セネガル、避妊薬の不足をほぼ解消。その方法とは

Security personnel guard the compound as Senegalese women stand at a family planning clinic while watching U.S. Secretary of State Hillary Clinton (unseen) touring the Philippe Senghor Health Center in Dakar August 1, 2012. Picture taken August 1, 2012. REUTERS/Jacquelyn Martin/Pool
A public-private partnership has made contraception accessible nationwide to help save women’s lives.Image: REUTERS/Jacquelyn Martin/Pool
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セネガルのアントワネット・ティネさんは、つい最近まで、避妊薬を求めて地元の診療所に行っても、希望する製品の在庫がなく、何も手にせず帰ることがあったと振り返る。「1週間以内にまた来るように言われるのですが、また妊娠するリスクがあるので不安でした」と、最近のインタビューで語った。41歳で6人の子どもを育てる彼女は、こう続ける。「望まない妊娠をすると、あらゆる活動が止まってしまいます。仕事も、自分の世話もできません。」

ティネさんだけではなかった。医療物資のサプライチェーンが機能不全に陥っている兆候である避妊薬の不足は、2011年になっても珍しくなく、施設の推定60~70%に影響していた。セネガルの一部地域では、中央倉庫に在庫が十分にあった一方、ラストマイル配送が課題だった。この問題は、妊産婦死亡率の低下に向けたセネガルの取り組みを損なうおそれがあった。研究者によると、避妊を望みながら実現できていないニーズに応えることは、妊娠間隔が短すぎたり、若年で出産したりすることに伴う合併症による妊産婦死亡を防ぐ、低コストで非常に効果的な方法である。主要な研究の一つは、アクセスを改善すれば妊産婦死亡率を最大29%低下させられる可能性があると結論づけた。2015年、セネガルでは出産時に1,800人の女性が亡くなった。

そこで政府は、セネガル国内のサプライチェーンを強化するため、対策に乗り出した。この取り組みを支援するため、官民パートナーシップ(PPP)が設立された。このPPPを通じて、セネガルは民間セクターの手法を取り入れ、ラストマイル配送に活用することで、最新の避妊方法を幅広く、誰もが利用できるようにした。

この改革は、セネガル保健・社会活動省と国立薬局(PNA)が主導し、複数の関係者が協力して進めた。MSD for Mothersの支援を受け、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、IntraHealth Internationalなどのパートナーも参加した。資金提供機関である各パートナーは、セネガルのニーズと優先事項に合わせた解決策の考案、試行、拡大を支えるため、資金ならびに経営・技術面の専門知識を提供した。

その解決策には、従来の「プル型」モデルから、「情報に基づくプッシュ型」モデルへの切り替えが必要だった。商業セクターから取り入れたこの方式は、IPMと呼ばれる。これには、民間の第三者物流事業者(3PL)を雇い、地区倉庫から個々の医療施設まで、製品をラストマイル配送することも含まれる。この新しいIPM-3PLシステムは、物資、資金、情報の流れを再構成し、コストを削減しながら業務効率を高めた。主な変更点は次のとおりだ。

公的医療機関の職員は、在庫を受け取るために医療施設から中央倉庫まで出向く必要がなくなった。3PLが納品時に現場で在庫量を決める。

製品は委託販売方式で販売されるため、医療施設に手元資金がどれだけあるかによって、同じ在庫判断が制約されることはない。

3PLはタブレット端末を使って消費データを収集・共有する。これにより、より正確な需要予測と、状況に即した調達が可能になる。また、家族計画に関する広報や教育の強化が必要な地域を特定する助けにもなる。データの改善は、保健システム全体の強化にもさらなる効果をもたらすと期待されている。

IPM-3PLの導入により、不足はほぼ解消された。現在、セネガルで避妊を望む女性は、希望する方法を希望する場所と時に入手できる確率が98%を超える。IPM-3PLの対象が全国の医療施設1,400か所すべてに広がった後、消費量は48%増加した(全国で1年間)。

3PLの採用は、政府職員がすべての業務を担う他の公的サプライチェーンと比べ、重要な差別化要因となることが実証されている。一つには、医療従事者が患者のケアに専念できるようになる。さらに、3PLとの契約は地元の起業家による事業投資を促し、雇用創出にもつながる。

セネガルはすでに、避妊薬で達成した成果を生かし始めている。対象を計90種類の必須医薬品へと拡大し、プライマリーケア、マラリア、妊産婦保健、結核、HIVの治療薬なども含めた。また、セネガル中央調達部門の監督のもと、IPM-3PLを国のサプライチェーンに組み込み、「Yeksi Naa」(ウォロフ語で「到着しました」)と改称した。これは実質的に、複数の異なるサプライチェーンを一つに統合するものだ。

もちろん、今後の課題は、新しいシステムが持続可能かどうかだ。私たちは、持続可能になると考えている。Yeksi Naaは、完全に統合された官民システムとして成功するだけでなく、自国の機能不全に陥った公的保健サプライチェーンの改善を目指す他の低・中所得国にとっても、手本となるだろう。

私たちが楽観視する理由は二つある。第一に、政治的な意志がある。セネガル大統領は2017年、Yeksi Naaの成功を、セネガルの保健分野における最優先課題の一つに挙げた。政府高官もこの取り組みを公然と支持し、解決策の一環として民間セクターを受け入れながら、寄付者主導のシステムから政府が完全に所有・運営するシステムへの移行を含め、全過程を通して主導権を保った。

第二に、政府は医療施設や地区との収益分配の仕組みを通じて、Yeksi Naaの費用を賄う方法を見いだした。この仕組みは民間セクターのパートナーと協議して策定され、地域保健委員会の支援を得て採用された。この方法は、長期的な財政の持続可能性と供給の信頼性を確保するうえで大きな役割を果たすだろう。

ビル・ゲイツとメリンダ・ゲイツは、セネガルの大きな進展を取り上げた最近の「Goalkeepers」報告書で、「家族計画の目標を達成すれば、他のすべての持続可能な開発目標も達成できる可能性が高まる」と記している。

アントワネット・ティネさんは、自分が望む避妊方法を、必要な時に入手できることをありがたく思うと語る。出産間隔を適切に保てば、女性は出産のたびに回復する時間をより多く確保でき、仕事の機会を追求する時間も、すでにいる幼い子どもたちの世話をする時間も増えるという。「同じ女性として、家族計画を利用するよう勧めます」とティネさんは言う。「健康にも、人生にも良い変化をもたらします。」

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