経済・金融の世界から最新ニュースをお届けする、今週のまとめです。
主な経済ニュース:米国のインフレ鈍化、ライン川の渇水による貿易リスク、ドイツ経済は付加価値2,650億ドルを失う見通し。
世界各地の経済ニュース
イングランド銀行はおそらく、インフレ対策として、さらなる利上げを迫られると、デーブ・ラムズデン副総裁がロイターに語りました。
企業の気候関連情報開示に関する世界基準の策定機関が設立される際には、各法域での導入を容易にし、投資家に提供する情報の分断を避けるため、欧州や米国の代替基準と整合させるべきだと、欧州中央銀行と国際通貨基金は述べています。
フィリピンの経済成長は減速し、高インフレの中、第2四半期は前年同期比7.4%増となりました。予想の8.2%を下回りました。
オーストラリアの企業景況感を示す指標は反発し、金利上昇と高インフレにもかかわらず、売上高と利益は予想外に堅調でした。一方、企業は供給制約の中でコストが過去最高になったとも報告しました。
ギリシャの年間消費者インフレ率は鈍化し、7月は11.6%となりました。6月の12.1%から低下しましたが、約30年ぶりの高水準に近い状態が続いています。
インドネシアの経済成長は加速しました。商品価格の上昇を背景とする輸出ブームが、4~6月期の成長を押し上げました。公式統計によると前年同期比5.44%増で、輸出は約20%拡大しました。
ユーロ圏の投資家心理は、19カ国からなる通貨圏で景気後退への懸念が広がる中、8月は前月からほぼ変わらなかったことが、8月8日発表の調査で明らかになりました。
エジプトの年間都市部の消費者物価上昇率は加速し、7月は13.6%となりました。6月は13.2%でした。
タイ中央銀行は政策金利を引き上げました。引き上げ幅は25ベーシスポイントで、ほぼ4年ぶりの利上げとなりました。
ノルウェーのインフレ率が急上昇し、7月は4.5%と、20年以上ぶりの高水準に達しました。
米国の労働生産性は第2四半期に、1948年の統計開始以来最も速いペースで低下し、前年同期比2.5%減となりました。
メキシコの年間インフレ率は公式統計によると、7月に8.15%へ上昇し、約22年ぶりの高水準に達しました。2000年12月には8.96%でした。
米国のインフレが鈍化
米国の消費者物価指数は横ばいとなり、6月の1.3%上昇から一転しました。物価上昇の減速幅としては1973年以来最大で、主にガソリン価格の急落によるものです。ガソリン価格は6月中旬以降、約20%下落しました。
世界的なサプライチェーンの問題やウクライナでの戦争など、さまざまな要因で米国の消費者物価は上昇してきました。ガソリンなど一部の品目で価格が下落したにもかかわらず、食品価格は7月も上昇を続け、6月の1%上昇に続いて1.1%上昇しました。
「これは、FRBが求めているような意味のあるインフレ低下にはまだ至っていません。しかし、出発点にはなります。今後数カ月で、物価圧力が幅広く和らぐ兆候が見られると予想しています」と、キャピタル・エコノミクスの北米担当チーフエコノミスト、ポール・アシュワース氏は述べました。
7月末までの12カ月間のインフレ率は8.5%で、6月の9.1%から低下しました。
ドイツ、付加価値2,650億ドルを失う見通し
ドイツ経済は、ウクライナでの戦争とエネルギー価格の高騰により、2030年までに2,600億ユーロ(2,650億ドル)を超える付加価値を失う見通しです。同国の雇用研究所の調査によると、労働市場にも悪影響が及びます。
調査によると、ドイツの物価調整後の国内総生産(GDP)は、ウクライナで戦争がなかった場合の予測と比べて来年は1.7%低くなり、雇用者数は約24万人減少する見込みです。
大きな打撃を受ける業種の一つは宿泊・飲食業です。同業界はすでにパンデミックで大きな打撃を受けており、消費者の購買力低下の影響も受けるとみられます。
化学産業や金属生産など、エネルギー集約型の部門も特に影響を受ける可能性が高いです。
ライン川、航行不能となる見通しで貿易に打撃
ライン川は今週、重要地点で実質的に航行不能となる見通しです。スイス・アルプスから北上し、ドイツ西部を通ってオランダ経由で北海に注ぐこの欧州の主要水路は、エネルギー製品やその他の工業原料を運ぶ重要な輸送ルートです。
ドイツのカウプでは、川の水位が金曜日にわずか40センチまで低下し、土曜日には37センチまで下がる見込みです。このため、石炭やディーゼルなどの貨物輸送に使われる艀は、このルートを通行できなくなります。
ユーロスタットの推計によると、欧州全体では河川や運河を通じて、EU市民1人当たり毎年1トンを超える貨物が輸送されています。ライン川の渇水による経済的影響は大きくなるでしょう。
「地域で雨があまり降らない限り、内陸水運の輸送能力は大幅に制限されます」と、ABNアムロ銀行の輸送経済学者、アルベルト・ヤン・スワルト氏はブルームバーグに語りました。「ドイツでは電力価格の高騰による損害も生じています。数十億規模の話です。」
欧州各地の河川も暑い夏に苦しんでおり、河川水温の上昇がフランスの原子力発電を脅かしているほか、イタリア最長の河川ポー川も干ばつに見舞われ、農業生産が脅かされています。
今週読むべき経済研究
世界の経常収支の不均衡が拡大していると、IMFの調査は指摘しています。拡大は2年連続です。
ソブリン債務を保有しているのは誰か? それはなぜ重要なのか。NBERの新たなワーキングペーパーが検討しています。




