インフレの影響は世帯によって異なり、最も所得の低い世帯が最も大きな打撃を受けることもある。
経済学の博士課程候補者によると、米国の最低所得世帯のインフレ率は7.2%で、他のどの所得層よりも高い。
最高所得層の世帯では、変化率は6.6%だった。
2021年に格差が拡大した主な要因は、食料品とガソリン価格の上昇だった。
40年ぶりの速さで進むインフレが米国全土の家計を圧迫している。価格は肉やジャガイモから住宅、ガソリンまで、あらゆるものが上昇し続けている。
広く報じられている見出しの数字の陰には、見過ごされがちな事実がある。インフレの影響は世帯によって異なり、持てるものが最も少ない人々が、最も大きな打撃を受けることもある。
インフレ率は、米国の労働統計局が算出しており、典型的な米国の世帯が購入する商品かごの価格上昇を追跡することを目的としている。問題は、世帯ごとに支出の内訳が異なることだ。例えば、所得が下位20%の世帯は通常、予算の約15%を食料品に費やす。これは、私の計算によると、所得分布の上位20%の世帯よりも約60%多い。
インフレ格差の拡大
2022年1月12日、米労働統計局(BLS)は、インフレ率が7%上昇したとする統計を発表した。12月の前年同月比で、1982年以来最も速いペースだった。世帯による違いを調べるため、同局の物価データを使い、所得層ごとの典型的な支出習慣を考慮した。
私の計算では、最低所得世帯のインフレ率は7.2%で、他のどの所得層よりも高い。最高所得層の世帯では、変化率は6.6%だった。
この2つの所得層の差は2021年を通じて着実に広がり、年初はわずか0.16パーセントポイントだったが、年末には0.6パーセントポイントに達した。これは2010年以来の高水準に近い。
経済学者がインフレ格差と呼ぶ、富裕層と貧困層の間で広がるインフレ格差の原因は、所得層ごとの典型的な支出習慣にある。
経済の先行きが不透明な時期や景気後退時には、ほとんどの世帯がぜいたく品の購入を控える傾向がある。しかし概して、食料品や暖房などの必需品を減らすことはできない。もっとも、裕福な消費者は価格が安いときにこうした必需品を買いだめしやすい。
休暇や新車などのぜいたく品から必需品へと支出が移ることで、富裕層より貧困層のインフレ率が高くなる。低所得世帯は所得に占める必需品への支出割合が高いためだ。
私のデータによると、このインフレ格差は景気後退期や景気回復の初期段階に最も大きくなる傾向がある。2008~2009年の世界金融危機後、最低所得層と最高所得層のインフレ率の差は1パーセントポイント近くに達し、現在より大きかった。
これに対して、2012年から2018年のような経済成長期には格差が縮小する。2016年には一時、逆転さえした。米国の低所得層のインフレ率は、高所得層よりほぼ0.5パーセントポイント低かった。
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2021年に格差が拡大した主な要因は、食料品とガソリン価格の上昇だった。これにより、すべての世帯でインフレが加速した。しかし、低所得世帯は家計収入に占める食費とエネルギー費の割合が高いため、より大きな影響を受けた。
ガソリンと食料品の価格を除けば、インフレ格差は大幅に縮小する。
今後、インフレ格差は世界金融危機後と同様の動きをたどると予想する。景気回復が持続的な拡大へと移るにつれ、低所得世帯のインフレ率は高所得世帯より低くなるだろう。


