二次制裁は効果があるのか?

Secondary sanctions can be controversial, and their effectiveness is highly contestedImage: UNsplash
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この記事は、世界経済フォーラムの地政学プラットフォームの一環です

経済制裁は、ドナルド・トランプ政権にとって重要な外交政策手段であることが証明されている。1年足らずの間に、北朝鮮、ロシア、キューバ、イラン、ベネズエラとの対立に対応し、既存の経済制裁を拡大した。

米国務省は、ロヒンギャの人々への対応を理由に、グローバル・マグニツキー法に基づいてミャンマーを対象とする新たな制裁を検討している。同法は、国際的な人権基準に違反した特定の個人について、米国が資産を凍結し、ビザを禁止することを認めている。

北朝鮮とロシアに対する経済制裁の効果を高めるために用いられる具体的な戦略の一つは、「二次制裁」と呼ばれる。この種の制裁は、制裁対象の国、組織、または個人に課される「一次制裁」に加えて採用され、非常に明確な特徴を持つ。

グローバル化によって、多くの国は従来型の経済制裁に対する脆弱性が低下した。その一方で、制裁対象国の内部で狙いを定めた人々に経済的苦痛をもたらす経済制裁を設計し、実施することは、深刻な課題となっている。

二次制裁によって一次制裁の効果を高めることは、一部の経済制裁体制が予想したほどの成果を上げていない状況に対処する一つの方法となるかもしれない。同時に、二次制裁は論争を招くことがあり、その効果については激しい議論が続いている。二次制裁の適用拡大を進める前に、外交政策の手段として期待できることと落とし穴を十分に理解することが重要だ。

二次経済制裁とは何か?

「二次制裁」という用語自体が紛らわしく、混乱を招いている。元となる「一次」制裁に追加できる経済制裁の一種があるかのように聞こえるが、二次制裁は、制裁対象国への影響を強めるために経済制裁を追加することにとどまらない。

制裁を科す国が、制裁実施後にその効果を高めようとする方法はいくつかあり、二次制裁の採用もその一つである。

制裁を科す国は、他国の企業や個人が米国の市民や企業と商取引を行うことを禁じ、経済制裁の「一次制裁」の対象国との経済関係を妨げることができる。

近年の例として、北朝鮮との金融取引を行った中国企業や個人に米国が科した二次制裁がある。2017年6月19日、米国は中国の銀行(丹東銀行)、中国企業(大連グローバル・ユニティ・シッピング社)、および中国人2人(Sun Wei、Li Hong Ri)に制裁を科した。丹東銀行は、米国に拠点を置く企業との銀行取引をすべて禁じられた。大連グローバルは、米国企業や米国市民との商取引を禁じられた。WeiとRiについては、資産が凍結され、米国に拠点を置く企業や個人とのあらゆる取引が禁じられた。

二次制裁の有効性をめぐっては、学者と実務家の間に大きな隔たりがある。従来、研究者の圧倒的多数は、二次制裁は効果的な外交政策手段ではないという見解を示してきた。この結論を支持する論拠や研究結果は、一方的な経済制裁の効果に関する証拠と軌を一にする。

  • 二次制裁による経済的損失が、国の政策を変えるほど大きくなることはめったにない。

  • 制裁対象国の政府や政権は、制裁を科す国を悪者にし、国民の誇りを高めることで、政治的権力を固めるために制裁を利用することが多い。

  • 制裁は、政権交代でも起きない限り、制裁対象国がいかなる状況でも撤回しそうにない政策を対象としている。

  • 制裁は個人や企業に悪影響を及ぼす一方、外交政策上の利益をもたらさない。

  • 制裁の執行は難しく、そのため成功の見込みが薄いまま、しばしば罪のない人々に経済的苦痛をもたらす。

多くの研究者は、二次制裁には経済制裁の最悪の特性がすべて備わっているうえ、自国の産業や市民に制限と経済的困難を押しつけることに反発する同盟国や敵対国との新たな紛争を引き起こしかねないという、さらなる厄介さがあると見ている。

