オーストラリア、6年間で海岸のプラスチックごみを約30%削減。その方法とは

A sign on a beach that says "I'm a beach, not an enormous ashtray, ok?"
Having bins that are easier to access has helped cut coastal litter in Australia.Image: The Conversation/Kathryn Willis, Author provided
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  • 世界の他の地域ではプラスチックごみが増加するなか、オーストラリアでは6年間で海岸のプラスチックごみが29%減少しました。

  • 調査では、ごみのポイ捨てを減らす最善の方法は、人々や地方自治体の時間や費用の節約につながるものだと分かりました。利用しやすいごみ箱を設置することも、その一つです。

  • 最近の「世界プラスチック条約」への署名により、毎年推定600万~1,200万トンのプラスチックごみが海洋に流入する状況を改善しようとする世界の取り組みが勢いづいています。

海洋を漂う大量のプラスチックごみについて耳にすることは珍しくありません。世界的にはプラスチックごみの問題が深刻化していますが、オーストラリアでは逆の傾向にあります。

オーストラリアの海岸で見つかるプラスチックごみの大半は、私たち自身が出したもので、、他の国から来たものではありません。私たちの新たな研究は、廃棄物管理における地域の取り組みが成果を上げ、過去6年間で海岸のごみを29%減らしたことを示しています。

ごみ箱を利用しやすくしたり、経済的な措置で人々の行動を促したりした場合に、環境中のごみが最も大きく減少することが分かりました。つまり、こうした取り組みは、適切に廃棄物を処分しようとする人々の時間か費用を節約します。

効果がないのは何でしょうか。支援する道具やインフラを伴わない啓発活動です。すぐに使える選択肢がなければ、メッセージや呼びかけは効果を発揮しません。

こうした地方自治体の取り組みは、経済的なインセンティブを通じて、住民が廃棄物を適切に処分するよう促します。Image: The Conversation/キャスリン・ウィリス

世界的な課題、地域の解決策

プラスチック汚染は、野生生物、経済、そして人々の生計を脅かす世界的な危機です。最近の世界プラスチック条約への署名により、毎年推定600万~1,200万トンのプラスチックごみが海洋に流入する状況を改善しようとする世界の取り組みが勢いづいています。

しかし、プラスチック禁止を訴えるだけのキャンペーンを超えて、環境中に流出するプラスチックの量を減らす実践的な方法については、まだほとんど分かっていません。

効果的な方法を明らかにするため、私たちは地方自治体に注目しました。自治体は通常、廃棄物管理の最前線に立つため、この問題への対処に適しています。廃棄物の収集と処分に加え、不法投棄やポイ捨てにも対応しています。

32の地方自治体にまたがる183カ所の海岸で、563回のごみ調査を実施しました。そこから、海岸のごみ削減に最も大きな効果をもたらす取り組みを特定しました。次に、確立された人間行動に関する3つの理論を用いて、こうした地域の取り組みが成功する要因を探りました。

地域での対策は、環境中のプラスチック汚染を減らします。Image: The Conversation/著者提供

要するに、廃棄物を適切に処分しようとする人々や地方自治体の時間か費用を節約する取り組みが、最も効果的だと分かりました。

地域社会の個人規範や社会規範に働きかけてプラスチックごみを抑えようとする取り組みは、それ単独では地域の海岸のごみを減らさないことが分かりました。これは、啓発だけに焦点を絞っても効果がないことを示唆しています。しかし、啓発活動を道具やインフラと組み合わせれば、より効果的になります。

「クリーン・アップ・オーストラリア・デー」のような清掃活動に地域住民が直接参加することや、不法投棄やポイ捨てに焦点を当てたプログラムも、海岸をよりきれいに保つのに役立ちました。こうしたプログラムは、ホットラインを通じて、ポイ捨てを見つけて通報するよう人々に促しました。

清掃活動への参加を促す地域では、プラスチック汚染が少ないことが分かりました。Image: The Conversation/キャスリン・ウィリス

プラスチックに対する考え方を変える

オーストラリア各地で廃棄物の削減を続けるには、プラスチックとの関わり方を変える必要があります。プラスチックを使い捨ての品とみなすのをやめ、その価値を認めるようになれば、捨てるには惜しいものになるでしょう。

私たちが目にした地方自治体の前向きな変化の中でも大きかったのは、家庭ごみやリサイクル資源を種類ごとに収集するようになったことです。地方自治体と住民は、集めて捨てる考え方から、減らし、分別し、改善する取り組みへと移行しています。

現在、オーストラリアの多くの家庭には、ガラス、(多くの場合、生ごみを含む)庭ごみ、紙を、一般ごみや混合リサイクルごみと分けるためのごみ箱が3~4個あります。これらのごみ箱は、廃棄物を適切に分別して捨てやすくするだけでなく、ごみやリサイクル資源の流れがきちんと分かれていれば、地方自治体が廃棄物から収益を得やすくなります。

オーストラリアが最近実施した廃棄物輸出の禁止を踏まえると、廃棄物管理の改善は、人々、地域社会、企業、環境に明らかな利益をもたらします。

ごみが出やすい地域への対策

海岸のごみは減少していますが、まだ道のりは長いです。大都市の近くや、人里離れた海岸沿いでは、プラスチックが多く見つかっています。タスマニア島西岸やカーペンタリア湾などがその例です。遠隔地の汚染は主に、漁具が流失・廃棄され、人里離れた地域に漂着することで生じています。

一方、より身近な場所にあるごみの集積地、たとえば水路や人口の多い地域の近くにある森林地帯では、さらに多くの対策を講じることができます。

オーストラリアの海岸でよく見られるごみの種類。Image: The Conversation/キャスリン・ウィリス

オーストラリアでは、社会的・経済的に不利な立場にある地域のほか、高速道路沿いや駐車場、小売店が並ぶ通りで、より多くのごみが見つかります。一方、海岸や公園など、景観や文化的価値が高いとみなされる場所では、ごみは少なくなっています。

興味深いことに、経済的に恵まれない地域は、容器デポジット制度やその他の経済的インセンティブから最も大きな恩恵を受けるようです。こうしたインセンティブは、ポイ捨てをする人の行動を変え、環境中に放置された容器を回収する動機を生み出すとみられます。

海岸のプラスチックの主な発生源が私たち自身だと分かれば、希望が持てます。地域で起きることを変える力は私たちにあります。プラスチック問題への世界規模の対策を待つ必要はありません。

この点で、オーストラリアは急速に、そして良い方向に変化してきました。地方自治体や環境団体は、廃棄物について賢明な判断を下せるよう私たちを導いてくれます。

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