世界の貧困層が取り残されている――追いつくための大胆な行動が必要だ

A man walks past a public toilet at Lawley informal settlement in the south of Johannesburg, South Africa, May 2, 2019. Picture taken May 2, 2019. REUTERS/Siphiwe Sibeko - RC11E91AD260
The struggle of the global economy has seen some of the poorest countries left behind.Image: REUTERS/Siphiwe Sibeko
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世界経済の雰囲気は悪化している。今月初めに日本の福岡で開かれた会合で、G20の財務大臣と中央銀行総裁は警告した。経済成長は依然として弱く、リスクはなお下振れ方向に偏っていると。会合のわずか数日前、世界銀行は2019年の世界成長率予測を引き下げ、2.6%とした。これは3年ぶりの低水準であり、成長は2020~2021年も低調にとどまると予測した。

こうした見出しの陰には、さらに暗い現実がある。世界最貧層の人々の窮状が悪化しているのだ。世界経済の減速によって貧困から抜け出す道のりがさらに険しくなるなか、世界は彼らを支援するため、さまざまな大胆な政策を後押ししなければならない。

近年の経験から、何をすべきかは分かっている。2001年から2019年にかけて、低所得国(年間一人当たり所得が995ドル未満)の数はほぼ半減し、64カ国から34カ国となった。32カ国が中所得国となり、新たに低所得国の仲間入りをした国はわずか2カ国だった。この一世代での目覚ましい進歩は、力強い成長、より良い政策、そして場合によっては単なる幸運の結果であり、何百万人もの人々を貧困から救い出した。

貧困削減には、より速い成長が不可欠だ。2001~2018年に低所得国から中所得国へ移行した32カ国の経済は、平均しておよそ年率6%成長した。この期間、中所得および高所得の新興市場国・発展途上国全体の成長率を約60%上回り、低所得層にとどまった国々よりも約25%速かった。

世界金融危機以前は良好な対外環境が急速な成長を支え、2001~2011年の資源ブームは、多くの低所得国で探査・生産への大規模な投資を促した。その結果、輸出収入が増加し、各国政府の財政状況が改善した。

さらに、東欧と中央アジアの低所得国9カ国は、1990年代の深刻な景気後退から回復し、計画経済から市場経済へ移行した。また、2001年の多国間債務救済の取り組みは、一部の低所得国が財政と経済を安定させる助けとなった。アフリカの一部の国々では紛争が沈静化し、暴力による犠牲者は着実に減少した。貿易統合のさらなる進展も輸出を押し上げ、外国投資を呼び込み、改革を促した。こうして低所得国は人々への投資を増やすことができた。2001年以降、中等教育の就学率は倍増し、低所得国の投資対GDP比率は5パーセントポイント上昇した。

恩恵が他国より大きかった国もある。所得水準を引き上げた国々は、政策枠組み、統治、ビジネス環境もより優れていた。インフラがより整備され、人的資本が大きく改善し、財政資源もより豊富だった。

最後に、地理的条件も重要な優位性だった。2001~2019年に低所得国の分類から抜け出した国のうち、内陸国は約3分の1にすぎず、内陸国の多くには、より豊かな隣国があった。これに対し、現在も低所得国である経済のほぼ半数は、海へのアクセスがない。

急速な経済拡大により、世界で1日1.90ドル以下で暮らす貧困層の数は、2001年から2015年の間に3分の1減少した。しかし、減少の大半は中所得国へ移行した国々で起きた。残る低所得国の経済で貧困状態にある人々の数は、全体としてほぼ変わらなかった。

現在の低所得国が貧困から抜け出すには、先行した国々よりも高いハードルを越えなければならない。これらの国の一人当たり所得は中所得国の基準を大きく下回り、その大半は紛争や政治的不安定に特徴づけられる脆弱国家だ。農業への依存度が高く、異常気象の影響を受けやすい。さらに、主要新興市場の成長が鈍化し、資源集約度の低い産業へ移行するにつれて、これらの国の一次産品輸出への需要も弱まっている。

加えて、多くの貧しい国々は重い債務負担を抱えている。債務返済に充てられる収入は、成長を促すインフラ事業や、保健・教育への支出に回せたはずのものだ。

世界に残る低所得国の貧困率は40%を超えているため、予測される一人当たり所得の伸びだけでは、2030年までに世界の極度の貧困率を3%に引き下げるという国連の持続可能な開発目標の達成に必要な水準に届く可能性はきわめて低い。

したがって、これらの国々には、成長を加速させ、より多くの質の高い雇用を生み出すための大胆な取り組みが必要だ。世界貿易の流れへの統合を進め、輸出を多様化し、海外直接投資をさらに呼び込む必要がある。各国政府は人的資本とインフラに投資して、技能や技術を向上させることができる(ただし、厳しい予算制約の範囲内で行わなければならない)。

金融包摂を進め、金融システムを強化する対策も役立つ。政府財政の持続可能性を高めるため、国内歳入を動員することも有効だ。

その他の優先課題には、統治とビジネス環境の改善、生産性と国際競争力を高める競争政策の強化、民間セクターの活動支援が含まれる。

この困難な取り組みは、現在の低所得国を貧困から抜け出させるために欠かせない。しかし、これらの国々が単独で取り組むことはできず、またそうすべきでもない。根深い貧困と満たされない願望が、世界の安全保障や移住に及ぼす影響を考えれば、世界の他の国々には支援する責任がある。

世界経済が苦境にあっても、それは世界最貧層の人々を顧みない理由にはならない。むしろ、だからこそ一層の行動が必要であり、大阪サミットはそのための好機となる。

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