米国民は2024年の大統領選で投票しました。
専門家が世界各地の政治的・社会的分極化に警鐘を鳴らすなか、投票が行われました。
米大統領選の仕組みについて、知っておきたいことを紹介します。
2024年の米大統領選で、今週、米国の数千万人の有権者が投票しました。
11月5日に行われた投票は、ここ数カ月、世界の大きな注目を集めていました。専門家は、その結果が世界経済に大きな影響を及ぼす可能性があるほか、気候危機から世界のサプライチェーンの再編に至る国際問題にも影響をもたらし得ると指摘していました。
では、米国民はどのように大統領を選ぶのでしょうか。米大統領選の仕組みについて、知っておきたいことを紹介します。
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米国の選挙:投票へ
米国の大統領と副大統領の選挙は4年ごとに行われます。
投票に先立ち、長期にわたる予備選の過程で、二大政党である民主党と共和党が、州ごとの党員集会や予備選挙を通じて候補者を選びます。各党の全米50州の代議員がその後、全国党大会で候補者を正式に指名します。
今年、共和党候補はドナルド・トランプ前大統領、民主党候補はカマラ・ハリス現副大統領でした。ハリス氏は8月に民主党候補として正式に指名されました。それは、ジョー・バイデン現大統領が再選を目指す選挙戦から撤退した7月下旬の後のことでした。
2人の候補者は数カ月にわたって有権者に支持を呼びかけ、期日前投票を利用し、選挙日である2024年11月5日火曜日に投票するよう促しました。
選挙の日程は、米国議会が1845年に制定した規則に由来します。この規則は、米各州に対し、4年ごとに「11月の第1月曜日の次の火曜日」に大統領選挙人を選出するよう定めました。当時の米国は農業中心の国だったため、11月上旬の日程により、当時投票できた少数の米国民は、秋の収穫後、冬が始まる前に投票所へ行くことができました。
現在、米国民は選挙前に居住する州で有権者登録をする必要があります。その後、郵送で不在者投票を行うか、指定された投票所で期日前投票をするか、選挙日に投票できます。
選挙人団
米国大統領選は、一般投票の直接投票によって決まるわけではありません。代わりに、大統領選挙では「選挙人団」と呼ばれる仕組みが用いられます。
この制度では、米国の50州それぞれに、選挙人票の数が割り当てられます。その数は米国議会での議席数に基づきます。例えば、カリフォルニア州は選挙人票が54票、ワイオミング州は3票です。選挙人票の総数は538票です。
有権者が投票する際、実際には支持する候補者に誓約した州の選挙人団に投票しています。
大半の州では、一般投票で過半数を得た候補者が、その州の選挙人票をすべて獲得します。これは「勝者総取り」方式と呼ばれます。メーン州とネブラスカ州の2州では、選挙人票を比例配分します。大統領に当選するには、選挙人票の過半数(270票以上)を得る必要があります。
各州で票の集計方法が異なるため、選挙結果の確定まで数日かかることがあります。
選挙後、各州の選挙人は州都に集まり、大統領と副大統領に正式に投票します。その後、1月に連邦議会の上下両院合同会議が開かれ、選挙結果を認証します。次期米大統領は2025年1月20日に就任します。
選挙人団は、米国憲法によって設けられた制度ですが、一般投票で敗れた候補者が選挙人票では勝利する可能性があることから、長年にわたり議論の的となっています。この事態は2016年と2000年の選挙で起きたほか、1800年代にも3回起きました。
近年、米国の投票率は上昇しています。例えば2020年の大統領選では、1億5,800万人を超える人々が投票しました。投票率は有権者年齢人口の65.9%に達し、2016年の59.2%から大きく上昇しました。
「思想的・文化的な分断」
米大統領選は、歴史的な選挙イヤーに行われました。2024年には、50カ国で20億人を超える人々が投票に向かいました。また、専門家が米国や世界各地における政治的・社会的分極化にますます警鐘を鳴らすなかでの投票でもありました。
世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書2024」は、社会的分極化を「コミュニティ内およびコミュニティ間の思想的・文化的な分断により、社会の安定性が低下し、意思決定が行き詰まり、経済が混乱し、政治的分極化が進むこと」と定義しています。
同報告書によると、社会的分極化は現在および今後2年間において、深刻度が最も高いリスクの上位3位に入ります。10年間で見ると、分極化は深刻度で9位に下がります。
同報告書はさらに、社会的分極化が「ほぼすべてのステークホルダー・グループに共通する懸念」だったとしています。

