競争力はどのように測るのか?
ここで言うのは、スポーツでの栄光や社内での出世競争ではありません。経済的な競争力、つまり国の成功を左右する要因についてです。
新たなテクノロジーが大きな変化をもたらすなか、こうした要因も変化しています。このように、第4次産業革命は2018年における競争力の意味を根本から変えています。世界経済フォーラムの新しい世界競争力指数4.0は、各国経済が将来の変化にどれほど備えているかを評価する新たな計算方法を用いて、その変化を捉えようとするものです。
「従来の手法を全面的に見直したものです」と、フォーラムの調査・地域インパクト部門責任者ティエリー・ガイガー氏はインタビューで語りました。「イノベーションやビジネスの活力といった最先端のテーマだけでなく、社会関係資本や信頼のような、社会の基盤となる要因にも目を向けています。」
首位は米国で、満点の100点中85.6点でした。続いてシンガポール、ドイツ、スイス、日本がランクインしました。
テクノロジーが働き方や暮らし方を揺るがし、再定義するなか、この報告書は長期的な成長にとって最も重要な側面を測定し、重要性を増している、目に見えにくい要因を重視しています。主な要因には、国が変化にどれほど備えているか、政府を含むすべての関係者がどれほど適応力と機動力を備えているかが含まれます。
「この指数は、一部の国が持つイノベーション創出力の秘密に新たな光を当てています」とガイガー氏は述べました。「世界にイノベーションを牽引する国がほんのわずかしかなく、ほかの多くの国がイノベーションを起こし、そこから成長を生み出せないのはなぜなのでしょうか。」
生産性を左右する12の要因、すなわち「柱」に基づくこの枠組みは、第4次産業革命の進展とともに重要性を増す人的資本、機動力、レジリエンス、イノベーションなどの要因を重視しています。その結果は複合指標で、98の個別指標を考慮しています。
「米国は、イノベーション、ビジネスの活力、起業家精神など、7つの分野で上位3位に入っています」とガイガー氏は述べました。「何かを創り出そうとする意欲、起業家精神が強いのです。」
それでも、米国にとってすべてが好材料だったわけではありません。社会の結びつきが弱まり、治安が悪化している兆候があり、殺人発生率は先進国平均の5倍に達しました。また、健康の柱でも遅れを取り、健康寿命は67.7歳で、先進国平均より3年、シンガポールと日本より6年短くなっています。
「改善の余地があることは明らかです」とガイガー氏は述べました。「グローバル化やさまざまな形の開放性に対する反発は、競争力を損ないます。」
報告書は、開放的な経済ほどイノベーションが活発で、市場もより良く機能することを示しました。また、働く環境の変化に人々が対応できるよう、テクノロジーの変化と社会政策を連動させる必要性も強調しています。北欧諸国、オランダ、ドイツは、競争力が高く、社会的支援も充実した国として挙げられました。
「ここで言うのは、再分配やセーフティーネット、職業訓練や技能再習得の政策を社会保障網に組み込むことです」とガイガー氏は述べました。「こうした対策はいずれも、衰退産業で職を失った労働者を支え、別の分野で再起する機会を提供できます。」


