世界はあまりにも速いペースで変化しており、今日の高給の仕事は5年前には存在すらしていませんでした。さらに5年後、私たちがどのような仕事をしているのかを予測するのは困難です。
この大きな変化の理由は何でしょうか。ソフトウェアです。
過去30年間で、ソフトウェアは子ども時代から私たちの世界を席巻してきました。インドでは、子どもが少し物事を理解できるようになると、まず親が持つ携帯電話に興味を示します。話せるようになる前から、携帯電話でゲームをしたり、アニメを見たり、父親の連絡先リストから適当に電話をかけたりし始めます。1歳の誕生日を迎える前に、携帯電話のロックを解除し、お気に入りのアプリを開けるようになる子どもさえいます。しかし、高校生でさえ、日常的に使っているウェブサイトやアプリの裏側で何が起きているのか、ほとんど知りません。まるで、読むことは習っても書くことは習っていないかのようです。
学校に通う幼い子どもたちが、技術がどのように機能するかを理解したり、その創造に積極的に参加したりせず、何も知らないまま受け身で技術を使うだけでよいのでしょうか。
インドでは多くのことが変わりましたが、今日のハイテク世代の子どもたちは、私が10年前に学校で使っていたのと同じ教科書で学んでいます。インドの教育制度は暗記学習を促し、子どもたちの好奇心ではなく、同調を助長しています。
子どもたちに未来に必要なスキルを身につけさせるには、どうすればよいでしょうか。学校ではすでにコンピューター教育が行われていると主張する人も多いでしょう。しかし、インドの学校のコンピューターサイエンスの教科書で教えられているのは、コンピューターサイエンスの歴史、ハードウェアやオペレーティングシステムに関する内容、あるいは基本的なHTMLです。こうした知識は時代遅れで、現代の技術との関連性もほとんどありません。インドの高校を卒業する生徒のうち、主要なプログラミング言語を少なくとも1つ習得している、あるいは最低限コーディングに親しんでいるのは、どれほどいるでしょうか。
誰もがコーダーになりたい、あるいはIT業界で働きたいわけではないのは確かです。しかし、コーディングを学ぶことは、子どもたちが技術を理解し、価値を認め、想像力を広げるための手段となります。子ども向けコーディング企業Tynkerの創業者、クリシャン・ヴェダティは、次のように的確に述べています。「コーディング自体には意味がありません。それは単なる言語です。子どもたちは、それが現実世界で機能する様子を見る必要があります。また、天文学や科学、さらには言語芸術など、テーマによって意味合いは異なります。」
中国から学ぶ
私の考えでは、インドは次世代が繁栄できるよう、中国から学ぶことができます。第4次産業革命経済は変化しています。中国の親たちはそれをよく理解し、子どもにコーディングを教えることを重視しています。中国の親にとって、子どもにコーディングを教えることは、算数や中国語を教えるのと同じくらい重要になっています。実際、多くの中国の子どもは就学前からコーディングに触れています。一方、インドの親の多くは情報に乏しく、自身がIT業界に携わっていない限り、子どもにコードの書き方を教えることを十分に重視していません。
コーディングを学ぶことは、将来の仕事に役立つスキルを身につけるだけではありません。子どもたちの思考を広げ、批判的思考力と論理的思考力を養います。「誰もがコンピューターのプログラミングを学ぶべきです。考え方を学べるからです。」スティーブ・ジョブズがインタビューでこの言葉を語ってから、もう20年になります。
次に何をすべきか
インドの小中高生が、未来の犠牲者ではなく創り手となれるよう備える必要があります。カリキュラムに新しい科目を華々しく追加しても、大きな助けにはなりませんし、本に目を通すだけでコーディングを学んでも同じです。本を読んでコンピューターサイエンスを習得させようとするのは、バスケットボールの歴史を読んで上達させようとするのと同じです。そうではなく、入学初日からさまざまな形で子どもたちをコーディングに参加させ、関心を引き出すべきです。たとえば、テレビゲームで遊ぶ、バースデーカードを作る、友だちを集まりに招くなど、子どもたちがすでに楽しんでいる身近な活動に取り入れる方法があります。
インドの人口の半数以上が25歳未満で、65%を超える人々が35歳未満です。第1次産業革命がヨーロッパと南北アメリカに広がったとき、インドは植民地支配下にあり、その機会を逃しました。インドは第4次産業革命を逃してもよいのでしょうか。インドには、世界の知的資本となる大きな可能性があり、コーディングはその解放の力となり得ます。かつて「黄金の鳥」と呼ばれたインドが「黄金のコーディングの鳥」となるよう、今こそ力を合わせるときです。

