「団結すれば立ち、分裂すれば倒れる」―EU首脳へのトゥスク大統領の書簡全文

European Union flags fly outside the European Commission headquarters in Brussels June 15, 2005. The EU budget battle and salvaging the proposed constitution will top the summit agenda for the 25-nation bloc when it meets on June 16-17 at its Brussels headquarters. UNICS REUTERS/Thierry Roge THR/CCK - RTREFSU
The challenges currently facing the European Union are more dangerous than ever before in the time since the signature of the Treaty of Rome.Image: REUTERS/Thierry Roge
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親愛なる同僚の皆さま

27加盟国からなる欧州連合の将来についてマルタで議論するにあたり、準備を万全にするため、また皆さまの一部と交わした会話を踏まえ、ほとんどの方が共有していると私が考えるいくつかの所感を述べたいと思います。

現在、欧州連合が直面している課題は、ローマ条約の調印以来、かつてないほど危険なものです。今日、私たちはこれまでには起きたことのない、少なくともこれほどの規模では起きたことのない三つの脅威に直面しています。

第一の脅威は外部からのもので、世界および欧州を取り巻く新たな地政学的状況に関係しています。ますます、いわば自己主張を強める中国、とりわけ海洋での動き、ウクライナとその周辺国に対するロシアの攻撃的な政策、中東とアフリカにおける戦争、テロ、無秩序、そして過激なイスラム主義が大きな役割を果たす状況に加え、新たな米政権による懸念すべき発言の数々が、私たちの未来を極めて予測困難なものにしています。歴史上初めて、ますます多極化する対外世界で、これほど多くの国々が公然と反欧州、あるいはせいぜい欧州懐疑的になっています。とりわけワシントンの変化は、欧州連合を困難な状況に置いています。新政権は、米国の過去70年間の外交政策を疑問視しているように見えます。

第二の脅威は内部からのもので、EU内で反EU、国家主義的、そしてますます排外主義的な感情が高まっていることに結びついています。国家的な利己主義も、統合に代わる魅力的な選択肢となりつつあります。さらに、イデオロギーや制度を人々の利益や感情より重視する人々の過ちが、遠心的な動きを助長しています。

第三の脅威は、親欧州派エリートの意識のあり方です。政治的統合への信頼の低下、ポピュリストの主張への屈服、自由民主主義の根本的価値への疑念が、いずれもますます顕著になっています。

緊張と対立に満ちた世界で必要なのは、欧州の人々の勇気、決意、そして政治的連帯です。それらなしに私たちは生き残れません。自分自身を、そして統合のより深い目的を信じられないのなら、ほかの誰が信じてくれるでしょうか。ローマでは、この信念の表明を新たにすべきです。数億人の住民を抱える大陸規模の国家が並ぶ今日の世界では、欧州各国が単独で持つ影響力は小さいものです。しかしEUには人口と経済の潜在力があり、最大の大国と対等なパートナーとなることができます。だからこそ、ローマから発信すべき最も重要なメッセージは、27か国が団結する用意があるということです。団結しなければならないだけでなく、団結したいのだというメッセージです。

欧州の誇りを示しましょう。聞こえないふりをし、EUと私たちの未来に敵対する言葉や決定に気づかないふりをすれば、人々は欧州をより大きな故郷として捉えなくなるでしょう。同じように危険なことに、世界のパートナーも私たちを尊重しなくなります。客観的に見て、欧州とその指導者が外部勢力やその支配者に迎合する理由はありません。政治において尊厳を持ち出しすぎてはならないことは承知しています。しばしば対立や否定的な感情につながるからです。しかし今日、私たちは明確に、団結した欧州の尊厳を守らなければなりません。ロシア、中国、米国、トルコのいずれと話す場合であってもです。ですから、私たちの大陸を地球上で最良の場所にした自らの成果を誇る勇気を持ちましょう。欧州統合の恩恵を受けるのはエリートだけであり、一般の人々はその結果として苦しんだだけで、各国は共に歩むより単独で対処する方がうまくいく、と主張する扇動政治家の言説に立ち向かう勇気を持ちましょう。

未来を見据えなければなりません。これは、過去数か月の協議で皆さまから最も多く寄せられた要望でした。そして、それに疑いの余地はありません。しかし、60年前に欧州を統合することを決めた最も重要な理由を、いかなる状況でも決して忘れてはなりません。分裂した欧州の過去の悲劇の記憶はもはや説得力を持たず、新しい世代は私たちを鼓舞した源を覚えていない、という主張をよく耳にします。しかし、記憶の喪失によってそうした原動力が無効になるわけではありませんし、分裂した欧州の悲劇的な教訓を絶えず思い起こす責務が免除されるわけでもありません。ローマでは、基本的でありながら忘れられつつある次の二つの真実を、改めて強く確認すべきです。第一に、私たちは歴史的な大惨事の再来を避けるために統合したこと。第二に、欧州が統一されていた時代は、何世紀にもわたる欧州の歴史の中で最良の時代だったことです。欧州連合の解体が加盟国の神話的な完全主権を取り戻すことにはつながらず、米国、ロシア、中国という大国への現実的かつ実質的な依存につながることを、明確にしなければなりません。完全に独立できるのは、共にあるときだけです。

したがって、集団の意識を変え、欧州統合を次の段階へ引き上げる意欲をよみがえらせるような、断固とした目覚ましい措置を講じなければなりません。そのためには、欧州市民の対外・国内の安全と社会経済的な繁栄への実感を取り戻す必要があります。そのために必要なのは、EUの対外国境を確実に強化すること、国境のない地域内でテロ対策と治安・平和の維持を担う機関の連携を改善すること、防衛費を増額すること、EU全体の外交政策を強化するとともに各加盟国の外交政策の調整を改善すること、そして何より、投資、社会的包摂、成長、雇用を促進し、技術変化の恩恵を生かし、ユーロ圏と欧州全体の双方で収斂を進めることです。

米国の通商戦略の変化をEUの利益に生かすため、関心を持つパートナーとの協議を強化すると同時に、私たちの利益を守るべきです。欧州連合は、他国に開かれた貿易大国としての役割を放棄すべきではありません。自国の市民と企業を守り、自由貿易は公正な貿易を意味することを忘れてはなりません。また、法の支配に基づく国際秩序を断固として守るべきです。大西洋を挟む結びつきを弱め、あるいは無効にしようとする人々に屈することはできません。その結びつきなしには、世界の秩序と平和は維持できません。米国の友人たちには、彼ら自身の標語を思い起こしてもらうべきです。団結すれば立ち、分裂すれば倒れる。

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