中国浙江省と杭州から学ぶ、各国がCOVID-19のような感染症の流行を防ぎ、そこから立ち直るための6つの教訓

Staff members move medical supplies to be sent to Italy for the prevention of the novel coronavirus, following the coronavirus outbreak, at a logistics center of the international airport in Hangzhou, Zhejiang province, China March 10, 2020. Picture taken March 10, 2020. China Daily via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. CHINA OUT. - RC27IF9T61PM
National and local governments around the world can learn from China's response to the COVID-19 outbreak.Image: REUTERS
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  • 浙江省の省都である杭州は、市内で感染者が一人も確認される前に、COVID-19に素早く対応しました。

  • 同市は、ビッグデータや、QRコードなどの情報技術を活用して、新型コロナウイルスの感染経路を追跡し、拡散を食い止めました。

  • 慎重な計画と明確なコミュニケーションにより、武漢と比べてCOVID-19の影響は小さく抑えられました。

COVID-19が世界中で拡大を続ける中、現在ウイルスの抑制に苦慮している他の国々にとって、中国で実施された対策は参考になる可能性があります。

浙江省の省都である杭州は、COVID-19の震源地である武漢から1,000マイル以上離れていますが、流行の初期段階から複数の管理・予防策を実施しました。

私たちが学んだことは以下のとおりです。

1. 特定と検出の鍵は、スピードと正確さです。

未知のウイルスが特定されてから1週間以内に、中国はそのゲノム解析に成功し、遺伝情報を世界保健機関(WHO)に報告しました。

これと比較すると、2003年にSARSが特定され、ゲノム解析が行われるまでには数か月を要し、1980年代のHIVの場合は数年かかりました。

ウイルスの遺伝子配列の特定は、ワクチンや治療法の開発に不可欠です。COVID-19の迅速な特定により、世界中の科学者は検査キット、治療法の選択肢、ワクチンの開発を直ちに開始することができました。

大規模な感染症の流行を制御する上で重要な手段の一つは、感染者と非感染者を選別するための、特異性、信頼性、正確性、迅速性に優れた検出法を持つことです。武漢での流行初期には検査キットが利用できず、選別は労働集約的かつ高コストな方法である核酸のシーケンス解析に頼っていました。中国国家医療製品監督管理局は、検出キットを開発するバイオテクノロジー企業の作業を加速させるため、直ちに行動を起こしました。最初のキットは1月13日に導入され、その2週間後には十分な供給が可能になりました。

カーブの平坦化は、コロナウイルス感染率の低下が、病院や医療制度全体への影響をどのように軽減しうるかを示しています。Image: Esther Kim, Carl T. Bergstrom

2. 適切な時期に、適切な場所で、適切な人々に向けて、正しい決定を下すこと。

中国での経験は、パンデミックの際に科学者や公衆衛生の専門家の意見に耳を傾けることの重要性を改めて示しました。また、過剰に反応することは、反応しないことよりも望ましいのです。

政府当局者と保健の専門家の協力に基づく、中国の前例のない体系的かつ先を見越したリスク管理は、COVID-19の封じ込めと制御において効果が実証されています。疾病関連の臨床データを適時に国民とWHOに公開したことは、世界中の多くの人々が感染拡大に備える助けとなりました。例えば、中国の4万件以上の症例を分析したところ、COVID-19感染者の80%は医療介入を必要としない一方、20%は医療的な治療とケアが必要であることがわかりました。

浙江省は、感染者が一人も確認されていなかった流行初期において、リスク管理対応を最高レベルに引き上げた最初の地域でした。

以下は、杭州市がCOVID-19の拡散を抑制するために取り組んだ教訓です。

  • 都市封鎖の程度と範囲について、明確な指針を示すこと。

  • 個人、アパート、住宅、コミュニティ、組織、公共施設、都市管理に至るまで、実施状況を追跡すること。

  • 食料や物資などの必需品が、政府が管理する組織的な仕組みを通じて供給され続けるようにすること。

  • 陽性者を隔離し、経過を観察し、治療するための感染症のケア・管理施設を指定すること。

  • 確認された症例に24時間体制で対応するため、電子的な記録・追跡システムと地域の対応チームを設置すること。

  • 市民に情報を提供し続けるため、集中的な報告・連絡経路を確立すること。

3. 再流行を防ぐには、ビッグデータと情報技術が重要です。

アリババ(Alibaba)の本社所在地である杭州は、COVID-19の予防と制御にビッグデータと情報技術を活用した最初の都市の一つでした。同市はこの取り組みを「一つの地図、一つのQRコード、一つの指数」と名付けました。

一部の企業や組織が従業員の業務再開を許可されてから、2週間が経過しました。以下は、これらの企業や組織が実施した方針です。

  • 事業は優先順位に基づき、複数の段階に分けて再開されました。例えば、医療関連施設が最初に営業を許可されました。

  • 制限は、実績に基づいて緩和されました。

  • 市内のすべての住民および市内に入るすべての人を対象に、健康QRコードが導入されました。グリーンコードは自由な移動を認めます。イエローコードは7日間の自主隔離を必要とします。レッドコードは14日間の自主隔離を必要とします。イエローおよびレッドコードは、隔離期間後にグリーンに変更することができます。この健康監視システムは浙江省のほとんどの都市で適用されており、他の省にも導入される予定です。

