エチオピアの新空港はヒースロー空港に匹敵するか?

エチオピアの新空港はヒースロー空港に匹敵するか?
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本記事は Mail & Guardian との協力により掲載されています。

エチオピアのインフラ投資ブームは衰える兆しを見せていない。アディスアベバ近郊では40億ドル規模の第2国際空港の建設が計画されており、約10年後の開港時には年間最大1億2000万人の旅客を扱う見込みだ。

しかし、リスク分析会社PGI Intelligenceの新たな報告書は、この大規模空港プロジェクトが資金調達の難航により遅延するリスクがあると警告している。また、巨額の費用により、今後数年間に外貨不足が悪化する恐れもあるとしている。

計画どおりに完成すれば、同空港はアフリカ最大の空港となり、その差は大きい。ロンドンのヒースロー空港をも上回る規模となる。ヒースロー空港は昨年7340万人の旅客を扱い、収容能力は9000万人である。

アフリカで最も利用者の多い空港は、南アフリカ・ヨハネスブルク近郊のO.R.タンボ国際空港である。昨年は約1800万人の旅客が同空港のターミナルを通過しており、進行中の拡張工事により収容能力は2800万人に引き上げられる見込みだ。

エチオピアで計画されているこの巨大空港は、同国で最も野心的なプロジェクトの一つとなる見込みである。規模で上回るのは48億ドルのグランド・エチオピア・ルネサンス・ダムのみであり、大規模インフラ投資を通じた国家主導の開発に対する政府の継続的な姿勢を示すものでもある。

すでにエチオピア航空は、健全な利益を計上している主要なアフリカの航空会社の中で唯一の存在であり、2014/15年度には約1億7500万ドルの利益を上げた。一方、他の大手3社である南アフリカ航空、ケニア航空、ロイヤル・エア・マロックは財務上の逆風に直面しており、資金流出が深刻であるか、成長がほぼ見られない状況にある。これは以前、Mail & Guardian Africaも報じたとおりだ。

関連記事:アフリカの航空会社と民主主義の物語:ケニアと南アフリカの航空会社は苦境に、エチオピアは好調に飛躍

このプロジェクトはエチオピアの経済的野心の規模を反映するものであり、同国の観光業および軽工業の発展において重要な要素となる。また、エチオピア航空が市場シェアを強化し、東アフリカの航空ハブとしてナイロビを全面的に追い抜くための有利な立場を与えるものである。

ボレ空港とは別事業
今回の新空港計画は、アディスアベバにある既存のボレ国際空港の3億5000万ドル規模の拡張事業とは別物であり、政府が計画中の航空セクターの成長をいかに重視しているかを示している。既存空港の拡張により、年間の旅客収容能力は600万人から2018年までに2200万人へ引き上げられる予定だ。

両事業を合わせ、アディスアベバをアフリカ有数の航空ハブへと転換することが目指されている。新空港は4本の滑走路、複数の旅客ターミナル、そして首都郊外の空港都市から構成される。

しかし、エチオピアがそれほどの旅客数を確保し、この投資を採算の取れるものにできるのかという疑問も生じている。

10年前、ボレ空港の年間旅客数は100万人未満だったが、昨年には700万人に増加した。旅客数は今後も年約10%の増加が続くと見込まれており、同空港が収容能力の上限に達するまでには20年以上かかる可能性がある。

しかし、エチオピアの国家主導型資本主義モデルは、すべての要素を整然と揃えようとしている。エチオピア航空がアフリカの航空分野におけるリーダーとしての地位を強化するだけでなく、観光業と軽工業の成長も通じて旅客数を伸ばすことを目指しており、それは同国の第2次成長変革計画(GTP-II)の一環である。

GTP-IIは2015〜2020年を対象とし、今後数週間以内に正式に開始される予定である。新空港がその象徴的事業となる。また、この計画には18億ドル規模のギルゲル・ギベ3ダム、地熱・太陽光・風力の多数の事業、そして大規模な住宅建設計画も含まれると見込まれている。

