2021年の新型コロナウイルスによるロックダウン以降、インドでは副業が増加傾向にあります。
しかし、インド企業はこれまで、生産性が低下する可能性や機密情報が外部に伝わるリスクを理由に、副業に抵抗してきました。
しかし、生活費が上昇し、多くの人にとって副業は経済的に必要なものとなったため、今後も続く傾向となっています。
デリーを拠点とするIT専門職のシュバム・チャブラさんは、リモートワークという現象が終わってほしくないと考えています。29歳の彼がリモートワークで最も気に入っているのは、情熱を注ぐ写真に取り組む時間ができたことです。
最近、結婚前のカップルを撮影するフォトグラファーとして活動を始めたチャブラさんは、愛し合うカップルを撮るのが好きです。現在、撮影1回につき約50,000ルピー($652)を得ており、いずれは活動の幅を広げたいと考えています。
「友人やソーシャルメディアを通じて仕事の依頼を受けてきました。本当に好きなことをして少しでも収入を得るため、本業と撮影に出かける時間をやりくりしています」と、彼はQuartzに語りました。
ムンバイを拠点とするスティ・アローラさんも、長年の趣味である絵画にこれまで以上に時間を割いています。広告業界で働く彼女は、今や絵画からも収入を得ています。作品1点につき15,000~20,000ルピー、時には40,000ルピーを請求しています。
チャブラさんやアローラさんのように、インドで2021年の新型コロナウイルスによるロックダウンを機に広がった副業を、ますます本格的な仕事として捉える人は多くいます。自分の情熱を注ぐことから多少の収入を得られると、率直に語る人もいます。
ただし、誰もがそれほど恵まれているとは限りません。
「お金の心配がなければ、パン職人としてフルタイムで働きたい。でも、お金の問題があるので、そうはできません」と、デリー在住のマダブ・シンハさんは語りました。営業職の彼は、自分の事業を2020年の新型コロナウイルスによるロックダウン中に立ち上げ、WhatsAppでベーカリー商品の注文も受け始めました。
シンハさんは今、本業に知られず副業を続けることに苦労しています。「この先どれくらい両方を続けられるか分かりませんが、問題にならない限り続けます」と彼は語りました。
ほかにも、職場で「面倒なことを起こさない」ようにしているシンハさんと同じ立場の人がいます。
インドのスキルギャップに対し、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか?
企業が副業に抵抗するのはなぜか
「インド企業の中には、従業員がその日の目標を達成することを条件に、副業を認めるところもあります。一方で、社内規定を理由に認めない企業もあります」と、従業員500人超のオンライン家具企業WoodenStreetで人事部門を率いるムラリ・メノンさんは語りました。
メノンさんによると、副業への抵抗の背景には、複数の仕事を長期にわたって両立するのは難しいという見方があります。
「企業はまだ、副業や社外での仕事を認める準備ができていません。注意が分散して生産性が落ちる可能性や、機密情報が漏れる恐れ、職場の人間関係が複雑になる可能性があるためです」と、TeamLease Servicesで全国見習い制度を通じた就業能力向上プログラムの事業責任者を務めるスミット・クマールさんは語りました。
企業が警戒しているとはいえ、副業という考え方は今後も定着していくでしょう。
ムンバイのデジタルメディア専門家であるアローラさんは、企業が副業に対して硬直した姿勢を保てば、将来、退職者が相次ぐ時期が訪れるとさえ考えています。
「職場では、本業だけが自分たちのすべてではないと気づいた人がたくさんいます。机に向かって9時間を何とかやり過ごすのと、世界のどこからでも生産的に働きながら、本当に情熱を注ぐことを続けられる自由とを選べるなら、多くの人は後者を選ぶと思います」と彼女は語りました。
この現象を従業員と雇用主の双方にとって有益なものにするには、雇用主が就業規則を見直し、強化する必要があります。
「適切な指針がないことは、従業員が本業以外のことに取り組むのを認めることに、多くのインド企業が不安を抱く一因となっています」と、ジャイプールを拠点とするソフトウェア企業Innovana ThinkLabsの会長兼マネージングディレクター、チャンダン・ガルグさんは語りました。
副業が今後も続く理由
「新型コロナウイルスの流行から、何をどれだけ持っていても十分ではないと学びました。時間もお金も、いくらあっても足りません。ロックダウンで国が閉鎖され、貯蓄を取り崩して暮らすようになった人も大勢いました」と、オンラインマーケットプレイスSaraf Furnitureの創業者兼CEO、ラグナンダン・サラフさんは語りました。
「日々を何とか生き抜く」ための費用さえ上がり、副業そのものが必要になったと彼は述べました。
デリーのチャブラさんも同意します。「好きだから副業をしていますが、職場には、経済的な支えを少し得るためにIT業界でフリーランスの仕事をしている人がほかにも大勢います。」

