中国はどのように2060年までの実質的なカーボンニュートラル実現への道筋を描いたのか

Workers move a sign at the Olympic Village for the 2022 Winter Olympics in the Chongli district of Zhangjiakou, Hebei province, China, October 29, 2020.
Image: REUTERS/Thomas Peter
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今年9月の国連総会において、習近平国家主席は、中国が2030年までに排出のピークを迎え、2060年までにカーボンニュートラルを達成するという公約を発表しました。この目標は、今後数年間における大きな変革の方向性を定めるものとなりました。

再生可能エネルギーの開発は目覚ましい進展を遂げています。中国はすでに世界最大の再生可能エネルギー設備容量を有しており、水力発電は3億6,000万kW超、風力発電は2億kW超、太陽光発電は2億kW超の設備容量が導入されています。2019年末時点で、中国の再生可能エネルギーの総設備容量は、欧州連合の約1.5倍、米国の2.8倍に達しています。

それでも、中国がカーボンニュートラルの目標を達成し、大気質などの環境問題に対処するためには、供給側と需要側の双方においてさらなる取り組みが必要です。

11月10日に北京で400名を超える政府および企業のリーダーが集まり、低炭素経済への移行の機会について議論しました。中国国家電網公司が世界経済フォーラムと連携して主催した本国際エネルギー転換フォーラムのライブ配信は、500万人以上の視聴者が視聴しました。

参加者が中国の大胆な気候変動対策の公約をどのように達成できるかを議論する中で、3つの主要テーマが浮かび上がりました。

1. 科学技術の役割

超高電圧(UHV)送電、ビッグデータ、クラウド、人工知能などの技術は、持続可能で近代的なエネルギーシステムの基盤となるでしょう。青海・河南直流送電線は、その一例です。全長1,587kmの超高電圧直流(DC)送電線であり、再生可能エネルギーを長距離にわたって送電するものです。完成時には、再生可能資源が豊富な北西部内陸の遠隔地で発電された太陽光および風力による800万kWの電力を、東部の需要地および人口集中地域へ送電する予定です。

さらに、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)などの技術の組み合わせに基づく「エネルギーのインターネット」は、習主席のエネルギー革命の主要な推進力となる見込みです。エネルギーのインターネットは、通信、情報、エネルギーの各ネットワークを接続することで、需給のバランスを向上させます。このインフラにより、変動性の再生可能エネルギーを大量に統合できるとともに、需要の最適化を促進し、より高い柔軟性と電動モビリティへの移行を実現できるようになります。

2. エネルギー利用とスマートシティにおけるイノベーション

再生可能資源の開発に加え、エネルギー効率の向上と、エネルギーの最終利用におけるイノベーションが、低炭素な未来の鍵となります。2050年までに中国の都市に推定2億5,500万人が新たに加わる見込みであるため、クリーンで持続可能な都市は、解決策の重要な一部でなければなりません。

その一例が、2022年に北京と張家口で開催される、カーボンニュートラルな冬季オリンピックです。張北フレキシブル直流(DC)プロジェクトは、同大会のカーボンニュートラル目標の実現において重要な役割を果たします。張家口の豊富な太陽光および風力資源を活用し、この直流送電プロジェクトは、2022年の冬季オリンピックに100%クリーンな電力供給を提供することを目指しています。

石油およびディーゼル燃料をクリーンな電力に置き換える電気自動車の普及も、脱炭素化に向けたもう一つの重要な手段となるでしょう。中国はすでに世界最大の電気自動車充電システムを有しており、約100万基の充電スタンドで480万台の電気自動車にサービスを提供しています。充電規格および電気自動車導入の分野における継続的な開発とイノベーションは、中国国内および国外における排出量と大気質に大きな影響を与えるでしょう。

3. パートナーシップと国際協力

地球規模の気候変動課題に取り組むためには、組織や国家の枠を超えたパートナーシップと協力も不可欠です。その例として、日立ABBによる国家電網との協業があげられます。これは、大規模な再生可能エネルギーを中国の電力システムに統合するためのものです。また、中国エネルギー投資公司とEDFによる、500MW級の東台沖合風力発電プロジェクトにおけるパートナーシップも挙げられます。

「グローバル・エナジー・インターコネクション」(大規模な再生可能エネルギー源によって動力を得る、世界的に相互接続された送電網を通じて世界のエネルギー需要を満たすという構想)や、「一帯一路」構想の一環としてパキスタン、モロッコ、エジプトなどの国々で進められているクリーンエネルギー開発などの取り組みも、包摂的で持続可能な低炭素開発を推進するうえで、国際協力が重要であることを示しています。

2020年、世界経済フォーラムは、中国国家電網を含む30社の世界的エネルギー企業およびアクセンチュアと連携し、潜在的なエネルギーソリューションの経済的、環境的、社会的、技術的な成果をより包括的に評価するための新たなアプローチを策定しました。関連する分析によれば、大規模な風力および太陽光発電の継続的な拡大を通じて、今後5年間で中国において135万人分の新規雇用が創出される可能性があることが明らかになっています。

これらの成功事例は、大規模で複雑なクリーンエネルギー開発を実現するうえで、共同イノベーション、専門知識の共有、共同出資が重要であることを示しています。

地球と人類の未来を形作る

国際再生可能エネルギー機関のフランチェスコ・ラ・カメラ事務局長は、対話の中で、エネルギーシステムの転換は地球のためだけでなく、世界中の数十億人の未来を推進するためでもあると述べました。来年にCOP26が開催され、より緊急かつ野心的な気候変動対策を求める声が高まる中、行動を起こすべき時は今です。私たちは共に、低炭素な未来を実現すると同時に、世界中の数十億人にとって公平と機会に基づく共有の未来をもたらすエネルギーシステムを形作る機会を有しています。

本記事は当初、チャイナ・デイリーに掲載されました。

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