  • 各個人は、健康状態のレベルを維持するため、毎日自身の体温を測定・記録し、プロフィールを更新しなければなりません。

  • 健康データベースは、杭州市疾病予防管理センターによって厳重に監視されています。

COVID-19の追跡に用いられる杭州市の健康QRコードImage: TechNode

これらの新技術は、少なくとも杭州では、これまでのところ非常に効果的であることが証明されています。COVID-19を市内に持ち込む可能性のある旅行者を効果的に発見することは困難ですが、幸いにも、現時点で杭州ではCOVID-19の第2波の兆候は見られていません。

4. 医療資源と対応体制を評価すること。私たちはパンデミックへの備えができているでしょうか。どれほどの備蓄が必要でしょうか。医療従事者は十分にいるでしょうか、そして彼らをどのように守ればよいのでしょうか。

中国の人々は、COVID-19との闘いにおいて勇敢に団結しています。武漢での死亡率が高かったのは、一部には、緊急に必要とされた時点で医療資源が不足していたことが原因とされています。武漢では災害管理・対応の仕組みが不十分であったため、感染の封じ込めが不十分となり、病院内では患者や医療従事者の間で交差感染が広がり、数週間にわたる混乱が生じました。

これとは対照的に、浙江省の政府当局者は、直ちに動員し、資源を配分し、刻々と変化する流行を先回りして管理・監視する準備が十分に整っており、目覚ましい成果を上げました。杭州では、204名の公衆衛生医師が症例の調査、濃厚接触者の特定、そして監視下に置かれ続けていることの確認を行っています。また杭州では、医師団がCOVID-19患者に対して世界初の両肺移植手術を完了しました。

武漢での流行初期には、防護用医療物資の不足とCOVID-19に関する知識の欠如が、多くの医療従事者がウイルスに感染した主な要因でした。しかしながら、過去6〜8週間にわたり、4万2千人以上の医師と看護師で構成される31の医療チームが、流行に対処するため武漢に派遣されました。(浙江省からは1,985名の医療従事者が派遣され、本日現在、感染者は一人もいません。)武漢では、1,000床以上を有する新しい病院が2か所、10日足らずで建設されました。

しかし同時に、がん、高血圧、糖尿病などの主要な非感染性の疫学的疾患に苦しむ他の種類の患者についても考慮する必要があります。

5. 地域社会、学校、企業、政府機関、家庭において予防策を実施することは、この流行の推移に影響を与えることができます。

COVID-19との闘いにおいては、誰もが平等です。誰もが同じ責任を負い、同じリスクを共有しています。COVID-19は感染力が非常に強く、無症状での感染拡大も起こり得るため、社会全体を動員し、すべての人がその過程に関与することがなおさら重要です。人口1,000万人の都市である杭州における予防・制御策の成功した実施は、世界の他の地域が手本とすべき例です。繰り返しになりますが、成功の鍵は、全員に責任を持たせ、すべての単位を関与させ、当局者に説明責任を果たさせることです。また、私たちは生活様式を見直し、新たな課題に柔軟に対応する必要があります。

慎重な計画と明確な指針が役立ちます。杭州では、従業員が複数の段階に分けて職場に復帰することが認められました。多くの企業、組織、学校、大学が、Zoomミーティングなどの技術を活用したコンピューターベースのオンライン学習を成功裏に実施しており、これは今後の発展のモデルとなり得ます。

感染症の流行時には、大規模な集まりや複数人による人と人との接触を避けることが望ましいとされています。中国は、ほぼすべての事業を停止したことで数十億ドルを失った可能性がありますが、最終的には、これは賢明な決定であり、正しい行動であったと判断されるでしょう。

6. 国民に十分な情報を提供し続けること。

中国は、国民に対して継続的かつ明確なコミュニケーションを提供してきました。例えば杭州では、主要な報道機関が、COVID-19の感染者数や臨床治療の結果、実施される計画、従うべきガイドラインや手順について、毎日情報を更新しています。

浙江大学公衆衛生学院は、流行の開始当初から全面的に関与してきました。私たちは、COVID-19に関する情報と感染拡大防止の方法を盛り込んだ、学生や一般市民向けの分かりやすい教育資料を作成しました。私たちはテレビのニュース番組で発言し、オンラインで論文を執筆しています。事実に基づく科学的情報を人々に提供し、この病気との闘いで先頭に立つことは、すべての公衆衛生の専門家の責任であると私たちは考えています。

今後の道筋

中国は、経済の再始動、学校の再開、そして日常の回復を進めています。WHO・中国合同ミッションの報告書が結論づけたように、科学に基づき、リスクを考慮した段階的なアプローチが取られており、封じ込め戦略の要素が解除される一方で、新たなCOVID-19の症例やクラスターに直ちに対応する必要性が明確に認識され、そのための準備も整えられています。

これらは、国家および地方レベルで世界の共同体が中国から学ぶことができる教訓です。この世界的な健康リスクは、感染症の流行を予防し制御するための準備の重要性を私たちに教えています。また、中国と世界において疾病の制御と予防をどのように近代化するかを考える助けにもなり得ます。

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