世界経済フォーラム年次総会の3日目、ダボスのコングレスホールで、3人の政治指導者が主役の座に立った。それぞれが欧州の未来に対するビジョンを示した。
そのうち2人、イタリアのジュゼッペ・コンテとスペインのペドロ・サンチェスにとって、昨年首相に就任して以来、壇上に立つのは初めてだった。ある意味で、彼らは欧州の次世代の指導者といえる。
一方、ドイツ連邦首相を2005年から務め、2021年に退任するとすでに表明していたアンゲラ・メルケルにとっては、別れの始まりのように感じられた。
それぞれの主なメッセージは以下の通り。
ジュゼッペ・コンテ
「絶望感が広がっています。中産階級でさえ貧困に直面しています。明日は今日より悪くなると、誰もが感じています」とイタリア首相は述べた。
「私たちの経験は、明日の欧州がどのような姿になるかを示すものかもしれません」と述べた。
コンテは「深刻な社会の傷を癒やす」ため、緊急の対策をいくつか提案した。これには市民所得の導入や、柔軟な退職年齢が含まれる。

しかし、不平等と不公正をなくすには、はるかに大規模な介入が必要だと彼は述べる。そのためには、国民に権力を取り戻すため、ルールを書き換える必要があるという。
「私たちは急進的です。しかし、急進的なのは、憲法が本来定めていた場所、つまり国民のもとへ権力を戻し、法律が定める形式と方法でそれを表現したいからです。イタリアの主権は国民にあります。」
演説の最後に、イタリアは変革への道を一国だけで歩みたいわけではないと述べた。
欧州は、欧州の原初の夢を守るうえで、より大きな力を発揮できるだろうと彼は述べた。
アンゲラ・メルケル
ドイツの首相はより楽観的な見方を示し、1971年に比べて貧困が大幅に減り、世界ははるかに良い場所になったと指摘した。また、狭い国益を超えて考え、「ウィンウィン」の結果を目指して国際機関を改革するよう人々に促した。
メルケルは、ブレグジットと移民の双方がもたらす課題を認めるとともに、世界の舞台で競争するには経済が強くなければならないと警告した。
「経済力がいかに効果を発揮するかを、私たちは今日目の当たりにしています」と述べ、イランへの制裁と米国の外交政策の有効性を指摘した。
「これは通貨としてのドルの強さによるものです。」
「そこで疑問が生じます。ユーロ圏はどうすれば同じように優位に立てるのでしょうか。どうすれば経済的な重みを天秤に載せられるのでしょうか……自らの立場を確立するには、経済的に強くなければなりません」と彼女は述べた。
ペドロ・サンチェス
スペインの首相は演説の冒頭で、2008年の金融危機から学んだ教訓を忘れかねない状況にあると警告した。
また、彼のメッセージの重要なテーマは、経済は常に人々のためにあるべきだということを忘れないようにすることだった。
不平等に対処しなければ、ナショナリズム的な政策によって人々は再び悲劇へと引き戻されかねないと、彼は警告した。
「市民は、自分たちの運命を自分で握っていると感じる必要があります。努力や才能、勇気には意味があり、自分自身で人生の計画を立てられると感じる必要があります。」
彼によれば、解決策は政治と経済が緊密に連携することだ。

