インドと米国の関係は、21世紀で最も重要な関係の一つと評されてきた。
インドは2030年までに世界第2位の経済大国になると予測されており、米国は第3位となる見込みで、両国とも強い購買力を持つことになる。しかし、世界経済フォーラムのインド経済サミットでの議論「Trading Against the Tide(潮流に逆らって)」で指摘されたように、文化的および政策上の障壁が、結束力のある貿易パートナーシップの実現を妨げている。
商工大臣のピユシュ・ゴヤル氏は、インドは多数の小規模小売業者の必要性を守ることに尽力していると述べ、5,000万~6,000万の小規模小売店が雇用と就労機会を提供し、約1億2,000万人に恩恵をもたらしていると指摘した。しかし、米国はそれがどちらの国の利益にもなるとは到底考えていない。
インドは外国直接投資政策の変更を導入した。これにより、外資系のeコマース企業は引き続き買い手と売り手をつなぐマーケットプレイスを提供できる一方、自社商品の販売は禁止されている。この事業モデルは、小規模小売業者を圧迫する低価格での小売を可能にする可能性がある。

実店舗か、グローバルなオンライン小売か?
“小規模小売を消滅させるわけにはいかない。そのため、マルチブランド小売部門への外国直接投資を49%に制限している」とゴヤル氏はサミットで述べ、eコマースが略奪的価格設定の場となるべきではないと付け加えた。
しかし、米国の商務長官ウィルバー・ロス氏は、実店舗を構える小規模小売業者を守ることは、結果的にインド全体に不利益をもたらすと主張した。
「100年後も、インドに今と同じ数の小規模小売業者が残っていれば、それは国の成長を大きく妨げてきたことになる」と同氏は語った。
ロス氏は、今週発表されたアマゾンのニュースに言及し、同社はインドでの設備投資を今年は3分の1削減すると発表したことを指摘した。これは2012年にインド市場に参入して以来、同社のインドへの年間投資額が減少するのは初めてのことである。
「インドの[政策]の一部によって成長が鈍化していると感じていなければ、インドにおいてもっと多くの投資をしていただろう」とロス氏はサミットで語りた。「政策によってインドが負担しているコストもあるのだ」。
世界経済フォーラムのインド経済サミット2019とは?
ニューデリーへの道
最近のインドと米国の協議は、新たな貿易協定の締結には至らなかったものの、両国間の商業的な交流は急速に拡大している。
2008年から2018年にかけて、財およびサービスの貿易は年平均7.59%の成長率で拡大し、取引額は684億ドルから1,421億ドルへと2倍以上に増加した。2018年、米国はインドにとって財の貿易で第2位の貿易相手国であり、インドの最大の単一輸出先でもあった。
サミットでロス氏は、米国が貿易総額を増やし、貿易赤字を削減する意向を示した。また、同氏は「人為的で保護主義的な」貿易障壁への懸念を表明した。
しかし、同氏はインドと米国の今後の貿易関係について楽観的な見方を示し、選挙が終わったことで、ナレンドラ・モディ首相は「議会において明確かつ強固な立場を持っており、決断力のある行動をとりやすくなるはずだ」と述べた。


