気候変動により、エチオピア最大の輸出品が危機に

A container of green coffee beans from Ethiopia is unloaded at the Nespresso production plant, part of food giant Nestle, in Romont, Switzerland, August 30, 2016. Picture taken August 30, 2016. REUTERS/Denis Balibouse
Coffee is Ethiopia's largest source of export revenue so climate change could have potentially devastating effects on the country's economy.Image: REUTERS/Denis Balibouse
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エチオピアほどコーヒーを重視する国はほとんどない。その理由は、貴重なアラビカ種の原産地であることを誇りにしているからだけではない。

しかし、気候変動に伴う気温上昇と干ばつの深刻化が、いま生産を脅かしている。専門家によれば、状況を改善するには、エチオピアのコーヒー畑の多くを高地へ移す必要があるかもしれない。

コーヒーは文化的価値に加え、エチオピア最大の輸出収入源であり、2016~2017年の生産年度には8億6,000万ドルを超える収入をもたらした。

エチオピアの非政府組織である環境・気候変動・コーヒー森林フォーラム(ECCCFF)によると、同国東部のコーヒー栽培地域では、過去30年間に平均気温が摂氏1.3度(華氏2.3度)上昇した。

その結果、干ばつが深刻化した。また、コーヒーは水分と気温の両方に敏感な作物であるため、コーヒーの実を侵す病害も悪化している。

コーヒーの将来は不透明だ。Image: 気候研究所

その結果、従来の栽培地域では毎年、数千ヘクタール分のコーヒー樹が失われており、エチオピアのコーヒー生産の先行きに懸念が高まっている。

政府は現在、農家に対し、標高3,200メートル(10,500フィート)、つまり通常より約1,000メートル高い場所でコーヒーを栽培するよう奨励している。

エチオピア・コーヒー・茶開発マーケティング庁(ECTDMA)でコーヒー、茶、香辛料の普及サービスを統括するビルハヌ・ツェガイ氏は、こうした取り組みはエチオピアが直面する気候変動の影響を一部緩和する可能性があると述べた。同庁はこの分野を監督する政府機関だ。

同氏は、「気温が上がるにつれて、これまでコーヒー栽培に適さなかった地域でさえ適地となり、気候変動に対処する機会が生まれている」と語った。

温暖化による影響は、国内のほかの地域でも確認されている。

オロミア州とSNNP州で大規模農園を2カ所運営するメタッド・アグリカルチュラル・デベロップメントの最高経営責任者、アマン・アディニュー氏は、同国南部の気象パターンの変化が輸出に影響したと述べた。

同氏のハンベラ農園とゲデブ農園では、通常11月と12月に行われる年間収穫が、豆が熟していなかったため1カ月遅れたという。

同氏は、「雨不足のため2018年初めになってもコーヒー豆が青いままだった。そのため加工と輸出が遅れ、結果として北米、アジア、欧州の顧客との契約違反となった」と語った。

小規模農園が支える大きな産業

ECTDMAによると、エチオピアのコーヒー生産者の約90%は小規模農家であり、この産業は同国の人口1億人の最大20%を直接的または間接的に雇用している。

貿易省の統計によると、2016~2017年の生産年度の輸出量は22万トンをわずかに上回った。

ツェガイ氏はトムソン・ロイター財団に対し、コーヒー輸出量は過去5年間に変動しており、減少傾向を見極めるのは難しいと語った。

同氏によると、国内では新たな栽培地域に毎年数万ヘクタールのコーヒー畑が加わっており、従来の地域での損失の多くを補っている。

ツェガイ氏によると、政府は従来のコーヒー栽培地域における気候変動の影響に対処するため、小規模農家に日陰を作って気温を抑える樹木の利用や、灌漑、収穫後の作物の適切な取り扱いについて研修を提供している。

同氏によると、同庁は病害や極端な気象に強い品種の導入も進めている。

しかしツェガイ氏は、従来の地域の小規模コーヒー農家への現在の支援水準では、その地域の産業を守るには不十分かもしれないと認めた。そのため、コーヒー・マーケティング庁は標高の高い場所での栽培を検討している。

変わりゆくコーヒー文化

環境・気候変動・コーヒー森林フォーラムの技術顧問、タデセ・ウォルデマリアム氏は、これまでコーヒーになじみのなかった地域での栽培は可能かもしれないが、慎重に進める必要があり、副作用が生じる可能性もあると述べた。

同氏は、「従来のコーヒー生産地域が消えれば、何千年にもわたるコーヒー栽培文化も消えてしまう」と語った。

同氏は、「コーヒー生産の歴史が浅いエチオピアの高地が代替地となるのは、高品質のコーヒーを持続可能な形で栽培できる農業普及支援策がある場合に限られる」と述べた。

同氏によると、エチオピアはコーヒー産業を守るため、時間との闘いを続けている。

同氏によると、コーヒー生産に適した地域は毎年より高い場所へ移動している。つまり、「今世紀末までに、標高1,500メートル未満の地域を中心に、コーヒー栽培地域の大半が生産に適さなくなる」という。

すでにそうなった場所もある。特に東部では、従来のコーヒー栽培地域の一部が現在、カートの木に覆われている。アフリカの角地域で何百万人もの人々が噛むこの植物の葉には、穏やかな覚醒作用のある向精神性薬物が含まれている。

コーヒーは通常年に1回収穫されるが、干ばつに強いカートは年に3回収穫できる。

ウォルデマリアム氏は、気候変動が抑制されなければ、今後数十年でエチオピアの従来のコーヒー生産地域の60%がコーヒーを失う可能性があると述べた。

同氏はコーヒーを守るため迅速な行動を求める一方、生産を新たな地域に移せばコーヒーの品質や味に影響する可能性があると警告した。

政府は、新たなコーヒー品種の植え付けが進み、エチオピア固有の品種の一部が徐々に姿を消すことで生じる空白を埋め始めるなか、新市場への販売をどう始めるか検討している。

同氏によると、エチオピア東部産で非常に人気の高い「ハラー」コーヒーは、特に危機にさらされている。

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