ポストパンデミック時代のASEANのデジタル世代を導く5つの洞察

A bird flies near the Association of Southeast Asian Nations (ASEAN) secretariat building, ahead of the ASEAN leaders' meeting in Jakarta, Indonesia, April 23, 2021. REUTERS/Willy Kurniawan - RC2K1N9C16DM
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  • 私たちは、6つのASEAN諸国の86,000人を対象に、ポストパンデミック時代に対する考えについて調査しました。

  • 「ASEANデジタル世代報告書」は、5つの共通トレンドを明らかにしています。

  • これには、より思いやりのある社会への期待や、経済回復の原動力としてのデジタル化が含まれます。

世界的なパンデミックを契機として、わずか1年の間に、私たちの生活や仕事の仕方が広範かつ体系的に変化するという劇的な変化が世界で起きました。しかし、各国がウイルスの抑え込みに取り組む中で、多くの人々がパンデミック後の未来を描き直し始めています。

この「ポストパンデミック」の世界が、特にASEAN地域(世界で最も急速に進化しているデジタル経済の一つ)においてどのようなものになるかをより深く理解するため、私たちは6つのASEAN諸国の86,000人を対象に調査しました。本調査は「ASEANデジタル世代報告書」であり、2017年以来続いている世界経済フォーラムと、シンガポールを拠点とするグローバルなコンシューマー向けインターネット企業であるSeaとの協働の最新版です。

パンデミック中のこのグループの経験と将来の見通しを検討した結果、ASEANの将来に備えるうえで重要となる5つの共通トレンドを見出しました。

1. 新たな世界への長い道のり

ポストパンデミックの世界に到達するのは容易ではないでしょう。回答者のほぼ70%が、パンデミックは2021年を超えて続くと予想しており、39%は3年以上続くと予想し、13%はパンデミックが終わることはないと考えています。しかし、パンデミックが終息すると、ほぼ3分の2が、パンデミック以前と比べて生活が大きく変わると考えています。

パンデミックが自らの生活に大きな影響を与えてきたことを考えれば、これは驚くべきことではないのかもしれません。約60%の人々が収入と貯蓄の減少を報告しており、40%以上がそれを大幅な悪化だと答えています。経済的影響のほかに、多くの回答者、特に女性が、パンデミック中に社会的、精神的、身体的な健康状態の悪化を報告しました。

こうした課題にもかかわらず、多くの回答者は変化する状況に巧みに適応することができ、27%がパンデミック中に新たに事業を立ち上げていました。この傾向は卸売・小売業で最も強く、その50%が同様に事業を立ち上げていました。

2. より良い医療、より思いやりのある社会、そして技術導入の拡大が進む未来

ASEANのデジタル世代の希望と懸念は、上記で述べたように、パンデミック中に直面した課題を明確に反映しています。回答者は、より良い健康と衛生、より思いやりのある社会、そしてデジタル技術の導入拡大を伴う未来を予測し、これらがポストパンデミックの世界で最も起こりやすいことだと挙げました。特に、回答者はより思いやりのある社会の可能性を非常に高く評価しており、困難な時期に様々なコミュニティが互いに支え合う絆を深めてきたことを反映しているのかもしれません。

一方で、回答者は将来の経済危機、将来のパンデミック、誤情報の拡散についても特に懸念しており、これらをポストパンデミックにおける3つの最大の懸念事項として挙げました。

Image: ASEANデジタル世代報告書2021

3. 経済回復の原動力としてのデジタル化

本調査全体を通じて一貫して見られた知見は、回答者が、技術が自らの生計と経済全体を支えるうえで極めて重要な役割を果たすと考えていることです。これは、パンデミックの影響をより強く受けた人々にとって特に当てはまります。例えば、85%の回答者(特に女性や中小零細企業(MSME)の経営者)が、デジタル化を経済回復にとって重要だと考えています。

また、仕事、学習、金融、私生活など、生活のさまざまな場面における現在および将来の意図するデジタルツールの利用について回答者に尋ねました。その結果、平均して回答者の約43%から66%が、自らの生活をより一層デジタル化したいと考えていることがわかりました。中小零細企業(MSME)の経営者では、その意向はさらに強く、51%から76%でした。

興味深いことに、デジタル化が「弾み車効果」の恩恵を受けているという証拠も見つかりました。これは、デジタル化が進んでいる人ほど、さらなるデジタル化を望む可能性が高くなるというものです。特に、すでに活発なデジタルユーザーである回答者の70%から86%が、デジタル化の水準を高めたいと考えています。これは、利用が少ない人々の15%から32%とは対照的な差です。

この理由として考えられるのは、人々がデジタルツールをより多く利用するにつれて、その恩恵がより明確になり、さらに利用するようになるということです。逆に、デジタルツールを利用しない人々は、その恩恵に触れる機会が少ないため、導入を進める動機づけも弱くなります。

4. デジタル導入の障壁に取り組む必要性。

これらの障壁を特定するため、私たちは回答者に、さらなるデジタル化を妨げている要因と、経済におけるデジタル化を最も効果的に促進するために何ができるかについて尋ねました。いずれの場合も、回答者の半数以上が、手頃で質の高いインターネットへのアクセスを最大の制約として挙げました。インターネットアクセスの問題は、地域レベルだけでなく、ほとんどの国に共通して見られるテーマでもあります。

もう一つの主要な障壁として、デジタルスキルの水準が挙げられ、その中には、どこで活用すべきかについての自信や理解の欠如も含まれます。この障壁は、まだ技術導入の初期段階にあり、そのため技術の恩恵をまだ理解していない、比較的利用の少ないデジタルユーザーにとって特に深刻です。

より活発な利用者にとっては、懸念はデジタルスキルから、信頼とセキュリティへと移っています。

これらの障壁は分野横断的な性質を持つため、これらに取り組むには、政府、民間セクターの関係者、市民社会の間でより良い調整を確保するために、国および地域レベルでのマルチステークホルダー型のアプローチが必要となります。

5. 将来に備える

私たちは、ASEANのデジタル世代に対し、ポストパンデミックの世界において最も重要な3つのスキルは何だと考えるかを尋ねました。技術を使いこなす能力が最も多く挙げられた一方で、創造性とイノベーション、自己規律、レジリエンスと適応力といったソフトスキルがその直後に続きました。

Image: ASEANデジタル世代報告書2021

パンデミック期間中、大きなデジタルスキルの移転が起きました。さらに、こうした移転は世代間で行われており、若者(16〜35歳)は「教える側」となる傾向が強かった一方、年長者は「学ぶ側」となる傾向がありました。デジタルネイティブと、コミュニティ内でデジタルに不慣れな人々との間で、こうしたスキル移転をさらに支援するプログラムが増えてもよいかもしれません。

また本調査では、全体として、デジタル世代は将来重要だと考えるスキルについてあまり自信を持っていないことも明らかになりました。例えば、38%の回答者が創造性とイノベーションを重要なスキルだと考えていた一方で、自らが習熟していると考えていたのはわずか26%でした。

このことは、このデジタル世代がポストパンデミックの世界、そしてその先に向けて備えられるよう、さらなるアップスキリングとリスキリングの取り組みが緊急に必要であることを浮き彫りにしています。

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