、汎アフリカの地域統合研究センターのネットワークを構築する必要がある。
官民双方からの多額の投資を背景に、ロジスティクス支援、博士号取得後のフェローシップ(社会科学、基礎科学、応用科学の研究者向け)、人工知能の専門知識、そして何よりも、集団での議論と省察の機会を組み合わせることで、創造性とアイデアの相互交流を促進する機会がもたらされるだろう。
2. 知識仲介を通じたアフリカの重大な課題への取り組み
研究の根拠を政策立案と実践へと橋渡しすることは、アフリカの社会経済的進歩を改善する上で不可欠である。過去にそれができなかったことで、資源の浪費や健康面などにおける不平等が生じてきた。さらに、研究の根拠の普及と活用を支援する上で、知識仲介は研究の根拠の創出においても重要な役割を果たしている。
知識仲介における重要な戦略は、意思決定者が、自らの課題を特定し、明確に定式化された研究課題へと転換することによって、統合研究センターを通じた研究の委託を支援することである。これら地域統合研究センターの成果は、気候変動、貧困、保健問題など、私たちが直面する課題への対処において鍵となる。
3. 科学コミュニケーションを通じた科学への国民理解の促進
今日の世界では、科学への信頼を築くために、科学的な取り組みを効果的に発信しなければならない。Wellcome Global Monitor 2018によると、世界人口の半数以上(57%)が、科学について、たとえあったとしても、ほとんど知らないと考えている。世界全体では、20%の人々が科学の恩恵から個人的に排除されていると感じている。
この状況をどのように転換すればよいのか。科学、技術、工学、数学の成果が、2050年までにアフリカで暮らすと推定される22億人の生活を向上させ、環境脅威に対抗する大きな潜在力を持つことは疑いがない。
オンラインでも、都市部や農村部においても、科学について発信することは、科学界とそれ以外のすべての人々との間の溝を埋め、包摂的で科学に基づく社会を築く上で極めて重要である。
アフリカにおいて科学を身近なものにすることへの投資は、失業問題を解決する独自の好機をもたらす。こうした投資は、高度技術と低技術の双方のソリューションの能力構築に役立つだけでなく、同大陸における第四次産業革命の進展も後押しするだろう。


