インドは将来の仕事に向けて、どのように労働者を準備できるのか?

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世界経済フォーラムが最近発表した「人的資本レポート2017」には、次のように記されている。「各国が人的資本をどのように育成するかは、ほぼあらゆる要因以上に、その国の長期的な成功を左右する重要な要素となり得る。」

人々が世界経済の仕組みの中で価値を生み出すために必要な知識やスキルは、今日、教室で十分に教えられていない。

インドの正規教育制度は、人口13億人超の増大するニーズに応えるだけの数のエンジニアや医師を輩出している。しかし残念ながら、十分な基幹職がないため、高度な訓練を受けた人々の多くが、学んだことを実践する仕事に就けていない。

人材を求めるITサービス業界は、「雇用の安定」や「急成長する」職場環境を提供し、労働力を迅速に取り込んできた。しかし、この長年の傾向は急速に変わりつつあり、ここ数年の大規模な人員削減にもそれが表れている。主な原因は、労働コストの低い地域への雇用移転と、ITのテストやプログラミング分野における自動化の進展だ。

スキルのミスマッチ

今や数十万人ものインド人が、雇用主の多くが求めていないスキルを抱え、再び求職市場に戻っている。急速に変化する今日の職場で必要とされ続けるため、こうした若者がスキルを高めることが急務だ。

人工知能、機械学習、3Dプリンティング、ロボット工学、自動化、データ処理などの分野への企業の投資意欲が高まっている。平均年齢が25歳未満のインドでは、若者に十分な新たな雇用機会が生まれている。

しかし課題は、将来の仕事の大半で不可欠となるスキルを、今の若者がまだ身につけていないことだ。

インドには若い人材が豊富におり、彼らは新たな機会を求めている。適切なスキルと仕事を得れば、インドを世界有数の経済・知識大国へと押し上げることができる。

米国は、科学、技術、イノベーションの世界的リーダーとなるため、世界中から最高の人材を招き入れる必要があった。インドがすべきことは、より簡単だ。優秀な人材の多くはすでに国内におり、インドの成長と成功に貢献する機会を待っている。政府は、彼らが成功できる適切な環境と機会を整え、育てる必要がある。

課題

したがって課題は、既存のインド人労働者のスキルを高めるとともに、将来の労働力を育成し、未来の破壊的な産業に加わるために必要なスキルセットを身につけさせることだ。

ドイツの見習い制度は、成功している取り組みの一つだ。

ドイツの教育制度は、ごく早い段階で、生徒を職業教育に進むのが適した者と大学に進む者に見極め、振り分けるよう設計されている。

政府は、生徒に特定の職業スキルを身につけさせるため、さまざまな教育プログラムを実施しており、こうした対象を絞った取り組みは成果を上げている。今日、ドイツは自動車や重機の製造分野で世界をリードし、何百万人もの高度な技能を持つ労働者を雇用している。彼らは力を合わせ、同国の輸出型製造業の発展に貢献してきた。こうしたプログラムの大半は政府の資金で運営され、製造業などの基幹分野で雇用を生み出すとともに、非正規の教育制度からも十分な数の就業可能な人材を輩出してきた。これは大胆かつ戦略的な取り組みで、長期的な成果が期待できる。インド政府が手本にするのに理想的だろう。

大胆な目標

インド政府は、2022年までに1億人の新規雇用を創出し、製造業が国内総生産(GDP)の25%を占めるようにするという大胆な目標を掲げている。

現在、インドでは毎月約100万人が労働市場に参入する一方、新たに生まれる雇用は約10,000件にすぎない。製造業が国内総生産(GDP)に占める割合は現在約16%だが、付加価値の高いブルーカラー職を生み出す最大の可能性を秘めている。そうした雇用は経済を強化し、製造大国になるというインドの目標達成に役立つ。

世界的に知られる自動車、航空、航空宇宙企業は、インドと南アジア地域の高まる需要に応えるため、インドに主要な製造拠点を設けようとすでに動いている。有利な外国直接投資政策や政府の施策により、世界の主要な民間雇用創出企業がすでに誘致されている。今こそ、インドの人々がこの機会を最大限に生かせるよう、スキルの向上と再習得を進める時だ。20世紀後半に米国が行ったように、重要な人材を海外から招くことは選択肢にならない。インドはすでに人口過密であり、国内に豊富な人材が活躍できる十分な機会を提供する必要がある。

イノベーション

インド科学技術省は、大学レベルで「ものづくり」の精神を育み、若い学生がインド亜大陸固有の地域課題に対する革新的な解決策を見いだせる環境づくりに着手している。メイカースペースやインキュベーションセンターを設置し、若い人材の潜在力を最大限に引き出そうとしている。

政府の「メイク・イン・インディア」構想は、世界から見たITサービス主導型経済から、世界に高品質な製品を供給する製造拠点へと移行するための前向きな一歩だ。国内には政府出資のインキュベーションセンターが約200~250か所あり、来年までに350か所へ増やす計画がある。目標は、全国でさらに多くの若い起業家を育てることだ。こうしたセンターにシード投資助成金が加われば、リスクを避ける傾向の強いインド人の多くが起業家となり、ひいては若く成長する同国経済を牽引できるようになる。

独自のアプローチ

インドのイノベーションの独自性は、高い耐久性を確保しながら、低コストでソリューションを生み出すアプローチにある。

ジャイプール・フットは、世界市場向けにインド国内で開発された低コストの義足で、その一例だ。2009年には米TIME誌の「世界の優れた発明50」に選ばれ、10ドル未満の義足によって、世界中の膝下切断者数百万人が再び歩けるようになった。

インドで開発された国産製品は独自性があり、発展途上国や後発開発途上国の課題解決に重点を置いてきた。こうしたイノベーターが製品を企業へと成長させるには政府の支援が必要だ。また、インド国内で急成長する製造業の支援があれば、大規模生産が可能になり、世界市場に手頃な価格で製品を提供できる。

世界経済フォーラムの最新の「グローバル人的資本レポート2017」で、インドは130か国中101位に位置している。同レポートによると、人的資本の開発度の世界平均は62%だ。

人的資本

若い人口を抱え、起業やスキル開発を促す有利な政府政策も整っている。既存の現場プログラムを効果的に実施すれば、インドの人的資本を拡大できる。人的資本を最大限に活用しながら、インド国内で人々がキャリアを築く機会も提供することは、双方に利益をもたらす。中央政府と州政府が協力して取り組むべき課題だ。

世界で貧困ライン以下の暮らしを送る何億人もの人々に質の高い医療を届ける、独自性のある手頃な価格の医療機器。そして、学校や大学に通えない何百万人もの人々の教育に役立つ革新的な製品やソリューション。これらは、インドが世界にできる最大の貢献となり得る。また、インド国民が第4次産業革命時代を生き抜く力を身につける助けとなり、世界の社会的包摂を促進することにもつながる。

著者は、Lockheed Martin USAのDan Stiver氏、インド科学技術省のAnita Gupta博士、Tata TrustsのMehta博士から寄せられた意見に感謝する。

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