米議会予算局(CBO)は昨日、 『予算と経済見通し』の2015年から2025年までの期間に関する改訂版を公表した。CBOが連邦予算に関する文書を発表すると、通常、議論の大半は、同局が将来について予測する歳出と税収の水準に集中する。とりわけ、歳出と税収の水準の差、いわゆる財政赤字が焦点となる。
おそらく、CBOが金利の今後の推移について何を予測しているかを議論するほうが、より興味深いかもしれない。この点に注目したのが、 FT Alphavilleのマシュー・C・クラインだ。CBOは医療費の増加と高齢化を背景に財政赤字が拡大すると見込んでいるが、クラインによれば、赤字拡大の予測はほぼ全面的に、米政府がすでに負っている債務への利払い増加によるものだ。言い換えれば、財政赤字が拡大するという予測は、将来の金利の推移次第である。
具体的には、CBOは10年物米国債の金利が2020年から4.6%になると予測している。参考までに、住宅バブル崩壊による損害が明らかになる前の2007年6月の 10年金利 は約5%だった。そして 今日 の金利は約1.8%だ。
もちろん、今日のきわめて低い金利は、米国外、とりわけユーロを使用する欧州諸国の経済成長に対する懸念を示している。だが、長期金利はどれほど上昇すると見込めるのだろうか。CBOは10年金利が2015年に3.0%まで跳ね上がると予測している。このように急速な金利上昇には疑問を呈する余地がある。
第一に、CBO自身の予測によれば、経済全体の成長率は10年間の予測期間の大半で潜在成長率を下回る。CBOによると、GDPが潜在成長率に達するのは2017年と2018年だけだ。それ以外の期間は、その成長率を下回る。
第二に、長期金利の上昇を抑える、より広範な要因がある。米連邦準備制度理事会が前回金利引き上げを試みた2004年には、長期金利に目立った上昇はなかった。この現象も一因となり、当時のFRB理事ベン・バーナンキは約10年前に「世界的な貯蓄過剰」という言葉を作った。この考え方は、世界経済の貯蓄が大幅に増加して需要を上回り、その結果、世界各地で金利が低く抑えられているというものだ。そして、この過剰貯蓄の源泉は 変化しているかもしれないが、今もなお存在しているようだ。
もちろん、米国の金利を論じる際には、連邦準備制度の決定を考慮しなければならない。政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)は現在会合を開いているが、金利引き上げを始めるとは予想されていない。少なくとも、まだその時期ではない。ただし、そうした動きが影響するのは短期金利に限られるはずだ。長期的な見通しについては、CBOを含め、私たちは待つしかない。
本 記事はEquitable Growthとの協力のもとに掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:ニック・バンカーは、ワシントン・センター・フォー・エクイタブル・グロースの政策アナリスト。
画像:ワシントンにある米連邦準備制度理事会の建物。REUTERS/Gary Cameron




