疲れ果て、重圧を感じる韓国の独身者たちが、社会的な集まりを避けている

Members of South Korean girl group GFriend watch a recording of their stage performance during a dress rehearsal for The Show in Seoul January 20, 2015. Thousands of Korean children dream of becoming household names like rapper Psy, whose 2012 "Gangnam Style" video was a global YouTube hit, often putting up with punishing schedules in the hope of one day making it big in the music industry. A recent survey of pre-teens showed that 21 percent of respondents wanted to be K-pop (Korean pop) stars when they grow up, the most popular career choice. REUTERS/Kim Hong-Ji (SOUTH KOREA - Tags: SOCIETY ENTERTAINMENT) ATTENTION EDITORS: PICTURE 21 OF 27 FOR WIDER IMAGE PACKAGE 'THE ROAD TO K-POP STARDOM' TO FIND ALL IMAGES SEARCH 'KIM K-POP' - RTR4MEYX
Pressure from families and society is pushing young people to stay single and seek more alone time.Image: REUTERS/Kim Hong-Ji
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「一人飲み歓迎」と、ソウルの弘大地区にあるバーの看板には書かれている。

韓国語で「羽」を意味する名を持つギットルは、店主がホンスル、つまり一人飲みをする韓国人が増えていることに気づき、6カ月前に開店した。最近のある晩、割引価格のハイボールを作りながら、41歳の画家ホンヤンは、韓国の人々にグループで出かける以外の選択肢を提供したかったと話した。カウンター席が多く、一人で訪れた客も、テーブルで一人浮いて気まずい思いをせず、彼女と気軽におしゃべりできる。

韓国の人々は一人で飲むだけではない。一人で食事をし、一人旅をし、一人で結婚式を挙げる人もいる。これは、仕事の後に同僚と食事や飲みに出かけることから、大勢でハイキングに行くこと(有料記事)まで、長らく集団が社交生活を支配してきた国にとって、大きな変化だ。韓国の若者が、若年失業率の高さ、慢性的な低賃金、住宅費の高さに直面する他国の人々と同じように、将来に暗い気持ちを抱くなかで、この変化は起きている。しかし、成功を求める家族や社会全体からの圧力は、韓国ではとりわけ厳しい。若者たちは独身を貫き、自分のための時間をもっと求めることで、こうした厳格な慣習に本格的に異を唱え始めている。

今では、多くの企業が、自らをホンジョク、つまり一人で過ごす人々に対応しているとアピールしている。首都で最も名門とされる大学の近くにある焼き肉店、ユクチョプ・バンサンでは、ポスターがホンバプ、つまり一人で食べることの熟達度を8段階で示している。ポスターによれば、コンビニでラーメンを食べるのが誰にでもできる最も低い段階で、究極の団体食である韓国焼き肉が最も難しい。店内では、一人客が長いベンチに座り、一人用サイズのグリルで肉を焼く。向かいには電源コンセントが並ぶ仕切りがあり、客は携帯電話を充電できる。街の別の場所にある日本のラーメン店では、機械で注文し、狭い仕切り付きのブースに座るため、ほとんど人と関わらずに済む。

「以前は一人で食事をすると、周りからじろじろ見られましたが、最近は変だと思われていない気がします」と、ある晩、ラーメン店「イチメン」で一人で食事をしていた25歳の銀行員、パク・ダソムは話した。「韓国では社会的なトレンドになりました。」

一人で楽しむYOLO

新たに見いだした個人主義的な暮らしを送る韓国の人々にとって、合言葉となっているのがYOLO、つまり「人生は一度きり」だ。この言葉は、2011年にカナダ人ラッパーのドレイクが広めたと広く認識されており、今では西洋文化で絶えず揶揄されている。韓国の人々は今、国内最大手の銀行の一つが発行する「YOLO」クレジットカード(韓国語のリンク)に申し込める。このカードはスターバックス、映画館、コンビニなどで割引を受けられる。また、気ままさを楽しむために、マカロン作りや仕事帰りの宝探しなどの1日講座に申し込んだり、あるいは、シングルの人が「自分の選択に満足し、誇りを持てるよう」支援する雑誌を読んだりすることもできる。その雑誌の名は『Singles』だ。

「YOLOは『人生は一度きり』の略で、一度しか生きられないのだから、他人や未来のためではなく、今を生きるべきだという意味です」と、ソウル大学消費者学科の研究教授、チョン・ミヨンは11月のテレビ番組(韓国語の動画)でのインタビューで語った。以前は、人々は貯蓄を重視し、自分の消費習慣を他人がどう思うかを気にしていたとチョンは付け加えた。しかし今の韓国では、消費は「理性的というより、感情的で楽しいもの」になっている。

「近年まで、多くの韓国人は集団からの社会的圧力にどう抵抗すればよいのか分かっていませんでした。」

「近年まで、多くの韓国人は集団からの社会的圧力にどう抵抗すればよいのか分かっていませんでした」と、マサチューセッツ州ウェルズリー大学の政治学教授、キャサリン・ムーンは話した。「今は少しだけ個人主義に足を踏み入れ、おそるおそる進み始めています」。同僚と食事をする代わりに、昼休みに用事を済ませると決めるような簡単なことでも、その一例だと彼女は付け加えた。

