世界の温室効果ガス排出量に占める割合はわずか4%のアフリカですが、気候変動によって最も深刻な影響を受ける地域の一つになると見込まれています。
アフリカ経済はすでに、5%から15%に相当する損失を気候変動によって被っています。
しかし、適応と緩和を促す気候変動への革新的な解決策に取り組む企業が、アフリカで増えています。
世界の温室効果ガス排出量に占める割合はわずか4%であるにもかかわらず、気候変動はアフリカに不均衡に大きな被害をもたらしています。大陸の人々の幸福と発展に重大な脅威を及ぼしています。
多くのアフリカ諸国は、経済の維持と成長を、エネルギー、観光、水、農業など気候変動の影響を受けやすい分野に大きく依存しています。
世界気象機関(WMO)の報告書『アフリカの気候状況2021』によると、異常気象と気候変動は、アフリカ大陸の人々の健康と安全、食料と水の安全保障、社会経済開発を損なっています。
アフリカ大陸の気候危機
懸念されることに、同報告書は、アフリカ全域の気温上昇率が世界平均より速く、2021年はアフリカで観測史上3番目または4番目に暑い年だったことも明らかにしました。アフリカ開発銀行は、気候変動がアフリカに及ぼす影響を認め、アフリカ経済はすでに、5%から15%に相当する損失を気候変動によって被っていると指摘しています。
気候危機を抑えるには、アフリカにおける気候変動の深刻さへの認識を高めること、主要な産業バリューチェーンからの排出を削減すること、森林景観を再生すること、低炭素型交通に投資することなど、重要な対策が必要です。
世界各地の気候活動家は、地球を守るよう世界の指導者や関係者に一貫して訴え続けています。気候危機に立ち向かうには、課題の規模を踏まえた学際的な取り組みが必要です。政府、民間セクター、活動家、消費者、教育機関、メディアの協力が欠かせません。
民間セクターは、その専門知識と資源を生かし、この大きな社会変革の最前線に立つことができます。気候変動対策における民間セクターの取り組みは、企業の形式的なチェック項目を埋めるだけのものではありません。気候変動との闘いと、持続可能な地球を目指す世界的な運動に、意義ある永続的な貢献をする機会と捉えるべきです。
アフリカの専門知識が前面に
アフリカの一部企業は、すでにこの呼びかけに応えています。
アフリカで生まれ育ったエンターテインメント・メディア企業、MultiChoiceはアフリカに投資し、大陸の持続可能な未来の実現を支援することを約束しています。現在、MultiChoiceはアースショット賞と協力しています。これは、世界最大の環境問題に対する革新的な解決策を見いだすことを目指す、野心的な世界規模の環境賞です。
MultiChoiceとアースショット賞のパートナーシップは、気候危機との闘いに大きなプラスの影響をもたらす可能性があります。この取り組みの中心にあるのは、革新的で拡張可能な気候変動対策です。協働を通じて、地域社会の草の根に根差した独自の解決策を認め、支援します。
気候変動との闘いであまり語られることのない要素の一つとして、メディアには、認識を高め、地域社会や人々を動員してこの大義への支持を呼びかける独自の立場を生かす、明確な役割があります。
アースショット賞と協力しているアフリカ企業は、MultiChoiceだけではありません。
アースショット賞は2021年に創設され、アフリカからは3団体が最終候補に選ばれました。ケニアのSanergy、ナイジェリアのReeddi Capsules、コンゴ民主共和国のPole Pole Foundationです。
ナイロビを拠点とするSanergyは、急速に成長するアフリカの都市で有機廃棄物を管理するため、循環型経済のアプローチを採用しています。廃棄物を再生型農業に役立つ資材へと変換し、動物飼料用の昆虫由来タンパク質、農業用有機肥料、エコ燃料を生産しています。
Pole Pole Foundationは、コンゴ民主共和国のカフジ・ビエガ国立公園に生息する、絶滅の危機に瀕したマウンテンゴリラの保護を目指す草の根NGOです。違法な狩猟によって個体数が激減し、現在残っているのは数千頭にすぎません。
Reeddiは、独自の革新的な技術を活用し、世界のエネルギー不足地域で暮らす人々や世帯、事業者に、クリーンで信頼性が高く、手頃な価格の電力を提供しています。現在、ナイジェリアで毎月1,000を超える世帯と事業者にサービスを提供しています。
これらの最終候補団体は、製造、小売、サプライチェーン、法務、デジタル技術、事業戦略、政府との関係構築など、多様な職種や分野の資源を活用できます。そして、それらをアフリカの人々と地球のために役立てています。
気候変動対策に向けた共通の枠組みと協力
気候危機が深刻化するなか、気候変動リスクに対処する共通の枠組みとネットワークを確立し、アフリカで新世代の気候変動対策を立ち上げることが極めて重要です。
アースショット賞の最終候補団体以外にも、気候課題の緩和やレジリエンス向上を目指す数多くの取り組みやプロジェクトが、すでにアフリカ大陸で進行しています。しかし、成功には、実施能力の強化、意思決定の改善、政策への主流化、エビデンスに基づく意思決定が必要です。
アースショット賞の理念を支援するために同賞が招集した組織ネットワーク、グローバル・アライアンスは、こうした実現を目指しています。アライアンスは、創設者や従事者がそれぞれのプロジェクトと共通の目標をより良くするために協力できるネットワークを提供します。
メンバーには、環境と持続可能な開発に取り組む非営利団体や国際機関が含まれます。世界経済フォーラム、グリーンピース、国連環境計画、ナショナルジオグラフィックなどが参加し、変化を促し、今後10年間で地球の再生を支援するという志を一つにしています。アースショット賞を支援することも、その実現方法の一つです。
最終的に、世界全体、とりわけ危機の影響を最も深刻に受けるアフリカで気候変動に対処するには、協力が不可欠です。
気候危機を終わらせる力を単独で持つ個人や企業、ましてや業界はありません。これは世界規模で対処すべき危機であり、アースショット賞グローバル・アライアンスのように協力を促進する取り組みは、いつの日か人類最大の偉業となるであろう、気候変動の終息と、数え切れないほどの未来世代のために安定した持続可能な地球を実現するうえで、欠かせないものです。

