インドは2030年までに世界第3位の経済大国になる見通しだ。
現在、電力の80%超を石炭、石油、バイオマスの燃焼で賄っている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、インドは経済成長を支えるため、再生可能エネルギーを大幅に拡大する必要がある。
多くの家庭で高効率のLED照明への切り替えを進めるキャンペーンが成功するなど、進展も見られる。
インドは世界第6位の経済大国だ。2030年までに第3位に浮上すると予測されている。しかし、新たな報告書によると、グリーンエネルギー革命が起きなければ、インドは世界のCO2排出量の大きな排出源にもなる。
すでに世界第3位のCO2排出国であるインドは2018年、世界全体の7%を占めた。排出量は中国(世界全体の28%)や米国(15%)より少ないものの、発電を石炭に大きく依存している。
国際エネルギー機関(IEA)の新たな報告書によると、電力の80%超を石炭、石油、バイオマスの燃焼で賄っている。
2000年以降、エネルギー消費量は倍増しており、現在、発電は国内のCO2排出量の半分超を占める。IEAは、少なくとも2040年まで、インドのエネルギー需要の伸びが他のどの国をも上回ると予測している。
インドのエネルギー需要を押し上げているのは、経済成長だけではない。IEAによると、今後20年間で人口は2億7,000万人増える。増加する人口の住まいを確保することで、セメントや鉄鋼など、炭素集約型産業への需要も高まる。
太陽光発電のさらなる拡大が必要
現在、太陽光発電がインドの発電量に占める割合はわずか4%だ。IEAによると、エネルギー供給を持続可能なものにするには、今後20年間で1兆4,000億ドルを投じる必要がある。これは、現行の政府政策計画で想定されている額を70%上回る。
国内の石油・ガス供給は増大する需要に追いつけない見込みで、報告書は、グリーンエネルギーの未来へ移行しなければ、価格や市場の変動がインドに問題をもたらす恐れがあると警告している。
インドの急速な経済成長を実現するには、大規模なインフラと機械設備への投資が必要になる。IEAは、これらを持続可能なものにする必要があり、そうでなければ2030年代後半までに新たな設備が全排出量の60%を占める可能性があると述べている。
目覚ましい進展
IEAによると、課題はあるものの、これまでのインドの成果は目覚ましい。多くの家庭で高効率のLED照明の利用を促すキャンペーンが成功したことなどを挙げている。
「インドは近年、目覚ましい進展を遂げ、何億人もの人々に電力接続を提供するとともに、特に太陽光を中心に再生可能エネルギーの利用を大きく拡大してきました」と、IEAのファティ・ビロル事務局長は述べた。
再生可能エネルギーが拡大している一方で、多くの消費者はいまも不安定な電力供給に直面し、6億人を超える人々が調理に薪を使っている。IEAによると、安定した電力供給は、インドで慢性化する大気汚染の軽減にも重要だ。
世界をリードする可能性
「インドはまもなく世界で最も人口の多い国となり、毎年、ロサンゼルスほどの規模の都市に相当する人口が都市部に加わる」と報告書は述べている。「今後20年間の電力需要の伸びに対応するには、インドは現在の電力システムに、欧州連合(EU)と同じ規模の電力システムを追加する必要がある。」
報告書は、インドが再生可能エネルギー技術のリーダーとして台頭すると見込んでいる。また、2040年までに、太陽光発電、風力タービン、リチウムイオン電池による蓄電に世界で投じられる資金の7分の1が、インド企業に向かうと予測している。
世界経済フォーラムの「エネルギー転換指数2020」では、調査対象の115カ国中74位だったインドは、過去6年間に「エネルギー転換で一貫した測定可能な進展」を遂げたわずか11カ国の一つとして取り上げられた。

