アフリカのデジタル革命を阻むもの

A man makes a call on a mobile phone in Sierra Leone's capital Freetown December 13, 2012. While mobile phone usage has exploded across Africa over the last decade, transforming daily life and commerce for millions, it's a revolution that has left behind perhaps two thirds of its people. Poor or no reception outside the towns helps explain why the continent's mobile penetration, in terms of the percentage of the population using the service, is far lower than previously thought, and the cost of providing that service to impoverished, sparsely populated areas remains prohibitive. Picture taken December 13, 2012. REUTERS/Simon Akam (SIERRA LEONE - Tags: BUSINESS TELECOMS SOCIETY) - GM1E91V1KRN01
"Africa’s digital revolution is not just a matter of connectivity."Image: REUTERS/Simon Akam
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サイバー空間は、アフリカの新たな神経系だ。アルジェからケープタウンまで、インターネットは人々の暮らしを変え、農業、銀行、輸送などの経済分野を変革している。スマートフォンの急速な普及は世界で最も若い人口と相まって、アフリカを世界のインターネット普及率の伸びを示すランキングで首位に押し上げる一因となった。デジタル接続人口は2012年の1億6,730万人から、2017年12月時点で4億1,200万人に増加し、明るい未来を予感させている。

アフリカが世界のデジタル経済に参加することは、いまや現実となっている。2020年までに、デジタル経済は世界のGDPの26%超を占めるようになり、最も控えめな推計でも、アフリカはその恩恵を受けると見込まれている。しかし、多くの国はデジタルの潜在力を実現するために、さらに取り組む必要がある。アフリカのデジタル革命は、単に接続性やアクセスの問題ではない。官民が新たな経済に参加できるよう、実効性のある政策を実施することが重要だ。1990年代にはデジタル格差が開発の大きな障壁だったが、今では適切なサイバー政策の欠如がアフリカの発展を妨げ、新たな格差を生み出しかねない。

アフリカのサイバー空間は、リスクの温床となっている。政府や民間企業は、急増するサイバー脅威に直面している。一般市民も、マルウェアの侵入、金銭目的のサイバー犯罪、フィッシング攻撃、大規模な監視の被害を受けている。アフリカのサイバー犯罪はますます巧妙化し、法外な経済的損失をもたらしている。2016年だけでも、サイバー犯罪による損失額は20億ドルと推定され、ナイジェリア経済の損失は5億5,000万ドルに上った。こうした攻撃を防ぐための技術や技能が不足していることが、事態をさらに悪化させている。

Image: エコノミスト誌

アフリカのデジタル・エコシステムは活気にあふれ、成長を続け、多くの恩恵をもたらしている。しかし、関連する課題への対処に弱さを残す国も複数ある。実際、国家サイバー戦略を実施している政府はごくわずかで、そのためアフリカのオンライン・エコシステムは世界で最も脆弱なものの一つとなっている。アフリカ諸国のうち20%しかサイバーセキュリティの法的枠組みを整備しておらず、サイバー犯罪に関する実質的な法律を採択した国はわずか11か国だ。法律や手続きが存在する場合でも、立法の進行はデジタル経済の急速な技術革新に追いついていない。

強靭なサイバー空間を築くことは、難しい政治課題だ。2014年、アフリカ連合(AU)は、デジタルの安全性を高める重要な一歩として、「サイバーセキュリティ及び個人データ保護に関する条約(2014年)」を採択した。この文書は、サイバー犯罪から個人データ保護、電子商取引に至る課題へのアフリカ諸国の対応を改善することを目指している。

汎アフリカ組織であるAUは、既存の国際条約への参加を促す代わりに、独自の法的手段を策定することを選んだ。たとえば、「サイバー犯罪に関するブダペスト条約(2001年)」などがある。その狙いは、サイバーリスクや課題について大陸全体で実りある議論を促し、加盟国で生まれつつある政策を調整することだった。しかし、実際には実現していない。

アフリカ諸国は、慎重な姿勢を示してきたため、大陸全体で一貫した戦略を実施できていない。条約採択後、署名したのはAU加盟55か国のうち、わずか9か国にとどまる。2017年に条約に署名した加盟国はガーナだけだった。セネガルが唯一、条約を批准した国であり、条約の発効に必要な15か国の批准には遠く及ばない。アフリカの主要4か国、すなわちアルジェリア、エジプト、ナイジェリア、南アフリカは、まだ署名していない。参加率が予想外に低いことは、加盟国が共通のサイバーガバナンス体制の導入に消極的であり、主権と独立を優先していることを示している。

2014年、国際的な関係者はAU条約を、アフリカのサイバー分野の発展に向けた第一歩として歓迎した。一方で、個人データへのアクセスに関する曖昧な規定には批判もあった。アフリカ連合は少なくとも、加盟国や地域経済共同体(REC)をこの問題に関与させようとした。しかし、条約採択から3年が経過した今も、政治的な行動の欠如がアフリカのデジタル革命を阻んでいる。

アフリカ連合は、資源と専門知識を活用して加盟国を動員しなければならない。加盟国はデジタル分野の最良の慣行を取り入れ、技術革新に遅れず対応する必要がある。各国の政策と法的枠組みを調和させなければならない。個々の取り組みだけでは、確実に失敗に終わる。

各地域経済共同体内で互換性のある法律を整備すれば、状況は確実に改善するだろう。さらに、アフリカ連合はサイバー政策の方針がまだない国々と緊密に連携しなければならない。そもそも、条約の第24条は各国が国家サイバーセキュリティ政策を策定し、実施するよう定めている。

政治的な取り組みを成功させるには、最高レベルの指導力が必要だ。アフリカの指導者には、オンライン上のプライバシーを尊重しながら、台頭するサイバーリスクから社会を守る責任がある。そのためには、政府、民間部門、市民社会組織が参加するマルチステークホルダー対話が求められる。

さらに、加盟国は次のような国際的な取り組みに参加することで恩恵を受けられる。「アフリカ全域のサイバーセキュリティ・デューデリジェンス」は、サイバー専門知識に関するグローバル・フォーラムが策定したもので、各国による国家サイバーセキュリティ枠組みの作成を支援している。

強靭なサイバー空間は、アフリカの潜在力を実現し、社会の高まる期待に応えるために不可欠だ。そのためには、現実的な政治的行動、適切なサイバーガバナンス、柔軟な規制制度、そしてサイバー空間を共通の公共財と位置づける実効的な政策が必要である。

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