米国の労働力不足を解消する方法

A view between the buildings of a busy New York City street
Of the estimated 45 million people living in the US, roughly 14% of the population were born elsewhere.Image: Pexels/Nout Gons
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  • 2022年7月時点で、米国には1,120万件の求人があった一方、それを埋める失業者は570万人にとどまっていた。

  • 移民と経済学を研究する学者は、労働力不足の大きな要因の一つは、米国で合法的に働くことを許可された移民の減少だと論じる。

  • 政府は2019年に過去最多となる813,330件の一時就労ビザを発給したが、2020年以降、その数は約566,000件で推移している。

  • 労働者不足は2030年までに400万人に達する可能性があるため、米国は方針を転換し、就労関連ビザをさらに発給する必要があると、同学者は警告する。

米国では、子どもの数が減り、労働力の高齢化が進むなか、製造業の雇用主、航空業界など多くの産業で、十分な労働者の確保が難しくなっている。

労働需要と供給の隔たりは、すでに2017年に生じ始めていた。2018年までに、米国経済では失業者よりも求人が次第に多くなった。この隔たりは新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に拡大した。より多くの人々が亡くなり、早期退職したり、単に労働市場から退出したりした。

パンデミックが職場に及ぼす影響が和らぎつつあった2022年7月時点で、米国には1,120万件の求人があった一方、求人を埋める可能性のある失業者は570万人にすぎなかった。

私は移民と経済学を研究する学者で、労働力不足を引き起こしている傾向、すなわち合法的に働くことを許可された移民の減少を研究している。この数字を調べると、経済に深刻な打撃を与えている労働力不足を解消する重要な機会が見えてくる。

2022年7月時点で、米国には1,120万件の求人があった一方、それを埋める可能性のある失業者は570万人にとどまっていた。Image: The Conversation.

就労ビザ

推定4,500万人の米国在住者は、人口の約14%にあたり、国外で生まれた人々だ。米国の労働者の約6人に1人は移民である。

こうした外国生まれの労働者の一部は、さまざまな種類のビザを利用して一時的に合法就労している。こうしたビザにより、ソフトウェア設計者からリンゴの収穫作業員まで、幅広い職に就くことができる。

場合によっては、こうした労働者は合法的な永住権を取得できる。一般に「グリーンカード」と呼ばれるものだ。一部の一時就労ビザは12カ月を超えて有効なため、就労許可を持つ労働者の数はその年に発給されたビザの数を上回る。H-1Bビザは、コンピュータープログラミングなどの分野で高い教育水準を要し、有効期間は3年間で、さらに3年間更新できる。

政府は2019年に過去最多となる813,330件の一時就労ビザを発給した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった2020年には、発給総数は約3分の1減って566,000件となり、ジョー・バイデン大統領の就任初年にあたる2021年も、566,001件とほぼ横ばいだった。

もちろん、政府がビザを発給することで外国人労働者が賃金を押し下げたり、安定して働いている米国人が解雇されたりすることのないようにするのは重要だ。

短期的にはこうした賃金低下が起こり得るが、実証研究の大半は、移民が増えると、米国生まれの人々の賃金に長期的な恩恵があることを示している。

米国政府は2019年に過去最多となる813,330件の一時就労ビザを発給した。Image: The Conversation.

経済への打撃

2020年と2021年に外国生まれの労働者向け一時ビザが大幅に減少したことは、米国経済に打撃を与えた。私自身の試算では、損失総額は国内総生産全体の年間約0.4%に相当し、2020年と2021年にはそれぞれ少なくとも820億ドルに上った。

しかし、移民制限はさらに多くの人々に影響を及ぼした。大使館や領事館の閉鎖によりグリーンカードを取得できなかった人々も含まれる。これらの政策により、2020年と2021年の米国では、労働年齢の移民が推定200万人少なくなった。

こうした追加的な損失を含めると、米国の移民制限による経済的損失はほぼ3倍になり、米国のGDPの年間約1.1%に達する。

米国が方針を転換して就労関連ビザをさらに発給しない限り、労働者不足は2030年までに倍増して400万人を超えると私は推計する。また、私の試算によれば、今後8年間は平均して毎年、GDPが約4.3%押し下げられる可能性がある。これらを合計すると、失われる経済生産は約9兆ドルに上る。

労働力不足

現在、従業員として移民に大きく依存する特定の産業では、労働力不足がとりわけ深刻だ。

たとえば、2020年には外国生まれの労働者が農業・漁業・林業の労働力の39%、建設・採掘に従事する人々全体の30%、コンピューター科学・数学分野で働く人々の26%、医療支援職の22%を占めていた。

その結果、これらの産業は前例のない課題に直面している。空いている職を埋める人材の確保に苦慮しているのだ。

こうした労働力不足が続けば、企業が従業員により高い賃金を支払わざるを得なくなり、その人件費の上昇が一因となって価格も引き上げるため、雇用市場、サプライチェーン、生産性への悪影響が続くと私は確信している。

労働参加率とは、労働市場にいる人の数が労働年齢人口全体に占める割合を示す指標である。米国では労働市場から退出する人が増えており、この率は1970年代以降で最も低い水準に近いところで推移している。2020年に60%まで急落した後、一部持ち直した。2022年7月時点では62.2%だった。

労働力不足は深刻で、一部の産業は従業員として移民に依存している。Image: The Conversation.

実現可能な解決策

もちろん、労働者不足の原因は、外国生まれの人々に発給されるビザの不足だけではない。

しかし、どの要因も簡単には解決できない。政府が働いている成人の割合を高めるのは難しく、国内の労働力の高齢化については、長期的な出生率の低下がもたらした結果であり、短期的にできることはほとんどない。

たとえ政治的なハードルが高くても、米国で合法的に働くことを許可される移民を増やすことは、当局が労働力不足を緩和する重要な方法だと私は考える。

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