スリランカの地域病院を訪れるたびに、公共医療サービスへの信頼が新たになる。医師と看護スタッフの双方が、しばしば職務の範囲を超えて患者に尽くす姿を目にする。病人を世話することは功徳とされる宗教的信仰が、彼らをさらに一歩踏み出させているのだろうかと思う。
カルタラ県ホラナのベース病院を訪れたことで、この思いは強まった。同僚と私は、増加しつつある静かな殺し手、 非感染性疾患 (NCD)の負担を減らすため、行動変容を促す制度や取り組みについて、現場で学んだ。スリランカの死亡者の70%がNCDによるという事実は恐ろしい。特に、死亡者のかなりの割合が65歳未満であることを考えるとなおさらだ。国がより豊かな社会へと移行するなか、望ましくない食の選択や活動的でない生活習慣が状況を悪化させている。慢性NCDの大半は予防可能であり、予防できない場合でも、喫煙、飲酒、キンマの葉をかむこと、肥満、不健康な食事、塩分・糖分・トランス脂肪の多い食品、加工食品、座りがちな生活などのリスク要因に対処すれば、発症を遅らせることができる。
母子保健の改善では成果を上げてきた一方、多くのスリランカの成人は、NCDのリスクを減らすために生活習慣を改めることをためらう。この傾向を変えようと、医師や看護師は中年の男女がより健康的な習慣を身につけるための、創造的で革新的な方策を考案している。多くの成人は自分を健康だと考え、医療上の助言を求めたり、潜在的なリスク要因の検査を受けたりする理由がないと思っているため、これは難しい。観察されたリスク要因のうち、女性では肥満、男性では飲酒が最も高いものとして特定されている。
新設されたヘルシー・ライフスタイル・センター(HLC)は、NCDにかかるリスクが高い男性と女性に、医療上の助言と検査の機会(治療ではない)を提供する予防医療専門の診療所だ。対象者である私は、糖尿病、心血管疾患、がん、高血圧、慢性呼吸器疾患など、NCDとされる疾患について注意深く耳を傾けた。診療所では血糖値、血圧、ボディマス指数(BMI)を測定し、不健康な食習慣、飲酒、たばこの使用について助言する。定期的な運動の重要性も強く説かれる。設備が整っている場合は、血糖値や脂質値を調べる血液検査も行われる。
国内の医療保健担当官(MOH)管轄地域のほぼ50%には、十分なインフラを備えたHLCが少なくとも2か所設置されているが、専任の人材が不足しているため、HLCが十分に機能するのは難しいこともある。それでも医師や看護師は、HLCが少なくとも週に1度は機能するようにして、その献身を示している。また、生活習慣についての助言に最も抵抗を示しがちな男性に働きかけるため、「山をモハメッドのもとへ動かす」という格言を実践し、リスク要因の検査を受けに病院へ来ることを信じない男性を引きつける戦略として、移動式HLCの形で工場、タクシー乗り場、オフィスを訪問しているという話にも心を打たれた。医療従事者は、高リスク群の検査を確実に行うため、積極的に取り組んでいた。
HLCを通じた一次医療の提供に加え、「安全なコミュニティ」を動員する、もう一つの革新的な取り組みが実行に移されるのも目にした。この構想は主に、急性NCD負担の大きな要因である事故や緊急事態を減らすために策定された。この取り組みを主導するカラボウィラ医師は、同じ医師チームが始めた分野横断的な連携の重要性を強調し、熱意を込めて説明してくれた。カラボウィラ医師は、さまざまな社会集団の主要なオピニオンリーダーを集め、学校、工場、道路、遊び場など、特定された「場」を安全区域にする責任を担ってもらった経緯を説明した。さらに、継続的なカウンセリングと社会動員の考え方を通じて大きな行動変容が実現し、その結果、事故が減少したと説明した。
医師や医療従事者の意欲、献身、尽力により、HLCが全国で継続的に展開されるなか、スリランカ全土のNCD負担の増加に歯止めがかかることが期待される。
この記事は当初、世界銀行の 「南アジアの貧困撲滅」 ブログに掲載されたものです。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。
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著者:サンディヤ・サルガドは、スリランカおよびモルディブ担当のシニア・コミュニケーション・対外関係オフィサー。
画像:スリランカ南部バタガラで米料理を受け取る人々。REUTERS/Yves Herman

