中国の新たな投資モデルを探る

Vehicles are seen on a main avenue during the evening rush hour at sunset in Beijing September 3, 2014. REUTERS/Jason Lee (CHINA - Tags: BUSINESS ENVIRONMENT TPX IMAGES OF THE DAY TRANSPORT) - RTR44STN
The traditional Chinese investment model – mergers and acquisitions – is no longer appropriate.Image: REUTERS/Jason Lee
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中国の2つの取り組み、「一帯一路」(OBOR)と「国際生産能力協力」は、海外投資に関する習近平国家主席の考えを体現している。いずれの標語も、それぞれユーラシアと世界を対象とする開発アプローチに支えられており、中国が相互協力に基づくグローバリゼーションの新モデルを築こうとしていることを示している。

中国企業はすでに、こうした投資の指針を真剣に受け止めている。2020年までに、中国の海外資産は3倍に増えると予測されており、現在の6.4兆ドルから20兆ドルに達する見通しだ。しかし、海外プロジェクトへの迅速な投資は多くの企業にとって魅力的である一方、適切に管理されなければ大きなリスクを伴い、多額の債務につながる恐れもある。国有・民間を問わず中国企業が指導部の新たなビジョンから恩恵を得るには、過去の失敗から学び、長期的な視点で優先事項を見直さなければならない。

中国が対外投資戦略の刷新を試みている重要な地域の一つがラテンアメリカだ。近年、中国はこの地域との二国間の外交・経済関係を積極的に再構築しようとしてきた。2016年11月に第2次中国・ラテンアメリカ・カリブ政策文書が公表されたことで(同月の習主席によるラテンアメリカ訪問に続くもの)、より協力的な枠組みのもとで二国間投資を深めるまたとない機会が生まれた。従来のアプローチは、しばしばリスクの高い融資に支えられ、一部は不良債権化し、中国の投資家に損失をもたらした。

新政策は、中国企業に対し、物流、電力、情報システムなどの分野で現地企業と連携するよう明確に促し、企業、地域社会、政府のリーダー間の交流も推進している。同じく重要なのは、投資家が利用できる中国の資金、融資、保険の範囲を広げている点だ。これらを総合した包括的なアプローチは、中国にとって新しいものだ。

ラテンアメリカの複数の国で政治的不確実性が大きいにもかかわらず、この地域の各国政府は、中国の改革努力に自らの改革で応えようとしているようだ。

例えば、ブラジル政府は、金融と交通インフラの分野における投資を調整するため、「投資パートナーシップ・プログラム」を推進している。アルゼンチンでは、マウリシオ・マクリ大統領の政権が、長年にわたる政治的・経済的孤立を経て信頼を回復するため、投資家に有利な政策を導入した。またメキシコでは、電気通信と電力の各分野で競争を促す構造改革を他の政策と併せて進め、インフレを抑制し、外部ショックへの耐性を高めている。これらの改革により、同国は基礎的財政収支の黒字を回復できると期待されている。

各国固有の改革が数多く進むなか、ラテンアメリカは中国の新たな海外投資アプローチの試金石となり得る。しかし、政策文書と二国間協定は、中国の新たな「海外進出」戦略を構成する要素の一部にすぎない。中国企業は、海外投資の機会について考え、行動する方法を変える必要がある。

合併・買収(M&A)を中心とする従来の中国の投資モデルは、投資が集中すると甚大なリスクを伴うため、もはや適切ではない。そして残念ながら、近年そのリスクは増大している。中国企業による海外M&Aは、世界全体に占める割合が2011年の5%から2016年上半期には20%に跳ね上がり、その金額は約130億ドルに達した。中国商務部が公表したデータによると、非金融分野の対外直接投資は2016年に1,700億ドルを超え、2015年から44.1%増加した。

この傾向は中国にとって前例のないものだ。中国は昨年、初めて日本を抜き、米国に次ぐ世界第2位の海外投資国となった。しかし、その投資は十分に検討されたとは言い難い。最大の問題は、こうした集中的な買収によってレバレッジが高まり、負債資本比率の上昇が格下げのリスクを増大させていることだ。過去の実績では、M&A後に全企業のおよそ25%が格下げされる。M&Aがどの企業にももたらす大きな統合・経営上の課題に対し、中国企業には経験が乏しいため、このような事態は特に深刻な打撃となりかねない。

こうしたリスクを踏まえ、中国企業がラテンアメリカであれ他の地域であれ、政府の海外投資に関する新たなビジョンを解釈するうえで最も重要なのは、持続可能性の原則を守ることだ。戦略の出発点には、まさに「長期」の視点を据えなければならない。

一帯一路(OBOR)と国際生産能力協力の戦略は、長期的なパートナーシップを中核に据えている。長年にわたる関与を前提とした投資は、どちらの枠組みにも合致する。財務基盤が堅固で、成長の見通しが持続可能であり、複数年にわたる協力体制が整って初めて、投資は政府の戦略を支えるものとなる。

海外投資を新たに検討する際のもう一つの優先事項は、「国際生産能力協力」の目標を十分に考慮することだ。その狙いは、生産能力を他国へ移転することを促し、相互に利益をもたらす形で「グローバル産業チェーン」を強化することにある。中国の直接投資を、生産能力の短期的な輸出に利用することは避けなければならない。それは中国の利益にならず、受け入れ国の利益にもならない場合が多い。

大半の株式投資家にとって、プロジェクトの価値は投資後の効果的な管理に大きく左右される。そのため、投資の開始時に明確な権利と義務を慎重に定めなければならないが、従来はほとんど実施されてこなかった。結局のところ、M&Aは長い道のりの第一歩にすぎない。

私が現在ラテンアメリカで事業を展開しているように、中国企業が海外投資を行う際には、自社のために賢明かつ持続可能な投資をするだけでなく、自社の戦略を中国の国家的な投資優先事項と整合させる責任もある。この二つの目標は両立し得る。とりわけ、経営者が新たに示された持続可能な投資と長期的な関与の原則を守るなら、なおさらだ。

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