中国の数百万人に上るスマートフォンユーザーは、同国のインターネット大手アリババとテンセントが競っていることで、モバイル端末への依存をさらに強めそうだ。両社は、不可欠な政府運営のIDサービスを自社プラットフォームで提供しようと競い合っている。
eMarketerのデータによると、人口約14億人の中国では、ほぼ60%がスマートフォンを所有している。一方、公安局は16歳になるとすべての国民に身分証を発行する。
身分証は、国民の日常生活に欠かせない役割を果たしている。記載されているのは、所持者の年齢、氏名、性別、住所、民族、生年月日、写真だ。身分証がなければ、運転免許証の取得、銀行口座の開設、高速鉄道の乗車券の購入、飛行機での移動は非常に難しい。
国営通信社の新華社によると、テンセント・ホールディングス傘下のメッセージング・ソーシャルメディアアプリ「WeChat(微信)」は12月、広東省広州市南沙区の登録ユーザーに仮想身分証を提供する試験運用を発表した。
これに対し、インターネット大手のアリババは、決済アプリ「Alipay(支付宝)」を通じた別のデジタルID制度を、衢州、福州、杭州の各市で始めると発表した。
デジタルIDの主要な提供事業者の座をめぐる同国の2大テック企業の争いは、またしても繰り広げられる対決に見える。世界有数の市場の一つで、消費者の心をつかもうと競うライバル同士の対決だ。


