インドはなぜ将来に備えて労働力を整える必要があるのか

Neeta, 11, helps her father as she carries material to be used for burning fire in a kiln at a brickyard on the outskirts of Kota, in India's desert state of Rajasthan, January 22, 2013. REUTERS/Danish Siddiqui (INDIA - Tags: SOCIETY TPX IMAGES OF THE DAY) - GM1E91M1JDA01
The very concept of work is being redefined as different generations enter and exit the workforce amidst a rapidly changing technological landscape.Image: REUTERS/Danish Siddiqui
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第四次産業革命は、組織と個人の双方に勝者と敗者を生み出している。こうした地殻変動は経済の複数の分野に影響を及ぼし、社会不安の一因となる可能性さえある。社会はいま、前例のない状況に直面している。人口の大きな部分が、時代に取り残され、雇用されなくなるリスクにさらされている。

急速に変化する技術環境のなかで、異なる世代が労働力に加わり、また離れていくにつれ、仕事そのものの概念が再定義されつつある。組織の最上層にいる、変化に対応し責任を果たすリーダーは、長期的な優位性と株主価値のために、第四次産業革命の力を活用する行動を起こさなければならない。

こうしたリーダーは人を第一に考え、従業員が時代に即した能力を保ち、適応できるようにしなければならない。企業、労働者、社会にとって、かかっているものは大きい。新たなリーダーシップの必須課題は明白だ。いま、未来の労働力をつくることである。

アクセンチュアによる調査には、リーダーが状況と選択肢を理解するため、今日そして将来の仕事に技術進歩が及ぼす影響を探る調査が含まれている。インドの労働者から得られた回答は以下のとおりである。

  • 労働者の98%は、今後5年間にテクノロジーが仕事にもたらす変化について楽観的である。

  • 労働者の91%は、今後5年間に自動化が仕事の経験に及ぼす影響を肯定的に捉えている。

  • 労働者の98%は、今後5年間に自分の仕事の一部が自動化されると予想している。

  • 労働者の97%は、仕事で必要とされ続けるために、自由時間を使って新しいスキルを学ぶ意向がある。

  • 労働者によると、今後5年間、仕事で必要とされ続けるために最も重要なスキルは、技術スキル、変化に対応して学ぶ能力、そして知能を備えた機械と協働する能力である。

この調査から、インドの経営リーダーが人材供給網全体にわたり労働力を形成し、備えさせるために必要な取り組みの全体像が浮かび上がった。なかでも主なものは次のとおりである。

  • 人材の再訓練を加速する

  • 人間の潜在能力を引き出すために仕事を再設計する

  • 人材供給源から人材パイプラインを強化する

再訓練のプロセスを迅速化する

大規模にはまだ存在しないスキルを必要とする新たな仕事が生まれている。企業は再訓練の速度を高め、自社組織と人材をこの新たな革命の勝者と位置づける必要がある。さもなければ、労働者の世代全体が仕事や仕事を得るためのスキルを失い、個人と社会全体の暮らしを不安定にするおそれがある。

スキル格差はますます広がる深い溝となり、企業は人材不足を訴えている。労働力の再訓練に関して、経営リーダーには根本的な責務があり、行動を起こす必要がある。企業、政府、関係者が慎重かつ透明性をもって協力しながら取り組まなければならない。IT-ITESセクター技能評議会NASSCOM(SSC NASSCOM)は、業界団体NASSCOMがNational Skill Development Corporation(NSDC)と連携して2012年に設立した。NSDCは、業界向けに熟練した労働力を育成する官民連携組織である。SSC NASSCOMの重要な使命の一つは、質が高く、基準に基づく制度を構築することだ。これは、再訓練活動に関わるすべての関係者を評価し、認定するためのものである。

人間の潜在能力を引き出すための仕事の再設計

デジタル時代に、労働力の人口構成、意識、身体的な構成は変化した。労働者と職場は、より時代に即した、より適応力の高いものになる必要がある。リーダーは、こうした変化する力学を生かし、最新の革命を勝ち抜かなければならない。硬直的で形式的な職務構造では、デジタルイノベーションが求めるスピードと俊敏性に対応できない。より柔軟な役割ベースの働き方やギグワークを通じて、雇用機会を再定義し、共に創出することが現実となっている。こうした機会は、フルタイム勤務者にもフリーランスにも提供される必要がある。

先進的な組織は、コミュニティづくりを促し、価値あるスキル研修へのアクセスを提供し、フィードバックを生み出し、新たな役割やプロジェクトの機会につなげるため、物理的・仮想的なネットワークを構築している。従業員が再訓練を受け、生涯学び続ける人になれる制度を整えることは、人材の雇用可能性を高めるとともに、組織の変化への対応力を強化する。再訓練によって、企業は必要なときに新たな人材源を迅速に活用できる。

人材供給源から人材パイプラインを強化する

第四次産業革命による変化は、人材不足を拡大させている。テクノロジーの進歩によって人材のミスマッチがさらに増えれば、この格差は一層深刻になる。企業が熟練人材の不足を訴える一方で、労働市場に新たに参入する人々は、自分に合った職務を見つけられない。このスキルのミスマッチは、企業が必要とするものと教育制度が提供するものとの断絶に起因している。

あらゆるスキル水準の技術職には、純粋な技術スキル以上のものが求められる。ソフトウェアエンジニアを考えてみよう。この職務には、創造性、協働力、ビジネス感覚、いわゆる「人間的スキル」が必要だ。SSC NASSCOMが実施した調査によると、ITサービス関連組織の60%超が、労働力のコミュニケーション能力と問題解決能力を高める必要があると回答した。

こうした状況はすべてリーダーにとって懸念事項であると同時に、変化に対応し責任を果たす人々にとっては機会でもある。スキル格差の根本原因は、初等教育から高等教育にまでさかのぼる。職業訓練プログラムでさえ、最悪の場合は不十分なスキルしか持たない労働者を生み、最善の場合でも、再訓練を受ける前に時代遅れとなるスキルを身につけさせている。

原因は数多くある。人材パイプラインに関わる主体間の縦割りから、教育制度が教える内容や方法を変えることへの硬直的な姿勢までさまざまだ。労働者は後れを取った状態で出発し、追いつかなければならない。インド政府の2017年8月に発表された「2017-18年度から2019-20年度までの3カ年行動計画」で、政府の政策シンクタンクであるNITI Aayogは、教育制度の学習成果を改善するための複数の施策を提案した。学習成果は熟練人材の供給に直接影響するため、この提案は妥当である。

企業が人材パイプラインの問題を引き起こしているとは限らないが、労働者と同じく、その影響を大きく受けている。自社の組織や制度内での再訓練は欠かせないものの、リーダーは人材供給源における変化を促すため、さらに取り組む必要がある。

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