中国が築く新たなシルクロード、その道はデジタル

China sees the digital economy as the engine of future growthImage: Unsplash
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この記事は、世界経済フォーラムの地政学プラットフォーム

シルクロードと聞くと、遠い過去の情景が思い浮かぶ。商人たちが絹や香辛料、その他さまざまな商品を求めて、広大なユーラシア大陸を行き来した時代だ。今日、中国は習近平の看板政策である一帯一路構想(一带一路倡议: BRI)の一環として、かつて忘れ去られたこれらの道を復活させようとしている。しかし、中国が進める港湾、パイプライン、鉄道、道路のインフラ事業網の拡大については多くの議論が交わされてきた一方で、より注目すべき見過ごされた要素が一つある。デジタルシルクロード(数字丝绸之路)だ。

本稿では、このあまり知られていない道の起源、一帯一路をめぐる主流の議論に徐々に取り入れられていった経緯、そして北京がデジタル接続の強化を推進する根底にある力を検討する。

今日のデジタルシルクロードの大枠となる政策は、中国の国家発展改革委員会、外交部、商務部が2015年に発表した共同白書にさかのぼる。白書には次のように記されている。

「[中国は]国境を越える光ケーブルやその他の通信幹線ネットワークの構築を共同で推進し、国際通信の接続性を高め、情報シルクロードを築くべきである。二国間の国境を越える光ケーブル網の整備を加速し、大陸間の海底光ケーブル事業を計画するとともに、情報交換と協力を拡大するため、空間(衛星)情報の通路を改善すべきである。」

さらに2016年、中国の国務院は「第13次五カ年計画」を発表し、一帯一路参加国間のインターネットおよび電気通信網の改善に関する章を設けた。特に同計画は、陸上・海底ケーブルのインフラ整備、中国とアラブ諸国を結ぶインターネットシルクロード、そして中国・ASEAN情報港の創設を重視している。

デジタルシルクロード

この構想はまもなく、中国の一帯一路をめぐる主流の議論に加わり、第1回一帯一路フォーラム、烏鎮で開催された第4回世界インターネット大会、さらに近年では中国・アラブ諸国協力フォーラム(CASCF)の第8回閣僚級会合など、重要な国際会議で推進されてきた。同会合で習近平は「宇宙・情報回廊」の創設を呼びかけ、一帯一路の対象を宇宙空間にまで広げた。

デジタル接続の強化を表すこうしたさまざまな呼称が、今日デジタルシルクロードとして知られるものになった。

しかし、この新たな「第三の道」の台頭は、単純な問いを投げかける。中国がデジタル分野での影響範囲を広げようとするのは、どのような力に突き動かされているのか。

成長率の鈍化、産業の過剰生産能力、高齢化社会に直面する中国は、安定した成長水準を維持するため、デジタル経済の未来に賭けている。

「中国製造2025」やインターネット・プラスなどの野心的な国家構想に資金を投じることで、中国は経済基盤の技術的高度化とデジタル化を目指すだけでなく、通信、電子商取引、情報技術分野の「国内企業」を海外の未開拓市場へのアクセス確保に向けて送り出そうとしている。この目的を達成するには、国家主導のインフラ開発事業とデジタル接続を結びつけるのが最も有効だ。

成熟する経済

さらに、中国のデジタル経済が成熟するにつれ、国内企業は競争の激化に直面するだけでなく、国内需要の減少にも直面している。そのため、これらの企業は、新市場に進出する手段として手っ取り早いというだけでなく、自らが最大の受益者になると考えていることから、デジタルシルクロード構想の推進に強い関心を持っている。ホン・シェンは指摘する。

「一帯一路事業の多くは北京の支援を受ける金融機関が直接資金を提供しており、そうした機関は受入国に中国企業への事業委託を明示的または暗黙的に求めることが多い。そのため、中国のインターネット企業は、デジタルシルクロードを、自社の過剰生産能力の解消に向けた国家の支援や政治的後押しを得る機会と見ている。例えば2015年、中国国家開発銀行と中国工商銀行は、インド最大の通信事業者バーティ・エアテルに対し、国内インフラ事業向けに25億ドルの融資枠を設定した。その後、バーティ・エアテルはネットワーク機器の一部をファーウェイとZTEに委託し、中国のこの2社の機器メーカーの海外市場拡大につながった。」

最後に、デジタルシルクロードには戦略的な側面もある。

現代のデジタル経済を支える生命線は海底光ファイバーケーブルであり、推計によると、これらのケーブルは国際的なインターネット、データ、電話通信の98%超を担っている。

世界をつなぐ海底ケーブルImage: テレジオグラフィー

しかし、こうしたケーブルの大半は地理的に集中しており、主に米国の勢力に支配されているため、北京ではデータ安全保障への懸念が高まっている。そのため、パキスタン・中国光ファイバーケーブル事業など、国境を越えるケーブルや海底ケーブルの建設を北京が推進するのは、マラッカ海峡のような通信量の多い要衝を迂回し、通信を外国の情報機関から守ることを目指しているためだ。

もう一つの例は、中国が独自の全球測位衛星システムである北斗衛星導航系統(BDS)を推進していることだ。北斗は、世界の主要4システムの一つであり、米国の全地球測位システム(GPS)、欧州連合のガリレオ、ロシアの全球測位衛星システム(GLONASS)と並ぶ。

国産技術

デジタルシルクロード構想の一環として、中国は国産の衛星測位システムのサービス範囲を、一帯一路沿いの60カ国超に広げることを目指している。中国は2020年までに、35基の衛星群によって全世界をカバーすることを目指している。これにより、中国は米国のGPSへの依存を終わらせ、測位・航法・時刻(PNT)関連問題をめぐる地域および国際フォーラムで外交的影響力を高め、人民解放軍のセンサー搭載プラットフォームやミサイルの誘導能力を向上させることができる。

総じて、デジタルシルクロードの台頭は中国と一帯一路参加国に機会と課題をもたらす一方、その発展が続けば、世界のデジタル秩序の将来をめぐる重要な問いが浮上することは間違いない。

絹糸から光ファイバーへ:中国のデジタルシルクロードの台頭、ケシャブ・ケルカー、オブザーバー・リサーチ財団

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