世界では、指数関数的な速さで一連の変革が進んでいる。こうした変化は希望をもたらす一方、危険もはらんでいる。科学の急速な進歩と最先端技術の登場により、私たちを取り巻く環境はかつてないほど知能化し、相互につながるようになった。第4次産業革命は世界に特有の転換点をもたらし、スマートなイノベーションによって、情報の流れにおいて前例のない正確さと速度を実現できるようになった。
同時に、所得格差の拡大、雇用なき成長の継続、世界各地で激化する暴力や紛争、国家の安定への脅威、連邦政府に対する国民の信頼の低下、地政学的摩擦の高まり、そしてもちろん環境の持続可能性と気候変動など、以前からあるものも新たに生じたものも含め、重大な世界的課題に直面している。
一方で、地域および世界の社会契約や相互関係に広範な影響を及ぼす、新たな国内外の政治・統治システムの台頭も目の当たりにしている。単極的なグローバルガバナンス体制から、不安定な摩擦点を抱える多極的かつ多概念的な社会秩序へと移行しつつある。自らの複雑さの重みに耐えかねて、世界は分断され、激動する社会・経済の変革に巻き込まれている。私たちの未来、そして世界の存続そのものは、こうした変化や世界的課題に対応するために進化し、適応し、最善の対応を取る個人および集団としての能力にかかっている。

こうした変容のさなか、インドは楽観と希望を感じさせる姿を示している。独自の人口ボーナス、起業家精神の高まり、各分野における画期的なイノベーション、そして大胆かつ構造的な改革を驚くべき速さで進めてきたことが、マクロ経済の基礎を強化し、インドの長期的な経済見通しを改善している。
同時に、インドは幅広い世界的イニシアチブにおける主導的役割を拡大している。パリ気候協定や国際太陽光同盟における主導的な役割、国連安全保障理事会および原子力供給国グループの常任メンバー入りを目指す取り組みは、世界の地政学においてより中心的な役割を担い、主要な世界的プレーヤーとしての潜在力に見合う新たな国際的アイデンティティを絶えず追求する姿勢を示している。
複雑な連邦統治機構と、きわめて多元的で多様な社会を抱えながらも、インドが成し遂げた並外れた成果は、広範な多様性を巧みに調整しつつ単一のアイデンティティを示す、強固な制度的仕組みを同国が備えていることを裏付けている。この事実は、均衡を見いだし、調和のとれた多概念的な共存へ向かおうと苦闘する世界に重要な教訓をもたらす。これを可能にしているのが、「みんなとともに、みんなのための発展」(Sabka Saath, Sabka Vikas)という理念である。
インドが世界的な影響力を高め、強固でしなやかな経済・社会・政治の基盤づくりを加速させるのに、今が適した時期である。改革プロセスの恩恵をインドが享受するには、国内の重要課題に取り組むことが不可欠だ。
経済・社会面で大きな進展があったにもかかわらず、地域間、所得、ジェンダーに基づく格差は根強く残り、基礎的な公共サービスへのアクセスには農村部と都市部で大きな差がある。大気汚染の深刻さや、インフラ改善の余地も懸念されている。政府は、こうした課題の多くについて、すでに対象を絞った施策を検討している。
こうした状況を踏まえ、世界経済フォーラム年次総会2018が1月23~26日、スイスのダボス=クロスタースで、「分断された世界に共通の未来を築く」をテーマに開催される。政治、経済、社会が直面する課題に取り組むため、マルチステークホルダー間の協力をさらに促す議題を策定すべく、企業、政府、国際機関、市民社会、学界、メディア、芸術界から3,000人を超えるリーダーが集う。この年次総会では、ナレンドラ・モディ首相をお迎えできることを大変うれしく思う。同首相は、過去20年間で会議に出席する初めてのインド首相となる。
インドが変革の途上にあり、近く侮れない存在となることに疑いの余地はない。世界的な政策論議を豊かにし、繁栄する世界に向けたより良い政策の立案と策定を支援することで、共通の未来を形づくるうえで、同国は間違いなく大きな役割と影響力を持つだろう。相互利益と共同での省察から生まれる国際協力こそ、私たちが課題に適切に取り組み、より公平で繁栄し、調和のとれた世界社会を築くことを可能にする唯一の道である。
この記事は、当初次のサイトに掲載された。https://www.narendramodi.in/

