開発途上国におけるジェンダー格差の解消

開発途上国におけるジェンダー格差の解消
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今年、開発途上国で女子が通学する際に直面する厳しい状況を浮き彫りにする事件が相次いだ。ナイジェリア北東部では、寄宿学校に通う10代の女子生徒約300人がボコ・ハラムに拉致された。学校への頻繁な襲撃により、多くの親が女子を学校から退学させざるを得なくなっている。

開発実務者や援助資金提供者は、 女性や女子の機会、技能、資源を拡充すること が、性別を問わずすべての人々にとって、幅広い開発指標の測定可能な改善につながると、かつてないほど確信している。10代の女子を支援することは、より広範な開発成果を実現するために利用できる最も効果的な戦略の一つだ、というのが一般的な見方である。

世界銀行の報告書『 Voice and Agency: Empowering women and girls for shared prosperity 』は、2週間前に発表され、女子教育と児童婚との密接な関係を強調した。特に、児童婚の割合が最も高い20か国のうち18か国では、教育を受けていない女子が児童婚をする可能性は、高校教育を受けた女子の6倍に上ると指摘している。しかし、バングラデシュの事例は、女性の児童婚を減らすうえで女子教育の改善だけでは十分でないことを示している。過去20年間に中等教育への就学率が大幅に上昇し、出生率が急激に低下したにもかかわらず、女子の3人に2人が18歳になる前に結婚する。

この矛盾の一因として考えられるのは、家父長制社会における女子の生活が、教育、結婚、出産、就労などに関する複数の規範によって規定され、制約されていることだ。つまり、生活のある側面で「成功」といえる変化(たとえば、就学機会の拡大)があっても、たとえば結婚に関する規範が自動的に変わるわけではない。

この影響の一例が、世界銀行による バングラデシュの女子中等教育奨学金制度である。1990年代に導入されたこの制度は、女子がより長く就学し続けるための動機づけを目的としていた。制度の導入により、保守的な地域社会では以前広く眉をひそめられていた慣習、すなわち農村部の女子が中等学校に通うことが、当たり前で受け入れられるものになった。

プログラム開始以来、バングラデシュでは女子の中等教育就学率が大幅に上昇し、 男子の就学率と同水準に達した。ここまでは順調だが、それでもバングラデシュは世界で 児童婚の割合が最も高い国々 の一つであり続けている。バングラデシュ農村部の親は、20年前に比べて、今日では10代の娘を学校に通わせる可能性がはるかに高い。しかし、良縁の申し込みがあれば、娘の就学が終わることもある。就学の規範は変わったが、早婚の規範と矛盾しない範囲にとどまっている。
最近完了した  バングラデシュの女性を対象とした調査 では、20~24歳の女性の60%以上が18歳までに結婚していたことが分かった。これは、過去15年間に報告された数値からほとんど変化していない。調査で、18歳までに結婚した女性のほぼ4人に3人は、親からの圧力が早婚の主な理由だったと答えた。

児童婚に関する現在の議論では、世界各地でこの慣行が続く要因となっている 社会文化的要因や地域固有の要因の重要性 が認識されている。しかし、バングラデシュの事例が示すように、教育や雇用の機会が急速に広がっていても、女性の役割に関する伝統的な考え方が、女性の人生の選択を形作り続けることがある。

開発途上国の10代の女子の生活の質を本当に向上させたいのであれば、多面的な取り組みが必要だ。就学機会の拡大、早婚や早期出産の抑制、女性の収入につながる技能の習得支援、公共の場や職場における安心・安全の向上、家庭内暴力の防止をそれぞれ目的とするプログラムが必要である。他の目標を顧みず、これらのうち一つだけに焦点を当てるプログラムや政策では、10代の女子の生活に包括的な変化をもたらすことはできない。

この記事は当初、 世界銀行ブログ

著者:ニアズ・アサドゥッラーは、マラヤ大学の開発経済学教授であり、貧困・開発研究センター(CPDS)の副所長である。

画像:2012年2月21日、ケニア・ソマリア国境から10 km(6マイル)のドブリーの町にある小学校の教室に立つ女子生徒。REUTERS/Thomas Mukoya。

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