ドイツのアンゲラ・メルケル首相は多国間主義の重要性を強調し、歴史上最も暗い時代から私たちは学んでいないと警告した。
第一次世界大戦の終結から100年がたち、メルケル氏は、指導者たちはあの大惨事へ「眠ったまま歩み入った」と述べた。
「私たちは本当に歴史の教訓を学んだのでしょうか。実際には、学んでいません」と、ダボス会議の全体会合で同氏は語った。第二次世界大戦後に欧州を再建し、国際機関を形づくった多国間主義の精神は、いま脅威にさらされていると述べた。
「ポピュリズムの台頭を目の当たりにし、社会の雰囲気も状況も分断が深まっている」と同氏は語った。
移民などの課題に取り組むにあたり、メルケル首相は孤立ではなく協力を呼びかけた。

「ローマ帝国の時代から、中国の万里の長城の時代から、私たちは知っています。外に対して閉ざしても、国境を守る助けにはなりません。近隣諸国との良好な協力、適切で実効性のある、守られる合意も必要です。」
首相はまた、欧州には移民危機の根本原因に対処し、開発途上にある国々と「パートナー」となる責任があると述べた。
「私たちは父権主義的なアプローチを望んでいません。アフリカと対等な立場で向き合いたいのです。これは開発と協力に向けたまったく新しいアプローチです。彼らを支援し、パートナーになりたいのです。」
首相はまた、欧州連合(EU)が外交・防衛政策でより積極的な姿勢を取ることを示唆した。
「より大きな責任を担い、自らの運命を自分たちの手で切り開く必要があります」と同氏は述べ、この問題についてEU内で大きな「収れん」が見られたと付け加えた。
演説ではデジタル経済も大きなテーマとなった。欧州最大の経済を擁するドイツは、現在力強い成長と過去最低の失業率を享受しているが、大規模なデジタル化のなかで長期的な課題があると首相は述べた。
「うまく対応できなければ、過去と同じようにラッダイト運動が起こるでしょう」と同氏は述べた。「データは21世紀の原材料になります」。それに伴い、経済への包摂からプライバシーまで、複雑な課題が生じる。EUは「共通デジタル市場」へ移行すると同氏は語った。