二次制裁を効果的に活用できる可能性に、より期待を寄せる学者も少数ながらいる。ただし、同盟国との関係を悪化させるリスクも認めている。

二次制裁に対する学術界の支持は限られているものの、政府当局者は今も、それを実行可能で、ときには効果もある外交政策手段と見なしている。

その好例が、イランが核濃縮計画の制限を定める交渉に合意したことをめぐる、オバマ大統領、ヒラリー・クリントン国務長官、複数の外交政策専門家の主張である。2014年9月、イランのハッサン・ロウハニ大統領は、米国と国連が課す経済制裁の緩和、そして最終的な撤廃と引き換えに、核開発計画を縮小し、査察を受け入れることを目指す国際交渉に応じた。この交渉は、2015年7月にイラン、中国、フランス、ロシア、英国、米国、ドイツ、欧州連合が署名した包括的共同行動計画(JCPOA)に結実した。

この外交上の突破口に、二次制裁はどのような役割を果たしたのだろうか?

合意に至った状況や出来事についての分析と評価を検討すると、イランと取引する銀行やその他の企業を対象とする二次制裁の確保と実施には、米国による積極的な外交攻勢が大きく寄与した。

これらの二次制裁は、国際査察を含め、核開発計画を制限する合意の交渉にイランを向かわせた決定的な要因と見なされた。制裁の影響が最も大きかったのは2010~2014年である。

米国が商取引の対象範囲を次第に広げて制裁を科したことで、他国とイランの間で行われていた相当量の取引が停止した。

米国が法律と大統領令の両方を通じて対象範囲を徐々に拡大するにつれ、「外国企業や政府はイランのエネルギー部門への投資を縮小し、指定されたイランの銀行との金融取引を停止し、最終的にはイラン産原油の購入を減らし、国内銀行にあるイランの[資金]を差し押さえた。

「これらの二次制裁が効果を上げたのは、イランと対象となる取引を行う外国企業が米国市場にアクセスできなくなるという脅威だけでなく、外国政府がその脅威を受け入れ、自国企業を保護しなかったためでもある。実際、多くの国、特に欧州諸国は、米国の措置に続いて、当該活動自体を明確に禁止した。」1

あらゆる経済制裁と同様、二次制裁が発動されると企業や個人は代償を払う。二次制裁が効果的と判断されれば、制裁を科す国、制裁対象国、対象となる国の企業や個人が被る商業的損失は、外交政策上の目標を達成するための必要なコストの一部として、容易に正当化されることがある。さらに、制裁対象の政権と取引する企業や個人は、不正に得た利益を得ていると見なされる場合もある。少なくとも制裁を科す国の見方ではそうである。

二次制裁の効果が不確かなとき、経済的困難は、多くの場合、罪のない人々に何の目的もなくもたらされる。事業慣行や取引関係が混乱し、経済制裁体制が終わった後でさえ、元に戻すのが難しいことがある。二次制裁を、同盟国や敵対国に対して意味のある行動を取っているように見せるための単なる小道具として扱うべきではない。

二次制裁はおおむね効果がないとする研究が圧倒的であるにもかかわらず、今後も外交政策の手段として広く用いられる可能性が高い。二次制裁を発動する政府には、その成功を主張する自己利益がある(制裁対象国がその重要性を否定するのと同様だ)。そのため、実際の効果の評価は曖昧になりやすい。

また、二次制裁は、制裁を科す国が外交政策上の目標達成に向けて決意を新たにしたことを、公に示す手段でもある。二次制裁の効果をめぐる論争に決着がつく可能性は低く、過去と将来の適用の是非は、個別の事例ごとに判断されるだろう。

結論

二次制裁によって、制裁を科す国は制裁対象国に経済的損害を与える能力を高めることができる。しかし、同盟国や敵対国との紛争を招く可能性が生じるため、リスクも増す。

二次制裁は経済制裁を設計する際の選択肢として考慮すべきだが、適用できるのは非常に限られた状況においてのみである。したがって、二次制裁の実用範囲は限られている。どのような経済制裁でも、誤って発動すれば、利益より害のほうが大きくなりかねない。

二次経済制裁:効果的な政策か、それとも危険な賭けか?ジョン・J・フォーラー、アトランティック・カウンシル

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