イタリアでは一部の工場が操業を再開している。
ハイテクとローテクを組み合わせた対策によって、職場への復帰が可能になった。
ある工場では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、トイレに信号機を導入した。
シモーネ・メラは、工場でトイレ休憩に行けるタイミングを信号機に決められる日が来るとは夢にも思わなかった。しかし、新型コロナウイルスがもたらした世界では、それが新たな日常になっている。
そして、彼は仕事があることを幸運に感じている。バーやレストラン、スーパーマーケット向けの冷蔵ショーケースを製造するISA社では、イタリアのウンブリア州にある工場に戻ることができた従業員は、800人中わずか200人にとどまっている。
段階的な職場復帰は、シンプルなものから革新的なもの、ハイテクなものまで、さまざまな対策の組み合わせによって実現した。
床に貼ったテープで通路を作り、作業エリアを区分している。
トイレの安全を確保するため、黄色と緑色の信号機が設置された。従業員はトイレに入るとき、または出るときにスイッチを切り替える。信号の色によって、入ろうとする人は入れるのか、待たなければならないのかが分かる。
同社の職場復帰戦略におけるハイテク対策は、SWAT、すなわち「System Workers Advance Tracing」と呼ばれるシステムだ。
従業員はスマートフォンにアプリを読み込み、小型の白いデバイスを作業着に取り付ける。
別の従業員に近づきすぎるとデバイスが振動し、同時にコンピューターのデータベースに信号を送る。
「これは私たちを監視するためのツールではないと確信しています。安全な距離を確保し、近接接触を記録するためのデバイスにすぎません」とメラは述べた。「陽性者が見つかった場合、その人が接触した相手を追跡しやすくなります。とても安心して働けています。」
同様のシステムがアントワープ港で試験運用されている。
ISAの経営陣は、事業を継続するには、作業の進め方と安全対策を変更せざるを得ないと認識した。
「今後数日、数週間で終息する見込みがないこのウイルスに人々が対処できるよう、安全に協力して働き、ソーシャルディスタンスを守るためのハードウェアとソフトウェアのシステムを開発しました」と、ISAのゼネラルマネジャー、マルコ・ジュリエッティは述べた。
従業員は工場に入る際に体温を測定され、全員がマスク、手袋、フェイスシールドを着用している。
さらなる保護対策として、組立ラインの作業台の間にプレキシガラス製の仕切りが設置された。ただし、仕切りは腰から上の高さまでなので、従業員は引き続き資材を受け渡したり、互いに話したりできる。

