企業は世界的な景気減速をどう乗り切るか

Men work on unloading the rubber imported from Belt and Road Initiative (BRI) countries at a bonded logistics centre in Nantong, Jiangsu province, China May 17, 2019.
Warning signs of a potential slowdown in the global economy are multiplying.Image: REUTERS/Stringer
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世界経済の潜在的な減速を示す警告サインが相次いでいる。その中には米国債イールドカーブの持続的な逆転や、ドイツ、日本、米国などにおける製造業の減少が含まれる。成長の確かな牽引役であった中国でさえ、生産は鈍化している。さらに、関税の影響や地政学的緊張による不透明感への懸念があらゆる場所に広がっており、世界の株式市場における最近の調整にもそれが表れている。

米連邦準備制度理事会(FRB)による最新の利下げで見られたように、各国中央銀行はこうした懸念すべき動向から世界経済を守るための措置を講じている。

しかし、私の立場から見ると、景気後退はすでに到来している。CEOや他の経営幹部との対話に基づくと、成長鈍化の影響はあらゆる業界の企業で既に感じられており、今後数四半期のうちに明らかになる可能性が高い。

これが技術的な景気後退に至るかどうかについては、専門のエコノミストに委ねたい。しかし、企業へのアドバイザーとして、また自らも企業のリーダーとして、景気後退が私たちにとって何を意味するのか、そして準備のためにリーダーとして何をすべきかを検討すべき時が来た。

英国空軍で長年勤務した友人が、かつてこう話してくれた。パイロットは、レーダーによる探知や敵機などを避けるため、素早く降下する必要がある場合には機体を反転させるよう訓練されている。飛行の物理法則や(機体を上空に持ち上げるための)飛行機の構造上、機体を逆さまにしなければ、素早く降下することはできないのだという。

これは、製品やサービスの需要が減少し、変革を迫られたときに企業のリーダーが組織に対して何をすべきかを示す、適切な比喩だと感じた。企業は10年連続で世界経済の成長の恩恵を受けてきた。多くの企業は、技術革新による破壊的影響、消費者行動の変化、業界における新たなビジネスモデルや新規参入者に苦戦してきたが、全体的な需要は拡大を続け、多くの企業で収益と利益が増加し、同時に最も優秀な人材を巡る競争も激化した。その結果、一部のケースでは、経費が持続可能な水準を超えて膨らむことが許容されてきたかもしれない。

リーダーは今日から、これらのコストを抑制し、少なくとも短期的には、やや縮小した将来に備える措置を講じなければならない。1、2四半期にわたる業績不振を放置すると、特に破壊的変化と企業のライフサイクルの短縮が加速するこの時代においては、大きな失敗につながりかねない。

効果的な変革は、業績が悪化し企業価値が低下する前に、設計・実行されなければならない。これは必ずしも、士気を損なう人員削減や資産売却を意味するわけではない。ビジネスモデルの調整、業務およびコスト効率化の取り組みを意味する場合もあり、当社でも現在その過程に取り組んでいる。

ただし、行動を優先する姿勢を持つことが大切だ。すべての情報が揃っていない中で判断が下される場合があることを認識し、必要に応じて後から軌道修正する覚悟を持つべきだ。

今日の世界では、出遅れを取り戻すためのコストが劇的に上昇している。手遅れになる前に、今すぐ機体を逆さまにせよ。

しかし、これは物語の半分にすぎない。どの企業の未来も、コスト削減ではなく、収益創出にかかっている。コスト削減の取り組みが将来の成長を損なわないよう、微妙なバランスが求められる。実際、新技術、製品、市場など、事業の将来を牽引する分野への投資は不可欠であり、継続されるべきである。

短期的に変革できなければ、投資すべき将来そのものがなくなる可能性がある。一方で、投資を怠ることは、長期的な衰退やその将来に対する支配力の喪失につながりかねない。

言うは易く行うは難し、というのが実情だ。多くの企業がCEOを交代させるのは、縮小期と成長期の間でそれぞれに適したリーダーシップが必要とされるからという理由の一つがそこにある。多くのリーダーは、どちらか一方には長けているものの、両方に秀でているわけではない。最も優れたリーダーは、その両方に秀でている。

現在の景気後退がどの程度深刻になるかは、私には予測できず、われわれの制御の及ばない要因に左右されるだろう。ビジネスリーダーとして私たちにできるのは、今日から態勢を立て直せるだけ立て直して備えると同時に、その先に待つと分かっている将来への投資を続けることだ。

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