マリのある町が飢餓と闘う方法

マリのある町が飢餓と闘う方法
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マリ中部のジメブグ村の乾いた畑を砂ぼこりが吹き抜ける。破れたジーンズ姿の者もいれば伝統衣装を着た者もいる十数人の男性が、貴重な水を乾いた畑に導く堤防を補強するため、固く締まった砂を掘り返している。

雨季は6月に始まるが、今のところ、マリの首都バマコとモーリタニア国境の中間にあるこの静かな、干ばつに見舞われやすい村には、することがあまりない。

マリで十分な食料を育てるのは、これまでも決して容易ではなかった。しかし気候変動により、西アフリカのサヘル地域では、もともと不安定だった降雨がさらに乏しくなっている。

それでも、雨水をためる高さ1メートルの壁、新設された養魚池、拡張された菜園、燃料効率の高いかまどといった小さな変化が、世界で最も貧しい国の一つで、家族が何とか暮らしをつなぐ助けとなっている。

専門家によると、マリが急増する人口を養うには、大規模投資よりもこうしたプロジェクトが不可欠だ。長年の政情不安を経て、命を守るための簡素な食料支援プロジェクトの資金調達と実施は、非政府組織や国連に委ねられている。

泥とわらの小屋が並ぶこの村にも、同じようなほか数百の村にも、マリ政府の存在はほとんどない。

電線も、水道も、インターネットも、小さな店さえなく、最寄りの市場町までは未舗装路を40 km(25マイル)進まなければならない。その道を行き交うのは、ロバ車と外国組織の大きな白いSUVだ。

雨季前の食料が乏しい時期、村の住民485人は、安価な中国製携帯電話を車のバッテリーで充電し、灼熱の太陽を避けて日陰でおしゃべりをしたり、資金があるときには外国支援の援助事業で働いたりする。

それでも空腹

「村に十分な食料を生産することはまだできませんが、少しずつ近づいています」と、地元の村長マヘタ・サッコは、住民たちが興味深そうに見守るなか、トムソン・ロイター財団に語った。

マリが食料供給を改善するには、広範な貧困、紛争、水不足、気候変動の影響、急増する人口など、さまざまな問題に直面している。

しかし、地域の限られた水をより適切に管理し、農法を改善する取り組みは、マリの飢餓と貧困の連鎖を断ち切る助けとなり得ると、国連当局者や地元指導者は述べる。

国の北部での反乱や首都で相次いだクーデターなど、政治的障害が、わずかに進んだ取り組みを妨げている。

人口1,500万人のこの国は、過去10年間に3度の干ばつに見舞われた。雨は主に6月から9月に降るが、その多くは乾ききった畑から流れ去り、表土も一緒に流してしまう。

雨水貯留施設や灌漑用堤防など、簡素な水管理インフラは重要な役割を果たすと住民は話す。ジメブグ村の若者たちが建設している堤防もその一つだ。水が保たれている壁の脇には緑の草が芽吹くが、数フィート離れれば砂はほこりっぽい茶色をしている。

世界食糧計画(WFP)の資金によるこの労働対援助プロジェクトは、作付け期を前に地元の男性たちにいくらかの収入をもたらす。

「水は、ほかのあらゆる活動の出発点です」と、WFPのマーク・ソーヴールはトムソン・ロイター財団に語った。

村人が安定して水を得られれば、菜園を作り、家畜を健康に保ち、木を植え直すことができると、同氏は述べた。

森林破壊は降雨をさらに不規則にする可能性があり、村の大きな問題となっている。その対策として導入されているのが粘土製かまどだ。村人は地元の粘土と寄贈された鉄製の型を使い、自分たちで作ることができる。

このかまどにより、家庭で必要な薪の量は半分になる。

「薪をそれほど切らなくてよくなったので、菜園を育てる時間をもっと取れるようになりました」と、町の女性委員会の代表ダリー・サッコは語った。

減り続ける雨

サッコは、降水パターンが変わり雨が減ったことで、15年前に地球温暖化の影響を感じ始めたと話した。

収穫が失敗するなか、ジメブグ村の住民の多くは仕事を求めて都市や首都バマコに移住しようと考えたが、そこで都市部の失業者がさらに増える可能性が高かった。

しかしサッコによると、水の供給を補強し、雇用を提供する取り組みが、大規模な移住の防止に役立った。

北アフリカ各地の町と同様、ジメブグ村も人口増加率の高さに直面している。米国のデータによると、マリの出生率はニジェールに次いで世界で2番目に高い。マリの女性は平均して6人を超える子どもを産むため、十分な食料を育てることは常に課題となる。

スウェーデンのルンド大学による 10月の研究 によると、サヘル全域で食料生産は人口増加に追いついていない。

アフリカのサヘル地域と北部にある乾燥国22カ国では、人口が10年間で30%増加し、2010年には4億7,100万人に達した。これは世界でも最も速い人口増加率の一つだ。

投資不足か?

人口が急増し砂漠が拡大しているにもかかわらず、マリには自給自足できる力があると考える分析者もいる。

「マリは食料を自給できるはずです」と、国連食糧農業機関(FAO)の技術顧問、スレイマン・クリバリは語った。

遠隔地の農村を定期的に訪れるクリバリは、ジメブグ村の堤防や菜園のような基礎インフラへの政府投資不足が、推定180万人のマリ国民を飢えさせていると指摘する。

綿花、シアナッツなどの商品作物を輸出し、ほかの場所で加工することに重点を置いても役に立たないと、同氏は述べた。

「ニジェール川近くに灌漑農地があるのに、マリがコメを輸入しなければならないのは普通ではありません」と同氏は語った。

マリ当局者は状況が理想からほど遠いことを認める一方、国の労働人口の 80% を占める小規模農家を支援するため懸命に取り組んでいると述べる。

「雨がますます少なくなっていることは認識しています」と、農村開発省の局長アブメディアン・トゥーレはインタビューで語った。「だからこそ、河川の水を活用し管理するために(新たな灌漑計画を通じて)取り組んできました。」

中央政府はジメブグ村の地方当局にインフラ事業の「希望リスト」を提出するよう求め、村人は共同菜園づくりへの支援を要望したが、何も実現しなかったとサッコは語った。

その代わり、作業の大半はNGOと国連機関に委ねられていると、同氏は述べた。

「今は乾季なので、雨が降るときに備えて取り組んでいます」とサッコは語った。「菜園や堤防ができて、ここ数年で状況は大きく変わりました。」

この記事は、 トムソン・ロイター財団との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:クリス・アーセノーは、ローマからトムソン・ロイター財団のために世界の食料安全保障と農業政策を取材している。

画像:マリのジメブグ村で、女性たちが国連資金で整備された菜園で作業している。トムソン・ロイター財団/クリス・アーセノー

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