新たな統計によると、過去1年間にEUで最も大きく増加したのは、宿泊・旅行業界の仕事です。
多くの新型コロナウイルス感染症対策の規制が緩和されたことも、この増加に一役買ったと考えられます。
一方、第四次産業革命が始まるにつれ、データアナリストやデータサイエンティスト、AIやロボット工学の専門家などの需要が高まっています。
新たな統計によると、欧州経済は近年、深刻な逆風にさらされてきましたが、失業率への影響は比較的小さくとどまっています。
新型コロナウイルス感染症はEU圏の成長を大きく押し下げ、2020年のGDPは約6%減少しましたと、EU統計局ユーロスタットは発表しています。その後、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー供給が脅かされ、数十年ぶりの水準にインフレが高まりました。
それにもかかわらず、2022年第2四半期のEU経済は、季節調整済みで前年同期比4%成長し、景気後退に陥るとの懸念を覆しました。また、ユーロ圏の失業率は安定して推移し、ユーロスタットによると、6月は前月と同じ6.6%でした。パンデミック対策の規制解除を受けて人々が職場に戻る中、前年同月比では1.3%低下しました。
失業率が最も高いのはスペインとギリシャで、12%を超えています。チェコ共和国の失業率はEUで最も低く、2.4%です。
宿泊・旅行業がEUの雇用増加を牽引
EU加盟27カ国では、宿泊・旅行関連の仕事が最も急速に増えていますと、ユーロスタットは発表しています。最も大きく増加したのは調理補助で、就業者数は25%強増え、約110万人から約140万人となりました。
次に多いのは、「パーソナルサービス従事者」と呼ばれる職種です。旅行業界の添乗員やガイドのほか、宿泊業界の料理人、ウェイター、バーテンダーなどが含まれます。こうした分野で働く人の数は15.6%増加し、760万人となりました。
新型コロナウイルス感染症対策の規制が終了し、人々が再び交流や旅行をするようになったことも、この増加に一役買ったと考えられます。
情報通信技術関連の職種は第3位で、9.6%増加して450万人となりました。この職種群には、ソフトウェアやアプリの開発などに携わる人々が含まれます。
就業者数が最も大きく減少したのは農業、林業、漁業で、12.6%減でした。
「大再編」
マッキンゼーの新たな調査は、パンデミック後の世界の労働市場を理解する手がかりとなります。同調査によると、労働者の40%が転職を検討しています。ロックダウンによって、自分の人生で何を優先するかを振り返る時間ができたためです。
こうして考える時間ができたことで、労働者は単に別の職場で同じ仕事をするために転職するのではないのかもしれません。調査対象者のほぼ半数が、異なる業界に移ろうとしています。
ギグエコノミーの臨時職やパートタイム職に移る人も多くいます。これがユーロ圏で宿泊関連の仕事が大きく増えた理由かもしれません。
マッキンゼーの調査は、データサイエンティストやプログラマーなど需要の高いスキルを持つ労働者ほど、転職しやすいことを示すさらなる証拠も提示しています。
仕事の未来
世界経済フォーラムの「仕事の未来」レポートによると、近い将来、さらに多くの新しい職種が生まれます。人間、機械、アルゴリズムの間で労働を分担するのに適した約9,700万の職が、早ければ2025年にも生まれる可能性があるとしています。
世界経済フォーラムによると、需要が高まっている職種には、データアナリストやデータサイエンティスト、AIやロボット工学の専門家などがあり、最新のEU雇用統計もこの傾向を裏付けています。
同レポートはさらに、第四次産業革命によって8,500万の仕事が失われる可能性がある一方で、新たな分野での雇用創出がこうした変化を相殺すると述べています。




