インドの食料不安は、子どもの学習能力と将来の経済を損なうおそれがある

Schoolchildren walk along a footpath in New Delhi, India, November 27, 2018. REUTERS/Anushree Fadnavis - RC19435F0600
Children who experience food insecurity might also feel irritability and shame.Image: REUTERS/Anushree Fadnavis
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インドでは2000年代初頭以降、就学者数が目覚ましく増加した。それにもかかわらず、インドは「学習危機」のさなかにあり、就学者数の増加に学習の向上が追いついていない。

世界的に見ても、インドは子どもの栄養不足と世帯の食料不安の割合が最も高い国の一つである。食料不安とは、健康な生活を維持するのに十分な、安全で栄養価の高い食料を得る機会が不足していたり、安定していなかったりすることを指す。

この2つの問題はいずれも、若者の長期的な健康、ウェルビーイング、生産性に悪影響を及ぼすほか、より広く経済にも影響する。

私たちの最近の研究では、インドの青少年における食料不安と学習の関連性を調べるため、子どもの貧困に関するYoung Lives調査の調査データを用いた。

学習と食料不安が結びついていると考えられる理論的な理由は十分にある。世帯が食料不安に直面すると、家族の栄養ニーズを満たすために難しい決断を迫られることがある。

例えば、食料を買う資金が必要な世帯は、授業料や教材への支出を減らすかもしれない。子どもは学校を休んだり、勉強に使える時間が減ったり、世帯の家計に貢献するために学校を完全に辞めたりする可能性もある。

食料不安はまた、子どもに空腹や栄養不足、微量栄養素の欠乏をもたらすことがある。その結果、子どもは集中力や記憶力に問題を抱える可能性がある。さらに、認知発達が損なわれるおそれもある。

食料不安を経験した子どもは、いら立ちや恥ずかしさを感じることもある。それが、親や教師、同級生との関わりに悪影響を及ぼす可能性がある。

Young Livesのデータでは、12歳児の47%が、調査期間中のいずれかの時点で世帯の食料不安を経験していた。最も裕福な世帯でさえ18%が食料不安を経験しており、食料不安は貧困だけの問題ではない。

学習との関連

この研究では、2002年に開始し、同じ子どもたちを長期にわたって追跡した。食料不安と子どもの学習成果について、読解、英語、算数、現地語の語彙という4つの領域を調べた。

食料不安と学習の関連性を検証するため、統計モデルを用いた。子どもが5歳と8歳のとき、そして12歳で青年期に入ったときに、世帯が食料不安を経験していたかどうかの情報を活用した。

食料不安は、4つすべての領域で学習成果と負の関連があることが分かった。他の重要な要因を考慮した後も、この結果は変わらなかった。

例えば、貧困が食料不安と学習の両方に影響し、両者の関連が実際には貧困の結果である可能性もある。こうした説明をはじめとする他の可能性を頑健なモデルで考慮しても、食料不安と学習の間には、どの領域でも一貫して負の関連が認められた。

食料不安がいつ起きたか、またどれほど続いたかも検討した。幼少期の経験は、その後の学習に影響するのだろうか。青少年はそれ以前の食料不安から立ち直れるのだろうか。食料不安の期間が短い場合と長い場合で、違いはあるのだろうか。

食料不安の時期と継続期間はいずれも重要だが、学習領域によって影響は異なることが分かった。語彙と読解では、早期に始まり長く続く食料不安が学習に非常に大きな悪影響を及ぼした。英語と算数では、より複雑な結果となった。

英語では、早期の食料不安の影響はそれほど大きくなかった一方、後年に生じ、長く続く食料不安は学習成果の低下と関連していた。これは、調査当時、カリキュラムで英語学習がより後の段階に行われていたことを反映している可能性がある。

算数では、いつであっても食料不安は学習と強い負の関連を示した。これは、ある段階の算数の学習が、それ以前の段階での学習に直接積み重なるためかもしれない。つまり、食料不安のために基本的な足し算を習得できなかった子どもは、より複雑な算数に苦労する。一方、読解などの科目では、基礎的な技能を身につけた後であれば、短期的には、学び損ねた内容をある程度取り戻せる可能性がある。

未来を育む

私たちの研究は、幼少期の経験が長期にわたって影響することを示している。食料不安への対処は、インドの学習危機を解決するうえで重要な一環となる可能性がある。

また、国連の持続可能な開発目標のいくつかの達成にも寄与する可能性がある。目標2は、飢餓をなくし、食料安全保障を実現することを目指している。この目標の達成は、不平等の是正(目標10)や、すべての人に包摂的で質の高い教育を確保すること(目標4)にも波及効果をもたらす可能性があると、私たちの調査結果は示唆している。

別の論考で論じたように、子どもが基礎的な技能を学ぶ際に不利な立場に置かれないよう、食料不安を防ぐための早期介入が重要である。幼児期の給食プログラムを拡充すれば、早期の食料不安への対策に役立つ可能性がある。

食料不安を経験している子どもに無料の補習授業を提供すれば、同級生に追いつく助けにもなるだろう。最後に、子どもが働くのを防ぐには社会的保護が不十分な場合、学校休業期間中に安全で十分な賃金が得られる雇用機会を提供することで、学習の機会を逃さずに働けるようになる可能性がある。

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