米国ハワイ州の州都ホノルルは、道路横断中のテキストメッセージを犯罪行為とした。「ながら歩き」法は、歩行者が携帯電話、カメラ、ノートパソコン、ビデオゲームを使用することをすべて禁止する新法である。この法律が10月25日に施行されるまで、警察官への研修が行われ、一般市民にも警告が出されている。違反者には罰金が科され、違反を繰り返した場合は罰金が増額される。
公益か、個人の自由か
注意散漫な歩行者による事故が憂慮すべき件数に上っていることから、禁止措置の導入が求められた。メリーランド大学の調査によると、2000年から2011年にかけて、米国では「ながら歩き」が原因の事故が11,000件以上発生した。こうした危険な現象は世界各地でも見られる。各国の政府は、歩行者にスマートフォンから目を離すよう呼びかけている。この法律は、介入の度合いが強いとして多くの批判を受けた。反対派は、政府権限の行き過ぎの典型とも見ている。しかし、この措置は政府が講じた交通安全対策だった。スマートフォンの使用禁止が、シートベルトの着用義務や信号機などと同じように必要なのかどうかは議論の余地がある。歩きながらのメッセージ送信は、歩行者が交通安全の基本ルールを守る妨げになり得る。
各地での対策
ホノルルはこの禁止措置を導入した米国初の主要都市だが、ニュージャージー州、モントリオール、トロントでも同様の取り組みが提案されている。各都市は、路上の「スマートフォンゾンビ」への対処に向け、独創的で新しい方法を考案している。2008年、ロンドンでは、スマートフォンに気を取られた人がけがをしないよう、街灯柱に緩衝材を取り付ける試みが行われた。昨年、ドイツのアウクスブルク市は、スマートフォンを見下ろして歩く人が信号を確認できるよう、歩道に信号機を設置した。オランダのボーデグラーヴェン=レーウヴェイクという町も同様の措置を講じている。こうした取り組みは好ましくない行動を助長すると交通安全の推進派が主張する一方、政府は市民を守ろうと懸命に取り組んでいる。
スマートフォンがもたらす命に関わる現実
インドでも「ながら歩き」法が強く求められている。非農業従事者の5分の1が徒歩で通勤しているためだ。インドの自動車運転者や公共交通機関の事業者は、交通安全規則に著しく違反している。ムンバイのリラヴァティ病院による調査では、18歳から44歳までの人口の79%が常にスマートフォンを使用している。また、インドでは2015年、自撮りに関連する死亡者数が世界で最も多かった。不注意な市民が他者に負傷や死亡の危険をもたらす場合、政府は介入せざるを得ない。

