多くの国では年に2回、時計を変えている。
しかし米国睡眠医学会の科学者らは、この慣行の廃止を求めており、概日リズムが乱れると指摘している。
睡眠の乱れは、ストレスから脳卒中に至るまで、多くの健康問題と関連している。
居住地によって、毎日浴びる日光の量は変化する。その変化を補うために時計を前後に動かすことは多くの国で一般的だが、それが人々の睡眠パターンを損なっている可能性はないだろうか。
米国睡眠医学会(AASM)の科学者らは、この時刻調整は人体の自然な概日リズムに反すると警告しており、この慣行の廃止を望んでいる。
人体の睡眠と覚醒のサイクルは、光、特に日光を浴びることで引き起こされる。しかし夏時間の影響の一つとして、一日の前半が通常より暗くなる一方、一日の終わりは長く明るいままになる。
睡眠の乱れは健康に悪影響を及ぼしかねないと、AASMは警告している。「春の夏時間への毎年の切り替えによる、短期的な悪影響を示す十分な証拠がある」と、同学会会長のカンナン・ラマー博士は述べている。AASMは法改正を求めて「連邦レベルで提唱している」。
時計の切り替え
年に2回、時計が約70か国で1時間進められたり戻されたりしている。春に進め、秋に戻すのが一般的だ。世界の主要な先進工業国の多くは夏時間を採用しているが、中国、インド、日本、および米国アリゾナ州はその例外である。
夏時間は必ずしも万人に支持されているわけではない。2018年に欧州委員会が実施した調査では、欧州連合市民の84%が時計の切り替えの廃止に賛成している。国によっては、その割合がさらに高かった。
害の方が多いのか?
米国睡眠財団の推計によると、米国人の3分の1は十分な睡眠をとれていない。短期的な睡眠の問題は大したことがないように思えるかもしれないが、有害となる可能性がある。ストレスの増加、気分障害、記憶力の低下は、いずれも中程度の睡眠不足と関連している。問題が続けば、さらに深刻な影響をもたらし、高血圧や心血管疾患につながりかねない。米国医師会が発表した報告書では、睡眠の乱れと高齢男性におけるパーキンソン病の発症率との間に、関連がある可能性が示された。
夏時間の支持者は、夏時間は命とエネルギーを節約すると主張しているし、犯罪の防止にも役立つと述べている。例えば米国のワシントン州とフロリダ州の政治家は、夏時間を一年中適用することを法制化する動きを見せている。
一方、AASMは国として通年の標準時に移行すべきだと考えており、次のように述べている。「恒久的かつ通年の標準時は、人体の概日睡眠覚醒サイクルに最も近い、最善の選択肢である。夏時間では朝がより暗く、夕方がより明るくなり、人体の自然なリズムが乱れる。」


