デンマーク政府は、コペンハーゲンの南10kmに9つの新たな島を造成する、大規模な埋め立て事業に乗り出そうとしている。
もちろん、デンマーク人にとって島は珍しいものではない。国土には391の島がある。しかし、デンマークは面積わずか43,000km2の欧州有数の小国だ。そのため、開発用地を新たに確保するには、地理的に限られた地域の中で持続可能な成長を可能にするホルメネ計画のような、創造的な解決策が求められる。

「holmene」は英語で小島を意味する。大コペンハーゲン沿岸の沖合に9つの島を埋め立てて造成し、海抜5.5mまで土を盛る計画だ。
この計画では、新たに310万平方メートルの土地を造成し、そのうち700,000m2を自然保護区域として確保するほか、17kmの新たな海岸線を設ける。デンマークにはすでに約7,300kmの海岸線がある。人口1人当たりでは、海岸線がほぼ1.5mに相当する。

島の一つには、北欧最大の廃棄物発電施設が建設される。大コペンハーゲン地域の住民約150万人から出る生ごみや廃水を、きれいな水とバイオガスに変える。
風力発電機をはじめとするほかのグリーン技術も導入される。化石燃料を使わないエネルギーを322,000 MWh生産し、CO2排出量を年間少なくとも70,000トン削減することに貢献する。これはコペンハーゲン市の人口の25%分の電力消費量に相当し、グリーンエネルギーと環境問題への取り組みを維持するものだ。さらに、18kmの自転車道も整備される。
未来を築く、一歩ずつ
新たな土地を造成する主な目的は、商業開発と成長のための場所を確保することだ。最大380社が進出でき、デンマークのGDPに80億ドルを超える経済活動をもたらす見込みだ。
デンマーク雇用者協会の代表ブライアン・ミケルセン氏は、島々が「欧州のシリコンバレー」の誕生を促す可能性があるとTV2ニュースに語ったと、ドイチェ・ヴェレは報じている。
島々はビジネス拠点となるだけでなく、この地域のレクリエーションや自然の活用にも重要な役割を果たす。各島は緑地帯に囲まれる。計画を手がける建築事務所Urban Powerによると、これにより「陸と水の間に魅力的な移行部」が生まれるという。
この野心的な計画は、デンマークが既存の土地をもとに新たな土地を造成する初めての例ではない。デンマークと隣国スウェーデンを結ぶ象徴的なエーレスンド橋の建設時には、工事で掘り出された土砂を使ってペッパーホルム島が造られた。橋の長さは約8kmだが、さらに4kmは地下を通る。最後の区間はペッパーホルムから始まるトンネルだ。

ホルメネ計画は政府の支持を得ているが、デンマーク議会(フォルケティング)の正式な承認がなお必要だ。そのため、建設はまだ始まっていないが、2022年に着工し、2040年の完成を目指す予定だ。
一つの大きな土地ではなく、9つの小さな島々を造るという構想は、Urban Powerが考案した。
建築事務所のパートナーの一人であるアルネ・セルマク・ニールセン氏によると、この戦略にはいくつかの利点がある。
「新たな景気後退が起きても、未完成の印象を与えることなく、段階的に開発できます。さらに、島ごとにテーマを設けて開発できるため、グリーンテック、バイオテック、ライフサイエンス、そして将来現れる未知の分野における革新的な産業や研究にとって、最適な環境を整えられます。」
完成して最大限に稼働した際、事業開発者はホルメネ計画によって12,000人分の雇用が創出されるとともに、新しく多様な微小環境も生まれることを期待している。
「水辺にあることの価値を過小評価すべきではありません。島の海岸や、島々の間に現れるデルタには、独自の可能性があります」とニールセン氏は述べた。