観光業は現在、同国経済に29億ドルをもたらしており、近年は複数の国際ホテルチェーンがエチオピアで事業を開始している。8月には文化観光省が、年間の外国人訪問者数を3倍の250万人に、2020年までに増やす計画を発表した。

貨物輸送能力の向上も同様に軽工業を支えるものとなる。政府はすでにいくつかの世界的ブランドを誘致しており、ユニリーバ、 ゼネラル・エレクトリック、 グラクソ・スミスクラインのいずれも、国際市場向けの供給を目的とした投資を計画している。

工業団地
エチオピアは、輸出を拡大しアフリカ最大の製造国となることを目的として、今後10年間で年間10億ドルの工業団地投資を目指している。政府は、繊維、皮革、農産物加工など労働集約型の工場を収容するため全国に整備される団地に必要な100億ドルのうち、半分を投資する可能性がある。これはハイレマリアム・デサレン首相の特別顧問が5月に述べたものだ。

関連記事:アフリカ最大の製造国を目指すエチオピア、100億ドル規模の工場団地で輸出拠点を整備へ

しかし、アナリストは、エチオピアの大規模インフラ投資ブームが同国の公共財政に大きな圧力をかけると警告している。公共財政はすでに、今年期限を迎える最初の成長・インフラ計画(GTP I 2010〜2015)によって逼迫している。

IMFは9月、エチオピアの公的債務対GDP比率がすでに50%に達していると報告し、GTP-IIによってこの比率はさらに上昇するだろうとした。

これら債務の持続可能性に対する懸念は、新空港の資金調達に困難をもたらす可能性がある。PGI Intelligenceの報告書によると、空港サービスへの即時の需要がなければ、エチオピア当局は譲許的金利での外国の貸し手からの資金調達に苦労する可能性がある。

GTP Iと同様に、新空港とGTP-IIはいずれも、事業の資金を国内資金に大きく依存する可能性が高い。過去5年間、大規模インフラ事業による資金の吸収により、エチオピアでは深刻な流動性不足が生じ、輸入の遅延や民間セクターの資金調達の困難を招いている。

こうした制約は、銀行規制によってさらに深刻化している。規制では、民間企業向けの各融資の27%を追加で国債に振り向けることが銀行に義務付けられており、この国債は政府の成長計画の資金となる。PGI Intelligenceによると、この要件は「銀行による民間セクターへの融資を頻繁に妨げている」という。

政府が銀行部門への規制を緩和する兆しはほとんど見られないため、政府が今後5年間にわたり成長計画を推進する中、資金アクセスと流動性は成功にとっての主要な障壁であり続けると、アナリストは警告している。

おこぼれ
それでも、地域の銀行は怯むことなくアディスアベバの街路で機会を窺っており、依然として厳しく規制されているエチオピアの銀行部門のわずかなおこぼれにでも、進出の足がかりを得ようとしている。

外国の貸し手はエチオピアで銀行を所有することが認められておらず、金融部門は国営のエチオピア商業銀行に支配されている。

先月、南アフリカのスタンダード銀行が エチオピアに事務所を開設し た。同行は声明で、「アフリカで最も急速に成長している経済国の一つで足場を固めるため」と述べた。また今週、ケニア商業銀行(KCB)がエチオピアに駐在員事務所を開設する認可を取得したと発表した。

アディスアベバに駐在員事務所を置くその他の金融機関として は次の機関が挙げられる 。欧州投資銀行、ドイツのコメルツバンク、汎アフリカ系銀行のエコバンク、インド輸出入銀行、エジプト国立銀行、バンク・オブ・アフリカである。

本記事の掲載は、世界経済フォーラムによる見解への支持を意味するものではない。

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執筆者:クリスティン・ムンガイ(Christine Mungai)は、Mail & Guardian Africaに所属するライター兼ジャーナリストです。

画像:ダーロ航空(Daallo Airlines)の地上スタッフが、同社機内の通路を歩いている。REUTERS/Feisal Omar.

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