この傾向の理由の一つは、単純に時間とお金が不足していることだ。韓国の人々は、悪名高いほど長時間働き、そのうえ従業員には仕事後の付き合いも期待される。

「自分の時間や価値観が尊重されません。韓国文化の本当に悪いところです」と、金融工学を学ぶ亜洲大学3年生のイ・ジュヨルは話した。「一人で食べれば、グループで食べるより時間がかからず、費用も安く済みます」。彼は、以前在籍していた大学から転学する前、学生自治会の他のメンバーとの団体での食事に参加しなかったため、批判されたという。「『そんなふうにしていたら、一人で食べることになるぞ』と言われました。」

韓国の人々が一人で何かをすることは、社会を外から見る人にとってさえ、珍しいことに映る場合がある。

「欧米の人々の間では、一人でハイキングする人はまったく珍しくありません。しかし韓国の人々の場合、そういう人を見ると、何かおかしい、あるいは変だと感じてしまいそうです」と、韓国に長年暮らし、最近出版された著書『新しい韓国人』の著者でもあるマイケル・ブリーンは話した。

しかし、データはそうした光景がこれからもっと一般的になることを示している。

ひとりぼっちで

政府統計によると、韓国では今、単身世帯が世帯の主要な形態となっている。2015年時点で全世帯の27%を超え、米国と同程度の水準だが、わずか10年前には4人世帯が最も大きな割合を占めていた国にとって、とりわけ劇的な変化だ。

Image: Quartz

理由は他の先進国の場合と似ている。都市に移り住む人が増え、結婚を先延ばしにする人も多い。また、妊娠によってキャリアが中断されるのを避け、仕事に専念する女性も増えている。この問題は、韓国で特に深刻だ。政府統計によると、韓国の単身世帯の過半数を女性が占めており、今では結婚は必須だと考える女性は半数に満たない。政府のデータ(韓国語のリンク)によると、婚姻件数は2011年の329,100件から2016年には281,600件に減少し、1974年以来の最低水準となった。

結婚を先延ばしにしたり、結婚そのものを避けたりすることを、大胆な形で示す女性もいる。それは、「一人結婚式」を挙げることだ。ウェディングドレスを着て一人で写真撮影をしたり、実際に結婚式を催したりする。韓国では新婚夫婦に現金を贈る習慣があるため、長年にわたり結婚式に出席して使った費用の一部を取り戻すことも、その理由の一つだ。英国の化粧品ブランド、ラッシュは、最近(韓国語のリンク)、男性社員の一人結婚式を祝い、現金の祝儀と結婚休暇を贈った。

32歳のヤン・ウンジュは、前年に婚約を解消した後、3月に一人でウェディング写真を撮影した。現在の恋人は離婚歴があり、再婚するつもりはない。彼女自身も結婚は考えていないという。「この先結婚しない気がしますが、まだ若いうちにドレスを着てみたかったんです」と、LGエレクトロニクスに勤めるヤンは語った。「家族は今も結婚の話をしますが、私は結婚するつもりはありません。」

ソウルの写真スタジオ、スタジオ・カムソンの共同オーナーであるチュ・ボムソクは、今年初めに一人でのウェディング写真撮影サービスを提供することを決め、中古のウェディングドレスと靴を数点購入した。

他の企業も、主に商品のサイズを小さくすることで、単身の買い物客を取り込もうと急いでいる。韓国最大の小売業者、イーマートによると、小型商品の売上(韓国語のリンク)が伸びている。手のひらサイズの「リンゴスイカ」については、単身者の小さな果物への需要が背景にあると同社はみている。白物家電メーカーも、炊飯器や洗濯機などの小型家電を製造している(韓国語のリンク)。コンビニの売上も急増しており、単身者が一人で食べるための調理済み食品やコーヒーを買っている。

「単身者を新たな消費者層として捉え、より前向きな見方を採用すべきです」と、韓国有数の金融会社の一つであるKB金融グループが実施した、単身者の消費習慣に関する調査(韓国語のリンク)では述べられている。

一人で、共に

しかし、韓国の高齢世代は、独身でいる人が増える傾向を諸手を挙げて歓迎しているわけではない。韓国で単身世帯の増加が懸念される理由の一つは、国内の極端に低い出生率への懸念だ。今年の出生数は、当局によると過去最低になる見込みだ。未婚者が子どもを持つことへの偏見が根強いこともあり、韓国はOECD加盟国の中で婚外出生数が最も少ない。政府は、韓国の人口が2031年にピークを迎えると推計している。

韓国の新大統領、ムン・ジェインは、4月に(韓国語のリンク)、一人でいることには健康上の警告が必要だと述べた。「ホンバプは孤独なだけでなく、食生活の偏りにもつながり、若者の健康を損ないます」。彼は韓国の独身者について別の展望を示し、国全体が「一人で暮らす若者の家族」になってほしいと語った。その一つの方法として、単身世帯が多い地域に共同キッチンを開き、ホンバプをハムケバプ、つまり「一緒に食べること」に変える案を挙げている。

別の方向から取り組むのは、韓国最大手のエンターテインメント企業の一つ、CJ E&Mだ。同社は、一人でいるのは自分だけではないと韓国の人々に伝えようとしている。現在放送中の人気韓国ドラマを制作しており、その題名は「一人酒」、またはホンスルナムニョだ。このドラマは、さまざまな境遇の人々がホンスルでストレスに対処する暮らしを描いている。CJ E&Mの代表、キム・ジヨンはQuartzにこう語った。「ホンジョク(単身者)や単身世帯が増えるにつれ、独身者の暮らしを描く番組も増えています。テレビで自分と似た人を見ると、人々は安心し、笑顔になります。」

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